概要
ドラえもんカラー作品集6巻及び、藤子・F・不二雄大全集11巻に収録
前もって人形やセットを用意しておくと、それを操る人がいなくても人形劇を楽しめる機械。芝居のシナリオを機械に入れると、シナリオに沿って人形やセットがひとりでに動き、劇を演じ始める。シナリオ上にある人形などがない場合は、その場にある適当なものが代役となって動き始める。
ちなみにアニメにおいての表記は、大山版が「自どう人形げき」、水田版が「自動人形げき」となっている。
ストーリー
のび太は自身の指に画用紙を巻いて芯にし、そこに紙ねんどをかぶせて成型し魔法使いの人形の頭部を作製。これにしずかが作った服を着せると、一方スネ夫の方も舞台が完成し白雪姫の劇に出すセットが整ったが、その時しずかが毒リンゴの存在を思い出し仕方なくのび太のおやつの柿の実を使うことになった。
各々荷物を持って空地に移動していると、途中でジャイアンに出くわし主役をやると言い出し、劇が始まると集まった観客たちによそ見したり、拍手をしなかった奴はぶん殴るとまで言い出した。そして劇が始まると、最初は予定通り魔女が白雪姫を森へ連れ出すよう狩人に命じていたが、ジャイアンが演じる白雪姫の喋り方を観客たちが笑ったため、睨まれてしまった。
更に狩人が白雪姫を殺すよう命じられたことを言うと、「面白い。やってみろ」と言い出し、演じていたドラえもんを追いかけだした。のび太としずかが劇であることを説明し劇を再開したが、今度は「皆で力を合わせて魔法使いをやっつけよう」と言い出し、話が違うとのび太が止めに入ると、「俺の台詞にケチをつける気か」と殴りかかってきた。
これに観客たちも呆れて帰ってしまうと、ジャイアンも下らないと言って帰ってしまい、スネ夫は「劇がメチャメチャになった」と嘆き、しずかも「苦労して準備したのに」と落ち込んでいたので、ドラえもんは自分達だけで劇をやることを提案。のび太が見物が一人もいないことを指摘すると、「自動人形劇」を取りだしこれで人形やセットを動かして劇を再開させ、魔法使いが白雪姫が生きていること知るシーンからスタートさせた。
この劇に各々感心し、白雪姫が毒入りの柿の実を食べるシーンまでを上演させたが、白雪姫が食べる前にジャイアンが柿の実を食べてしまい、自分のおやつだと取り返そうとしたのび太は種1粒だけ返される始末だった。自分のせいで一度ならず二度までも劇が台無しになったのに全く悪びれもしないジャイアンの態度に怒りを隠せない三人。そこでドラえもんは今度は『猿蟹合戦』で仕返しをしようと提案し、ジャイアンを猿役にしてスイッチを入れると、途端にジャイアンが猿のようになり家に入ろうとするとハチミツの空瓶を踏んで転倒。
続けて母ちゃんから臼を物置にしまうのを手伝うよう言われた際、彼女が栗ご飯の火をかけたままにしていたことを思い出し行ってしまったため、臼の下敷きになってしまう。さすがに反省して「起こしてくれ」と泣きながら助けを求めるジャイアンを見て、ブロック塀の向こうからこれを見たドラえもん達は大爆笑。
こうして悪い猿役のジャイアンは文字通り「ハチ」と「栗」と「臼」によって懲らしめられたのだった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1980年7月7日に、水田版は2024年11月9日にそれぞれ放送している。
2024年版
- 冒頭でのび太は、人形作りの工程をしゃべってはいなかった。またこの後スネ夫は鏡に仕掛があると話していて、柿の実はおやつとして用意されていたもので、のび太が丸かじりしようとしたためドラえもんがむいてあげると言っていた。ちなみにしずかが持っていた荷物はダンボール箱に変更されている。
- ジャイアンは始めは優しい口調で挨拶や注意事項を言っていたが、途中で帰ることも許さないと言った時は凶悪な顔つきになっていた。
- しずかは魔法使いの役、スネ夫は魔法の鏡の役をやっていて、劇は魔法使いが鏡に訪ねるシーンからスタートしている。
- 鏡が白雪姫が7人のドワーフたちと共に森の奥深くで住んでいると答えるシーンや、魔法使いが壺をかき回して毒の柿を作るシーンが追加されている。またしずかの感想は「思わず引き込まれちゃう」に変更されている。
- ジャイアンが吐き出した柿の種は3粒で、「庭に撒けばいっぱい実がなるぜ」と言い捨てて帰っていて、これにのび太が「猿蟹合戦じゃないぞ!」と叫んだことでドラえもんはそれの劇をすることを思いついた。またシナリオについてはのび太がスネ夫から指摘されながら書いたが、スピードが非常に遅かったのでじれったく思ったドラえもんが簡潔でいいと先を急がせた。
- ドラえもんは最初にスイッチを入れた際、まだ白雪姫のままだったのでジャイアンは一瞬だがそれになりきっていて、近くにいた親子はドン引きしていた。
- ジャイアンが瓶で転んだり、母ちゃんが臼を持っていたのは全てジャイアンちの庭で行われていて、焦げ臭いのに気づいたのはジャイアンだった。またドラえもん達はブロック塀ではなく家の前からこの光景を見ていて、ラストではジャイアンの姿が猿に差し替えられていて、のび太の「めでたしめでたし」の台詞で締めくくられている。
余談
2024年版では、先週の放送にて5年間OPを務めた星野源による『ドラえもん』は終わりを迎えたため、今回から映画45作を記念して『夢をかなえてドラえもん』が復活し、今までの映画の名場面を繋ぎ合わせた仕様でEDとして使用された。