蕭竹盈
しょうちくえい
蕭竹盈は、「霹靂布袋戲」の初期に登場した人物で、葉小釵の妻だった女性である。彼との間に金少爺が生まれている。
自分を捨てた夫を恨んで呪いに手を染める一方、最期に彼の名を呼ぶ、恋愛の狂気と純情を表現した女性。
蕭竹盈は、葉小釵の妻であり金少爺の母である。2人を深く愛していたが、それゆえに身を滅ぼした。
陰謀家歐陽上智の義子のひとりで、素還真と初めて対面したときは、仮面をかぶり「陰月夫人寒雪飄」と名乗っていた。
少女の頃は明るく親思いで行動的な性格だったが、失恋のショックから人が変わり、冷徹さの内側に激しい負の念を抱えた女性となる。金色の羽毛のついた投げ針と「黑邪書」という呪いの本が武器。
蕭竹盈は、雲海の中にある「雲路天宮」の主、流星君の一人娘だった。彼女は、母の病を治す薬を求めて男装して武林に降りたが、偶然、一人の男が「南霸天」の兵に追われているところに遭遇し、その男を助ける。すると、華麗に戦う彼女の姿に南霸天の武将、半月郎君が邪念を抱き、彼女は拉致される。
流星君は娘を取り戻そうと南霸天に戦いを挑むが、敗走中に崖から落ちて生死不明になる。
蕭竹盈自身は武林の名士一劍萬生に救出されるが、父が行方不明になり母も亡くなったと聞き、衝撃のあまり記憶を失い魂が抜けたようになる。一劍萬生は彼女を元に戻そうと手を尽くすが、彼女を回復させたのは一劍萬生の従僕だった葉小釵の愛情だった。
嫉妬にかられた一劍萬生は葉小釵を殺そうとし彼の顔に傷をつけるが、蕭竹盈が割って入ったため、2人は2年後に蕭竹盈をかけて決闘することを約束する。旅立つ葉小釵を見送りに向かった蕭竹盈は、彼と夫婦の実を結ぶ。
9か月後、蕭竹盈は金少爺を産み、月足らずで産まれたことと親が一人しかいないことから「少一」と名付ける。その頃、生還した流星君が恩人である一劍萬生に蕭竹盈を嫁がせようとしていたことから、蕭竹盈は金少爺の養育を葉小釵の両親に託す。
そうこうしていうちに約束の「2年後」が来る。風雨坪で葉小釵が一劍萬生を破る姿を見た蕭竹盈は、金少爺を抱いて彼に駆け寄るが、葉小釵は冷たく彼女を突き放し、黙って立ち去ってしまう。
家族3人幸せに暮らせると信じてこの2年間を耐えてきた蕭竹盈は、夫の唐突な変心に正気を失う。そして彼に復讐するため、72人の男と交わってその魂を抜き取り、1冊の書物に封じ込め強力な呪いの本「黑邪書」を作り出す。
しかし、同じように餌食にするはずだった唐門の主の策にはまり、妊娠させられ路頭に迷っていたところを歐陽上智に救われ、彼の義子になった。以後、雲路天宮再興を願いながら歐陽世家のために暗躍する。
武林至尊に昇りつめた歐陽上智が、反抗勢力をあぶり出すため爆死を装った時、蕭竹盈はその協力者として素還真らの前に姿を現した。
金少爺と再会した彼女は、彼に罵倒されたことや彼が育ての親である葉小釵の父を殺したこと等に衝撃を受け、昔のように記憶喪失に陥る。
彼女の回復には肉親との情交が必要だと知った歐陽上智は、流星君をだまして彼女を抱かせる。それによって蕭竹盈は記憶を取り戻すが、事実を知った流星君は歐陽世家を去り、岩の前に座り込んで通りかかった人間に3千回鞭打たれるという贖罪を行う。
また、かつて葉小釵は修行の中途で死病にかかり、それを克服する代わりに結婚が望めない体になっていた。そのせいで自分の前から去ったのだとを半駝廢に教えられた蕭竹盈は、武林の争乱から身を引き葉小釵や金少爺との関係を修復しようとする。
しかし、まもなく彼女の下にいる三魔靈(飛狼、鬼智靈童、魔靈殺素)を奪いに来た女暴君との戦いに敗れ、命を落とす。
最期の言葉は「葉…小…釵」。
彼女の遺体は素還真の手で金少爺の下へ運ばれるが、金少爺は「コイツが俺の母親だという証拠でもあるのか」と受け取らず、素還真を怒らせている。
- 公式人物資料(蕭竹盈)※中国語