「横島さんて、とってもいい人ですもの!
私、まだ会ったばかりですけど、
なんていうか――
自分に正直であけすけで
その分誤解されたり傷ついたりしてて、
でも、そんな人だから、
そばにいて安らげるっていうか……」
人物
横島のアパートの隣の部屋に住んでいた浪人生がおキヌの激励も有り大学に合格して引越した後、その部屋に引越して来た一家の娘。
初登場は、出会って3回目のバレンタインデーに横島のアパートへチョコレートを届けに来たおキヌが、いつもの様に食い詰めている横島のため食材の工面に行っている間に、横島の部屋へお米を無心に訪ねて来た。
後に横島やピートの通う高校へ一学年下で編入する。
ネーミングの由来は、昭和の大放送作家花登筺(はなとこばこ)である。代表作は『細うで繁盛記』(小説『銭の花』)、『あかんたれ』(小説『土生っ骨』)他。ちなみに花登筺は男性。
小鳩の曽祖父は、借り主はもちろん…その親兄弟からも容赦無く金をむしり取るという、かなりえげつない取立てを行う高利貸しであった。その悪行の因果応報により、子孫の花戸家は貧乏神にとり憑かれ極貧生活を強いられていた。
さらに小鳩は、病弱と言いながら極端に食い意地の張った母親まで抱えている。
しかし、そんな過酷な運命にも挫ける事なく…
「ひまわりさんに笑われちゃう!!」
「どんなときでも『よかった』を探さなきゃ…!!」
など…どこかで聞いた様なセリフを口にしながら明るくふるまう健気な少女である。
ともあれ、そんな彼女の境遇を知った横島は、持ち前の義侠心から貧乏神を霊波刀を使って除霊しようとしたのだが……
横島が初めて結婚した相手であり…(笑)
また彼が、生まれてはじめてデートした女の子でもある。
その時、椎名作品の定番スポットである東京デジャヴーランドに出掛けた。
苦労人だけあって案外チャッカリした一面も持ち、生身で大気圏突入した横島が記憶喪失になってしまった時には(マリアの記事参照)、「横島さんは小鳩と結婚しました!」と都合良く記憶を摺り込もうとした。
横島の母が学校に来た時は、若くて綺麗なお母様ですねっ‼︎挨拶しちゃったー、と言っていた。
貧乏神(貧ちゃん)
メキシコの民族衣装のつば広帽子ソンブレロとポンチョがトレードマーク。
悪徳高利貸しだった小鳩の曽祖父の被害者達の強い恨みの念により花戸家にくくられているが、小鳩から「貧ちゃん」と呼ばれ、家族同然に扱われている。
本人も小鳩たちに対して害を加えるつもりは全く無く、花戸家を貧乏から解放しようとむしろ協力的。貧乏神が、小鳩を励ます際の決まり文句…
「銭の花は白い…!! せやけど、その根は血のように赤いんや…!!」
これは先述のTV番組『細うで繁盛記』のオープニングナレーションが元ネタ。
貧乏神とて神様のはしくれであるため、悪霊や妖怪と同様に除霊を行うと逆にそのエネルギーを吸収して強力になるという厄介さを持つ。
最初は人形程度の大きさであったが、先述の横島の攻撃によって身長2〜3m程に…美神がいつものイージーミスから神通棍で攻撃を加えた際は、5〜6階建ての建物位に巨大化した。
当然、巨大化する度に影響力による貧乏の度合いは大きくなる。
身内になれば攻撃によるエネルギーは中和されるというオカルトGメンの西条の提案で、まず横島と小鳩が…ついで美神も唐巣神父の教会で結婚式を挙げた。ただし3人とも式のみで未入籍。
しかし、美神は貧乏神から「2号はん」呼ばわりされるのであった。
何だかんだで…横島が試練をクリアした事により、貧乏神は福の神にクラスチェンジを果たした。これにより花戸家は貧しさから解放される……はずである。
福の神の外見は、先述のソンブレロがエジプトのファラオの鬘(かつら)の様な被り物にかわった。
しかし、再登場時には元の外見に戻り、呼び名も…貧乏神のままであった。(汗)