注意!
なろう系の作品ではよくある事だが、正式名称が「全角30文字以内」という制限をオーバーしてしまう為、正式名称をそのままピクシブでタグに付けようとすると無効なタグになってしまう。
そのため、イラスト等を投稿する方はこの辺りを注意して欲しい。
概要
正式名称は
「若者の黒魔法離れが深刻ですが、就職してみたら待遇いいし、社長も使い魔もかわいくて最高です!」。
森田季節氏原作のファンタジー小説。小説家になろうで2016年から連載が開始され、2019年11月に完結。
森田氏がなろうで同時に連載しているスライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってましたと同じく基本はどこか現代日本に似たファンタジー世界が舞台のほのぼのとしたコメディだが、こちらは異世界転生物ではない。
また、森田氏の就職活動やサラリーマン時代の実体験を元にしており、就職活動事情やブラック企業、過労死問題などもたびたび出てきており、ファンタジー世界に置き換えた現代日本のサラリーマン事情や社会問題を描いた作品と言える。
さらには、「スライム~」とは逆に性的描写が多く、各章のオチは主人公が女性キャラと「サキュバス的なことをした」等としめるのがお約束となっている(ただし、詳細な描写はボカされている)。
集英社のダッシュエックス文庫で書籍化されており、既刊6巻。イラストは47AgDragon(しるどら)氏。2020年発売予定の7巻が最終巻となる……はずだったが、現在、7巻の刊行は何故か白紙状態となっており、書籍版は事実上打ち切りとなってしまった。
出水高軌氏の作画で漫画版もマンガUP!、ニコニコ静画等で連載されていた。全9巻。
漫画版では原作でボカされていた性的描写がある程度‥‥どころかかなり際どいところまで描かれており、連載時にはいわゆる「黒海苔」で乳首や局部などを隠す処置がとられ、読者からは「黒(海苔)魔法」等と呼ばれている。単行本では黒海苔は全て外されている。
そのせいか、森田氏曰く「電子書籍版がすごく売れている」とのこと。
こちらは、一部省略したエピソードはあるが、ちゃんとweb版の最終回まで続け、2022年6月に完結した。
あらすじ
魔法学校を卒業間近の青年フランツは、成績が良いにもかかわらず面接が苦手なことが災いし、白魔法での就職先が決まらずに無職のまま卒業の危機に陥っていた。
見かねた学生寮の職員リーザに勧められてダメ元で、「キモイ(「キツイ」ではない)・キタナイ・キケン」の3K業界と言われ、人気のない黒魔法の会社を受けることに。
しかし、その会社「ネクログラント黒魔法社」は社員が快適に働けるように、「キレイ・カイテキ・カイホウテキ」のNEW3Kをスローガンに職場環境を改善した超ホワイト企業だった。
さらに、フランツが試しに使い魔を召喚したところ、上級悪魔であるサキュバスのセルリアを召喚し、黒魔法の適性が高いことが判明する。
こうして、ネクログラント社に入社したフランツは、ケルベロス娘の社長ケルケルやセルリア達とともに、時には社会の荒波に立ち向かいながらも、楽しく社会人生活を送っていく。
登場人物
ネクログラント黒魔法社
※詳細は個別記事を参照。
魔法学園関係者
- リーザ
魔法学園の寮母。
フランツより少しだけ年上で「リーザちゃん」と呼ばれる。
ケルケルとはカフェ友達で、就活に困っていたフランツに彼女を紹介する。
- ドルク
フランツの同級生で、田舎貴族の五男。
厄介払いで魔法学校に入れられ、その反動で優等生に上り詰めた努力家。
卒業間際に黒魔法の才に目覚めた上にセルリアを使い魔にしたフランツの才能を疑い、自分の実力を超えたことに納得いかず自身の使役するゴーレムと使い魔による決闘を挑むが、セルリアの触手魔法に完敗。
勝者への代価として、自分の所持している男爵位と領地である田舎の集落「ファントランド」をフランツに譲渡した。
漫画版では「フランツをライバル視している」という設定が追加されており、最終回で1コマだけ再登場した。
- ソント
フランツの同級生。あまり成績は良くなく、学園を卒業はしたが魔法関連の定職に着けずバイトで食いつないでいた。
