経歴
本名は大崎丈二。旧芸名は「高知 東急」(読みは同じく「たかち のぼる」)。
高知市で幼少期を過ごす。祖母と叔父夫婦に育てられたが、家族の輪に入ることはできず孤独な生活を送った。
小学四年生の頃、祖母から突如実の母親を紹介され、程なくして二人で暮らすようになる。しかし、母は家を開けがちであり、次第に嫌いになっていったという。
この時「お父さん」として母から紹介された男性はのちに山口組系の暴力団「一和会」で最高幹部を務めることになるヤクザ・中沢啓一であり、母はその愛人であった。しかし、中沢とは血がつながっておらず、実父にあたる人物もまたヤクザであったという。
「家を離れたい」という気持ちから、全寮制の明徳義塾中学・高等学校に進学。野球部に入部した。
高校三年生の時に甲子園出場を果たしたが、スタンド応援に留まる。これと同時期に疎遠になっていた母と再会。仲良く過ごしていたが、ある時母が寮に押しかけ、突然「今すぐ進路を決めて、任侠の世界はやめて」と迫った。高知が「普通に就職するよ」と答えると安心したように去っていったが、その直後に母は自殺している。
20歳で上京し、販売員やホストなどの職業を経て1993年に「高知東急」の芸名でデビュー。
「東急」には「東に急いで登る」という意味が込められており、遅咲きのデビューであったことに由来する。しかし、「東急」という芸名をめぐって東京急行電鉄と裁判となり、1998年地裁の一審で敗訴。控訴はせずに、芸名を現在のものに改めている。
主にドラマやVシネマで活躍。長身と強面を生かし、時代劇や任侠ものにも多く出演していた。
なお、詳しい時期は不明だがAV制作プロダクションのマネジメントに携わっていたことを明かしている。
私生活では、1993年に当時人気AV女優だったあいだももと結婚したが、1996年に離婚している。その後、1999年に女優の高島礼子と再婚。
共演を機に高橋克典や嶋大輔、中野英雄、小沢仁志らと親交があった。
引退と不祥事、復帰
2015年秋、所属事務所を退社。俳優業を引退した。
引退の少し前には「run for money 逃走中」や「battle for money 戦闘中」にも高月ハンゾウ役等でレギュラーで出演していた。
(クロノス時代の「逃走中」では逃走者として参戦。)
2016年6月の末に違法薬物所持で逮捕。7月19日にも薬物使用を以前からしていたと認めており、再逮捕された。高知は裁判にて「20歳の頃から使用していた」と発言している。逮捕時はラブホテルに妻以外の女性と滞在しており、不倫も発覚している。
8月1日には、高島礼子との離婚も発表された。
2016年9月、懲役2年・執行猶予4年の判決を受ける。
判決後、一時はかなり精神的に追い詰められていたが、依存症当事者たちの自助グループから声をかけられ参加するようになり、徐々に安定していった。
その後依存症の治療を受けながら、薬物依存症に関係するインタビューを度々受けている。また、上述の生い立ちも刑の確定後から公表するようになり、家庭問題や子供の人権について語ることも増えている。
2020年5月にtwitterの動画の形で発表されるwebドラマでの俳優復帰を発表。また、執行猶予の期間中に歌手の清水節子に声をかけられたことを機に、付き人としても活動している。
なお、2015年の引退の理由については当初高島の父の介護に専念するためと報じられていたが、後年になって本人がこれを否定している。実際には、義父の介護を通じて健康や介護予防に関心を持つようになり、エステという形で携わりたい、店の経営に力を入れたいというのが理由であり、本人は「介護が目的である」とは一言も言っていないという。
高島とは離婚後会っていないが、本人は「同志で親友だと思っている」と語っており、陰ながら応援しているという。
主な出演作
- 課長島耕作木暮久作 役
- サラリーマン金太郎2 東山英治 役
- 鉄甲機ミカヅキ木場勇 役
- GTO(2012年版ドラマ) 橋本哲夫 役
- お天気お姉さん 亀岡巧 役
- 実録・鯨道 土佐遊侠外伝シリーズ 中沢啓一役(先述の通り養父にあたる人物だが、意図した配役かは不明)