飛べ!レオ兄弟宇宙基地を救え!
とべれおきょうだいうちゅうきちをすくえ
MACは宇宙の監視を広げる為、
エネルギーに強力なMACウランを使用する事になった!
これは宇宙人にとっては恐怖であった
そしてウランをステーションへ運ぶ役におおとりゲンが選ばれた
凶悪な宇宙人の陰謀の手が…果たして作戦は成功するか?
さぁ、みんなで見よう「ウルトラマンレオ」!!
変身怪人アトランタ星人
ナレーション「宇宙のエメラルドと呼ばれる美しい星。この地球を狙っている宇宙人は数知れない。その為にMACは、今までに倍して監視の目を広げる事になった。その第一弾として、エネルギーは強力なMACウランを使用する事が決定された」
並ぶ隊員達に、MACウラン輸送任務を担当する隊員が発表される。
白土「MACウランを運ぶ役は誰がやるんですか?」
高倉「うん、モロボシ君とも話し合ったんだが…」
ダン「ゲン、お前にその役目をやって貰う」
ゲン「僕が?」
高倉「おおとり君、君の役目は重大だ。慎重の上にも、慎重を期してくれ給え」
ゲン「はい!」
その時、突然鳴り響く警報器。計器を確認した梶田は、未確認飛行物体が地球に接近している事を報告。
ダンの号令で全隊員が出動し、マッキー2号と3号が現場に赴く。すると、その飛行物体の正体は地球の宇宙船だった。
梶田が呼びかけるものの、宇宙船から応答はなし。マッキー2号は分離し、佐藤の命令で全機突撃体制に入る。
宇宙船は煙を立てて山中に落下し、不時着。落下現場にやって来た佐藤と梶田は酷い有様だと辺りを見渡していると、そこには背中に火がついた宇宙飛行士が。なんと乗員の1人が生きていたのだ。
梶田に救急車を呼ばせ、佐藤は乗組員の救助に向かう。ゲンも駆けつけ、砂山を転がって背中の火を鎮火。宇宙服のヘルメットを外すと、その男は息を荒く苦しんでいた。
(場面転換)
乗組員の男が運び込まれた病院の屋上で、ゲン達はその男について話し合っていた。
ゲン「一体、あの宇宙船の正体は何なんでしょう?」
佐藤「あぁ、さっき現場からの報告では3年前にアトランタ星へ探検に向かったまま行方不明になったものだと言ってきた」
ゲン(アトランタ星?あそこには卑劣な凶悪宇宙人が住んでいると言われてるんだ…あの星から生きて帰れるなんて、人間技とは思えない)
松木「佐藤隊員!」
佐藤「おう!」
松木「驚かないで下さいね、あの人擦り傷一つ無いんですってよ」
ゲン「えっ、何だって!?」
松木「間もなく精密検査が全部終わるんですけどね、今の所体のどこにも全く異常がないんですって」
梶田「信じられないな…」
松木「あっ、長官とお嬢さんだわ」
病院へやって来た高倉長官と、その一人娘のあや子。2人が病室の前までやって来ると、中から出て来たのはあの宇宙飛行士と、こんなケースは初めてだと驚くMACの医師だった。長官はその顔を見るなり驚いて駆け寄り、「内田君」と声をかけ、笑顔で手を取る。
あや子は父に縋り付いて泣き出してしまう。内田はあや子の婚約者だったのだ。毎日彼の無事を信じて帰りを待っていたというあや子。長官も彼が生きていた事に喜ぶ。医師によると彼の容体は「奇跡としか言いようがなく全く正常」だという。
内田の生還を祝おうと上機嫌の長官の前に並ぶMACの隊員一同。しかしゲンの顔は暗いままだった。長官の紹介で梶田、松木、佐藤がそれぞれ内田に生還を祝う言葉を述べる。しかしただ1人、ゲンは内田と目があったその時、彼の正体が一目で分かってしまった。両者はテレパシーで会話する。
ゲン(貴様はアトランタ星人…!)
内田(フッフッフ、ようこそレオ)「宜しく、おおとり君」
握手を求める内田に無言のまま応じたゲン。
長官「おお、君達は気が合いそうだな。おおとり君、内田君を頼むよ」
ゲン「はっ」(何という卑怯な…!)