それも次第に長続きせずにクビになっては次のバイトというのを繰り返しており、お金が無くなり住居を追い出されていたのを再会したフランツが見かねて一時期面倒を見ていた。
トトトの助言により、彼が魔法で食べていける能力がなく、このまま魔法関連の仕事にこだわっていてもジリ貧になると気付いたフランツは心を鬼にしてソントを説得。親元に戻ることになった。
その後は、魔法とは関係のない仕事に就くことができ、生活は安定するようになっている。
漫画版では登場回がカットされた。
その他
- ホワホワ
ファントランドの沼地に住む種族「沼トロール」の少女。
見た目は若いが350歳。これでも一族では最年少で、唯一人間の言葉が話せる。ややカタコトで語尾に「がう」「がうがう」と付く。
村を訪れたフランツと出会い、住処の沼を守ってほしいと頼んでいる。
その後、王都にオープンした居酒屋「田舎屋」で働いている。
- リディア
セルリアの姉のサキュバス。
性格は妹とは正反対でかなり軽くギャルっぽい。厳格な父親に反発しがちでこうなったらしい。父親曰く「土下座したら童貞を捨てさせてくれるサキュバス」として有名。ただ、セルリアの事は姉として心配しており、フランツとセルリアの仲を応援している。
余談だが、ニコニコ静画の漫画版で、「土下座したら~」の件が出た時、「土下座します」というコメントが大量発生したとか‥‥。
- アリエノール
黒魔法業界の合同新人研修でフランツが出会った女性の黒魔法使い。
「モルコの森」にある「カーライル魔法商店」の跡取り娘。「~なのだ」など男っぽい口調で態度も大きい。ただし、我流のためか技量はそれほどでもない。
研修で出会ったフランツのことを一方的にライバル視しているが、彼に好意も抱くようになり、なんだかんだで現地妻(?)的関係に落ち着く。
実は料理が上手く、幼少期はレストランを開くことが夢であり、後に実家の魔法商店でレストランも兼業するようになる。
さらにしばらくして、王都に出店するために移住。フランツの協力もあり店も軌道に乗ったのだが、最終章でフランツの子供を妊娠。彼と結婚した。
- ヴァニタザール
ケルケルの旧友のネクロマンサーの女性で精神を操る紫魔法の使い手。やはり黒魔法で若返っている。
昔はいい会社を作ろうとしていたが、雇った従業員に裏切られて全てを失い悪堕ち。人権を認められていないからとアンデッドを強制労働させるブラック企業の社長となっていた。
フランツやケルケル達の活躍でアンデッドを解放され、さらに自分の苦しい胸の内を吐き出したことで改心。会社の経営方針を改善し再出発した。
‥‥なのだが、色々とアブノーマルな(性的な)プレイを好むド変態であり、頻繁にフランツがその相手をする羽目になっている。
用語
ケルケルが社長をしている会社。
- 黒魔法継承式
黒魔法業界で新人に黒魔法を教える為の儀式で、熟練の黒魔法使いと新人が正式な作法に則り、性的な行為を数時間することで、大量の基本的な黒魔法を伝授できる。
作中では、フランツとサンソンスーがケルケルとこれを行っている。
- 王都国際魔法学校
フランツやドルクの母校。プロの魔法使いを育てる教育機関。
我々の世界の大学に近いが、期間は18歳までの4年間。
なお、新卒者が就活に苦労するのも我々の大学に近く、フランツが苦戦していたところから物語は始まる。
- ファントランド
フランツがドルクから男爵位と共に譲渡された田舎の集落。戸数6、人口21人(15歳以下は1人)の超限界集落。他にも先住民である沼トロールが50人、村の沼で暮らしている。
唯一の特産品は「ドブロン」という濁り酒で、酒にうるさいメアリやトトトが認める絶品。
村おこしのための大型商業施設誘致の話が持ち上がっており、沼が埋め立てられそうになっていたが、フランツが沼トロールを守るために話を断り、代替案としてドブロンの増産、販売計画を企画。ファーフィスターニャの協力で増産体制が整い、沼トロールを雇うことで人材不足も解消されトロール側も外貨獲得の手段を確保。現在は販売が軌道に乗り出している。
なお、商業施設の件は、実は悪徳業者による詐欺まがいであることが判明し、業者は後に役人との癒着で逮捕されている。
その後、王都でドブロン普及のためにドブロンとファントランド料理の居酒屋『田舎屋』を出し、そちらも好評となっている。