概要
「zero」の名の通り、某氏屋氏が描く艦これワールドの前日談のような話。
深海棲艦の正体や明石・大淀が当初艦隊に居なかった理由など、種々存在する艦これの謎に対する丁寧な考察が持ち味である。
特にリョーサン氏の着想をリスペクトしつつも、さらにそこからもう一段深化させた羅針盤についての設定(第10話)は一見の価値ありと言えるだろう。
2014年9月4日発表の11話をもって、本シリーズは完結となった。その後もシリーズ内で語れなかった設定やゲーム中の仕様に独自の解釈をなした『号外』、解釈をホラー仕立てにした『怪艦談』などの番外編も描かれている。中には「秋刀魚漁の真の目的」「リアルイベントが多い理由」「浮き輪さんの前世」なんてものもある。
なお「艦これ/Zero」というタイトルは、読者が恐らく人気シリーズ『Fate/staynight』の前日譚として発表されたスピンオフ作品「Fate/zero」をもじって付けたものだったが、pixivでのタイトルとして作者公認となった。ニコニコ静画(マンガ)では「艦これ前日譚 ◯四二三事変」のタイトルで公開されており、後に編集を加えて出版された同人誌版もこの題名を踏襲している。
登場人物
ハセベ
本作の主人公。
本職は科学者であり、軍隊に属したことはない。
生体と機械、両方の分野に造詣が深く、何を専門にしていたのかは不明。そうした経歴を含む素性に関していえば、実は一番謎の多い人物だったりする。
『艦娘運用システム』の確立後も"横須賀"にて顧問活動や新システムの開発等、現在進行形で研究者妖精(後述)とともに「艦これ」ワールドの下拵えに余念がない。
世界設定を同じくする「Re:BORDERシリーズ」では老年となりながらも現役でいる彼の姿を見ることが出来る。
研究者妖精
ハセベらが深海棲艦からサルベージした妖精の一人で、ハセベと二人三脚で様々な装備開発や研究を行っている。
こちらも生前は学者肌の人物だったようだ。
本名は明言されておらず、番外編でも明かされなかった。
明石
ハセベらが試行錯誤の中で初めて建造に成功した艦娘。
ちなみに建造方法は「未供養の対象艦の遺物を触媒にする」という特殊なもの。…どこかで聞いたことがある様な気がしないでもない。
彼女は装備品どころか艦娘自体も作ることが出来、艦娘を量産するための建造ドックとして艤装を改造している。
そのため、現在明石は艤装を持っておらず、出撃不能である。
大淀
明石と同様の方法で建造された艦娘。
羅針盤の開発に協力しており、それが終わったら彼女もまた司令部施設として艤装を明け渡す予定となっている。
間宮
一コマしか登場していないが、明石と同様の方法で建造されたものとしては最後になる艦娘。
明石・大淀の両名が公的にも私的にも重要ということで建造をリクエストした。
彼女の艤装も鎮守府の施設として改造されたと思われる。
裏設定の様なもの
某氏屋氏のイラストにはサイバネ化した艦娘が描かれたものが多いのだが、これは艦これ/zeroの作品世界と無関係では無く、降神現象(ドロップ)で受肉したケースでは無く、艤装と適合する生身の女性を"改装"した結果らしい。当然、メンテナンスの必要性は増す。
その一方、適合率が高ければ"接続器"や"同調器"無しでも艦娘になれるのだが、それはそれでリスクがあるようだ。
関連イラスト