内田(精々ほざくがいい…俺の正体を明かせば、お前の正体を明かす。いや、MACの隊長の正体もな)
帰る長官を送る隊員達。しかしゲンは1人、その場に立ち尽くしていた。
(場面転換)
その後、基地で電話を置くダン。そこへ大急ぎでゲンが帰還した。
ダン「はい、分かりました」
ゲン「隊長!」
ダン「どうしたんだ!少しは落ち着いたらどうだ」
ゲン「それ所じゃないんです!宇宙船で帰ってきた男は…ヤツは、アトランタ星人なんです!」
ダン「何、内田君が!?そんな馬鹿な…!」
ゲン「間違いありません、奴は隊長と俺の正体を知ってます!」
ダン「まずいな…!」
ゲン「どうしたんですか?」
ダン「たった今長官の推薦で、明日からMACへ入隊するのを決めた所だ」
(場面転換)
翌日、MACの飛行訓練が行われた。長官も視察に現れ、数々の隊員が準備に大忙し。ゲンは内田に駆け寄り、詰め寄った。
ゲン「貴様…」
内田「レオか?余り腹を立てない方がいい」
ゲン「貴様何を考えてるんだ」
内田「君と喧嘩をしに来た訳じゃないよ」
ゲン「何を企んでいるんだ…!」
内田「君と同じ様に、宇宙の平和を守りに来たのさ。仲良く頼むよ」
ゲン「貴様…!」
見え透いた嘘に頭に来たゲンは内田に掴みかかるが、ダンに止められる。
ダンは続けて準備の整った隊員達に任務を命じる。内田はマッキーでゲンの護衛、梶田と佐藤はロディーでA地区のパトロール、白土はB地区のパトロール、松木はレーダーによる情報キャッチに充てられ、作戦が開始された。
エンジンの様子は快調。内田の操作でマッキー2号は分離し、このまま何事もなく進むかに思われた。
しかしβ号に乗り込んだ内田の目が光り、α号に光線が放たれた瞬間、異変が起きた。
なんとα号の操縦桿が動かなくなった。ゲンはダンに通信を飛ばすが、地上にいる彼らではどうの仕様もない。長官はあれ程注意したにもかかわらずこんな事態が起きてしまった事に怒りを見せる。
すると、内田の乗ったβ号がよろめき落下するα号と空中でドッキングし、窮地を救った。マッキー2号は無事着陸し、事なきを得るのだった。
(場面転換)
本部にてあわや事故を起こしかけたゲンは長官に叱責されてしまう。他の隊員達もゲンの無実を信じてか苦しい表情で顔を背ける。
ゲン「信じて下さい!本当に、本当に操縦桿が動かなくなったんです!本当なんです!!」
高倉「言い訳はやめ給え!機体調査の結果機体には欠陥は無いと出ているんだ、君は1ヶ月謹慎だ!もし町の中にでも墜落していたら、取り返しのつかない事になっていたんだ!」
ダン「…内田君に礼を言い給え、ゲン!」
ゲン「…ありがとう」
内田「当然の事をしたまでですよ」
高倉「しかし、モロボシ君がMAC1番の腕と折り紙をつけた君が事もあろうに操縦ミスとは…一体私は何をしに来たは良いのかね」
内田「長官、僕を信じて下さい」
高倉「君を?」
内田「宇宙の真ん中で、何度も今日の様なピンチに出会いましたが、その度に僕が操縦していた為に助かったんです!宇宙船に比べれば飛行機なんて…」
高倉「そうだ…モロボシ君、明日の作戦には内田君に操縦して貰う」
ダン「長官、明日の作戦とは!?」
高倉「君達には黙っていたが、最高司令部の計画はそうなっていたんだ。これも敵を欺く手だ、宇宙人に勘付かれぬ内に運んでしまうんだ」
ダン「長官…!」
高倉「今日と全く同じ手順で決行する、いいね?」
ダン「はい…!」
敵を欺く所か、こちらが敵に欺かれている事に気付かずに長官は帰っていった。佐藤らも明日の準備をすべくその場を去る。残されたのはゲンとダンだけだった。
ダン「どうやらヤツの目的はMACウランを使ってステーションを爆破する事だ…時間はあまり無い、最後の手段だ…ヤツを殺すんだ」
(Aパート終了)
