腸チフス(ちょうちふす)は、チフス菌による感染症である。発展途上国での流行が多く、日本をはじめとする先進国での発生はまれ。
経口感染症だが、下痢はあまりみられない。菌が腸に入った後、血液中に侵入(敗血症)するのが特徴。
感染経路
感染した人の便や尿に汚染された水や食品を摂取することによって感染する。ごく少量の菌によって感染することもある。
症状
感染して1~3週間は症状がなく、その後、高熱、頭痛、倦怠感、ピンク色の発疹、便秘などの症状が現れる。熱が高い割に脈が遅いのが特徴。
ひどくなると腸から出血したり、腸に穴が開いたりすることがある。最悪の場合は死亡する。
治療
日本の感染症法ではコレラや細菌性赤痢などと同じ三類感染症になっている。患者はしばらくの間、飲食業やサービス業に従事できなくなる(就業制限)。
予防方法
関連タグ
- パラチフス : 感染症の一種。チフス菌と近縁の細菌によって起こり、症状も腸チフスと似ている。
- サルモネラ菌 : チフス菌と近縁の細菌。食中毒の原因となる。
- 発疹チフス : 腸チフスと似たような症状を呈する、シラミやダニが媒介する病気。腸チフスやパラチフスとは病原体および感染経路が異なるため、別の病気として扱う。