概要
※1 名前は【その43】より。
※2 みょうもん:己を示す紋章の事。
「九十九の満月」の世界(以下、九十九世界) に登場する、よく使いこまれた釜戸と台所が触媒(ベース)の物化妖。
二足歩行で貝の触手やキノコに似たものが生えた軟体動物のような妖怪で、釜戸を背負った姿をしている。
下級物化妖で生き物は襲わないが、妖怪の多くは前世の記憶に縛られるので、元が釜戸と台所だった“釜(かま)かぶり”は釜戸に溜まった灰を食べる妖怪。その際、自分より大きな釜を見つけると貝の触手のような部位を伸ばして、ヤドカリのごとく背中の釜を背負い換える習性を持つ。
なので、ある日突然、家の釜が一回り縮んだ様に感じたのならば、周りをよく探してみてほしい・・・
さすれば、きっとそこには…
一回り大きくなった釜かぶりを見つけることができるだろう…。
だが…
おんでこ屋敷(空を飛ぶ巨大なお化け屋敷で本作の舞台)『土間の間』(柱が無く、草原のような環境と空が広がる部屋)に生息する釜かぶりは、人間の何倍もある巨体で(背負う釜も巨大で!!)歩く姿を確認できる。
龍の娘「もう…何が何やら…」
余談
【その103】のおしこさ(本編後にある補足説明)では“かまどかぶり”の名で紹介されている。名前が…というのは本作でよくある事。
関連タグ
物化妖(ものばけよう:物が触媒(ベース)の妖怪)
おさんどん・・・台所仕事をする女中、または台所仕事全体を指す言葉。
鴨川家(九十九の満月)・・・大きなお屋敷に広い台所と釜土でお米を炊く女中達が働く場面がある。もしかしたらここにも釜かぶりがいるかもしれない。