その夜、高倉邸。スーツに身を包んだ内田は白いドレス姿のあや子に指輪をはめてやり、それを和服を着た高倉が祝福。楽しげに乾杯し、酒を酌み交わす3人。内田を暗殺すべく高倉邸を訪ねたゲンも、門の外から見える3人の影や「この姿をお母さんに見せたかった」という高倉の声に思い悩む。
ゲン(あや子さんは、アトランタ星人を愛してしまってるんだ…もし、もし俺が奴をやっつけてしまったら、あや子さんは…)
ゲンは何もできず、その場を去るしかなかった。1人夜の公園でブランコに座り込むゲン。静かな公園に近くを通る電車の音が虚しく響く。
すると、そこへ自転車で通りがかったのは百子だった。百子は自転車を停め、階段を駆け下りゲンのもとへ行く。
百子「おおとりさんっ!」
ゲン「百子さん!」
百子を見て笑顔を浮かべるゲンだが、すぐに浮かない顔に戻ってしまう。百子は隣のブランコを漕ぎながら、変わらず話しかける。
百子「どうしたの?こんな所で考え込んだりして」
ゲン「うん…」
百子「ん〜もうおおとりさんらしく無いわ!」
ゲン「百子さん」
百子「なぁに?」
ゲン「もし…仮にさ、僕が宇宙人だとしたら、君どうする?」
百子「おおとりさんが?アハハ…私平気よ!」
ゲン「でも…それが、人間を滅ぼす様な、凶悪な宇宙人だとしたら?」
百子「…私の事を愛してくれているのなら、例え悪い宇宙人でも平気だわ」
ブランコを漕ぐのをやめてゲンを見つめる百子。ゲンはやがて、百子につられるように微笑んだ。
百子「元気出して、おおとりさん!」
ゲン「うん…よぉし!」
2人は夜空を見上げ、ブランコを漕ぎ始める。僅かながら、2人は安らぎの時を過ごした。
百子「うわぁ素敵…!綺麗ね、あっ流れ星よ!ほら見て!」
ゲン「あぁ」
百子「わぁ…!そうだわ、じゃ今度月に連れてってくれる?」
ゲン「あぁ!」
百子「きっとよ!」
(場面転換)
翌朝、山の中を走るマックカー。そこに乗っていたのはダンだった。ダンは車から降り、待っていたゲンに尋ねる。
ダン「朝早くから俺を呼び出したりして何だ?」
ゲン「隊長、あや子さんは星人を愛してしまってるんです」
ダン「ゲン!今はそんな事を考えてる暇はない、MACが生きるか死ぬかの瀬戸際だ」
ゲン「しかし、その事がどんなにあや子さんを傷つける事か、考えてみて下さい!」
ダン「…お前って奴は!」
ダンとゲンは見つめ合うが、ゲンの決意は固かった。その心にダンも折れる。嘗ては自分も、宇宙人ではなく1人の男として、地球人を愛した身なのだから。
ダン「…よし、俺に考えがある…いいか?お前は最後まで星人から目を離すな!」
ゲン「はい、でも…」
ダン「早く行くんだ!」
ゲン「…はい!」
立ち去るゲン。ダンもまた車に戻る。
そして彼が向かった先は高倉邸。門の前へやってきたダンの眼前には、自転車で外出しようとするあや子が。ダンはその瞬間、腕をクロスしてウルトラ念力を発動。
ダン「デュワ!」
念力を浴びたあや子は気絶。ダンはあや子を抱き抱え、杖なしで家の中へ運び込んだ。
(場面転換)
いよいよ作戦決行の時が来た。荒野に佇むマッキー2号へ乗り込まんとする内田を高倉やゲンを除くMAC隊員達が見守る中、血相を変えた松木隊員が駆け込んできた。
松木「隊長!長官のお嬢さんが危篤状態だそうです!」
高倉「あや子が!?どうしたというんだ」
松木「原因不明だそうです、内田隊員の名前を呼び続けているそうです」
ダン「内田君、すぐ長官と一緒に行くんだ」
内田「気持ちは嬉しく頂きますが、行く訳にはいきません」
ダン「婚約者が危篤なんだぞ?」
内田「僕には今、大切な仕事があります!それがMACの隊員の務めでしょう」
ダン「MACは人の心を無視する様な組織ではない!さぁ」
