概要
ポリオは、ポリオウイルスというウイルスによって起こる感染症である。正式な病名は急性灰白髄炎(きゅうせいかいはくずいえん)。主に赤ちゃんや子供に感染することから、小児麻痺(しょうにまひ)と呼ばれることが多い。
ポリオウイルスが口の中に入って、腸で増えることによって感染する(経口感染)。また、排泄物を通して人から人に伝染する。ちなみに、ポリオウイルスは夏風邪の原因となるエンテロウイルスの生物学的な親戚である。
かつては全世界で発生していたが、国連・世界保健機関(WHO)主導のワクチンの普及により、現在はアフリカと中東の一部の国でのみ発生している。
症状
感染しても多くの人(90%)は無症状である。一部の人に以下の症状があらわれる。
- 発熱・頭痛・のどの痛みなど、風邪に似た症状
- 胃腸症状(嘔吐、下痢)
- 重症になると腸に入ったウイルスが脊髄に入り込み、手や足の筋肉の麻痺がみられる。その麻痺が後遺症として一生残ることもある。また、最悪の場合、呼吸にも麻痺がみられ、死亡する。
治療
基本的には対症療法しかないが、一旦重い後遺症が残ってしまうと完治することはない。
このため、ワクチンのなかった時代にはそのまま障害者となってしまう子供達も少なくなかった。
なので、かからないことが肝心である。
日本の感染症法では危険度の高い二類感染症となっており、症状がある人は隔離入院させられる。また、無症状であっても病原体を持っている人はしばらく仕事に行くことができなくなる(就業制限)。
ポリオに罹患した著名人
- フランクリン・ルーズベルト(32代アメリカ大統領)
下肢に後遺症が残り車椅子であった。
車椅子使用者となったことから「ユニバーサルデザイン」の概念を生み出す。
- 村上博(熊本市議員)
後遺症で車椅子となっている。
予防方法
ワクチンで予防する。
現在は幼児のうちに接種する四種混合ワクチンに含まれている。
関連タグ
尾身茂ポリオ撲滅に尽力。