内田「しかしそれでは、MACウランは誰が運ぶんですか!おおとり隊員でさえ失敗したんですよ?」
ダン「心配するな、私が運ぶ」
今起きている事の全てを悟った内田はダンの目を凝視。ダンは強い目で内田を見返し、長官に振り向く。
ダン「一刻も早くあや子さんの所へ行ってあげて下さい、私が責任を持って運びます」
高倉「モロボシ君…」
ダン「さぁ、早く!」
高倉「…うん!さぁ、行こう!」
内田「はっ!」
内田と高倉は車に乗り込み、走り出した。しかしその背後にはゲンの乗った車が控えており、追跡を開始。今ここに壮絶なカーチェイスが幕を開けた。
マッキー2号が離陸するのを見た内田はそれを追う様に車を走らせる。追ってくるゲンにも気がついた内田は車を急がせ、高倉に心配される。やがて2台の車は埠頭に辿り着き、内田の車は急停止。ゲンもその隣に車を停めるが、その途端内田は車をバックさせ、車を降りたゲンに向かって突進した。
しかし車でゲンを轢こうとは考えが甘かった。間一髪でバンパーに飛び乗ったゲンは攻撃を回避。内田は車から高倉を引き摺り出す。その顔を見た高倉は驚愕。内田の目には青い隈が出ており、宇宙人の醜い本性を曝け出していたのだ。
高倉「おっ、君は!?」
内田「チキショウ、全て計画通り運んでたのに…ケッ!」
ゲン「貴様…よくもあや子さんを!!」
内田「フン!」
ゲン「長官!待てーッ!!」
内田は高倉を肘打ちで気絶させ逃走。近くの角材置き場に逃げ込んだ内田の前にゲンはジャンプで行手を塞ぎ、内田はキック攻撃でゲンを狙うが避けられる。
内田もまたゲンの前にジャンプで立ちはだかり、腕を組み合って投げようとするがゲンは負けず、腕を殴って回避。続いて放たれた右フックもしゃがんで躱し、怒りのままに叩きのめした。
立ち上がった内田は腕を交差し、掲げると叫び声と共に正体を現した。
巨大化したアトランタ星人はマッキー2号を追って飛び立つ。そうはさせまいとゲンもレオリングを光らせ、ウルトラマンレオへと変身して後を追った。
MACステーションを目指すダンの乗ったマッキー2号、それを狙うアトランタ星人、それを阻むべく追うウルトラマンレオの順に続く。
やがて彼らは空を越えて宇宙空間に到達し、遂にマッキー2号をアトランタ星人が掴んだ。しかし同時にレオもアトランタ星人の両足を捕まえ、拳を何度も叩き込む。
ナレーション「アトランタ星人の目的は、MACウランを利用しMACステーションを爆破する事だ。星人はダンの乗ったマッキーを掴んだまま、ステーションに近づいた!」
マッキー2号の左翼から火の手が上がる。もうMACステーションは目前。レオは何としてでもアトランタ星人を引き剥がすべく殴り続けるが、星人は中々マッキー2号を掴んだまま離さない。マッキー2号の中のダンはレオの方を向いて叫んだ。
ダン「レオ、離れるんだ!もう時間がない!」
マッキー2号左翼の炎は益々大きくなり、激しく燃え始める。レオは尊敬するダンを救うべく必死にアトランタ星人を殴りつけたが、しつこいアトランタ星人は絶対にマッキー2号を離さなかった。ダンは再度レオに向かって大声で叫ぶ。
ダン「レオ、星人から離れろ!俺は星人と共に自爆する!!」
最早絶体絶命。MACも、ダンもこれまでなのか。その時だった。どこからか水流が吹き込み、マッキー2号左翼の炎が鎮火された。その水を放った何者かはアトランタ星人からマッキー2号を奪い取り、MACステーションへ飛び去る。ダンが確かに見たその顔は、我々にとっても見覚えがあるものだった。
ダン「アストラ…!」
そう、レオの弟アストラがMACの危機を察知し助けに来てくれたのだ。アストラはマッキー2号をMACステーションに納め、そのままステーションを安全圏へ押して逃がす。
一方レオとアトランタ星人は、空中で格闘戦を繰り広げていた。レオに殴られて怯むアトランタ星人に、レオは続けてウルトラマントをかけて追い討ち。視界を塞がれたアトランタ星人は町の荒野へ落下。
起き上がったアトランタ星人はレオを見るなり慌てて逃げ出したが、卑怯で残酷で陰湿な侵略者にレオの憤りは限界を迎えていた。
アトランタ星人に走って追いつき、捕まえて正面を向かせキックの連打。星人もレオの腕を組んで転がすがレオも手を掴んだまま星人を地面に倒す。
星人は体当たりでレオを撥ね飛ばし、頭を掴んで無理矢理立たせるがレオは星人の両脇腹にチョップを打ち込んで反撃。そのまま星人の顔面に2発殴り、投げ飛ばした。
またも逃亡を図るアトランタ星人だが、そうは問屋が卸さない。空中よりアストラが舞い降り、キックとチョップの嵐を見舞って堪らず倒れたアトランタ星人にニードロップを食らわした。
立てないアトランタ星人をレオは蹴り倒し、チョップとキックを打ち込んでアストラの方へ押し返す。待ち受けていたアストラもまた両手チョップでアトランタ星人を打ちのめし、フラフラで立つのもやっとな星人を2人がかりで足払いして倒す。そして2人はアトランタ星人を無理矢理立たせ、工事現場へ投げ飛ばした。
そこへ2人の怒れる獅子の力を込めた必殺・ウルトラダブルフラッシャーが炸裂した!
やっとの思いで立ち上がった星人に光線が命中。しかしこんな外道をこれだけで倒すのは気が収まらなかったのか、レオ兄弟はそのまま2発目を発射。アトランタ星人の身体は真っ赤に発行し、左手で胸を抑え、右手を天に掲げてその場に倒れ込んで爆発。人の心を利用した卑劣な侵略者はここに塵と消え去った。
2人は体勢を解くと燃え上がる炎を見つめ、やがて静かに握手を交わし、互いに頷き合う。アストラは飛び立ち、レオはその方向をずっと見つめていた。
ナレーション「アストラのお陰で、レオとMACの大ピンチは救われた。そして、アストラは再び何処かへ去った」
(場面転換)
河川敷沿いの道路を走るマックロディー。車を運転するゲンは助手席のダンに話しかける。
ゲン「隊長、あや子さんを危篤にしたのは隊長の仕業でしょう?」
ダン「さぁ俺は何も知らんぞ?」
ゲン「フッ、知ってましたよ」
笑顔で車を走らせる2人。するとゲンは、河原に2人の人影を見つけた。
ゲン「あっ、長官だ!」
ゲンは車を停めて2人に挨拶しようとするが、ダンに止められる。
ダン「待て…長官もあや子さんも、今は心の傷を癒す時だ、そっとしてあげた方がいい…ゲン、行くぞ」
車に戻ろうとするゲン。だが、
高倉「おおとり君!」
ゲン「長官!」
高倉はゲンを呼び止め、ゲンもそれに答える。ダンもゲンに続いて長官の元へ向かった。
高倉「おおとり君、ありがとう…ありがとう…!」
ゲン「長官…!」
高倉はゲンに礼をし、その手を強く握る。川辺に立つあや子もゲンらに礼をし、ゲン達もお辞儀を返した。
ダン「長官、お宅までお送りしましょうか」
高倉「いや、私達はもう暫くここに居たいんだ。気にせず行ってくれ給え」
ダン「そうですか、では…」
ゲン「失礼します」
高倉「や…」
立ち去る2人を見送る高倉親子。空には朱色の夕陽が美しく輝いていた…
第33話から3話振りにアストラ再登場。
また、本編最後のウルトラダブルフラッシャー使用となり、『ウルトラマンメビウス』最終回までなかった。
何気にMACそのものがテーマとなった回はレオではかなり珍しい。
高倉長官は第13話以来22話振り。ちなみに高倉は第13話当時の隊員達(平山、青島、赤石、桃井)については一切言及されていない。
本話で百子がゲンに語った言葉は、終盤のテーマにも通じるものがある。
飛行訓練が行われた場所やカーチェイスをしたシーンのロケ地はロケ地は平成ウルトラマンシリーズで数多く使われたお台場である。