概要
小説『SSSS.GRIDMAN_NOVELIZATIONS』に登場するキャラクター。
メカグールギラスが撃退された数日後、ツツジ台高校に現れた謎の少女。
外見は新条アカネに瓜二つだが、髪の色が黒く校内でも眼鏡をかけている。
性格も感情の起伏が乏しく無機質な印象を与える。
時間の経過とともに普段のアカネのような言動もし始めたが、明らかに無理をしている。
彼女と出会った翌日、響裕太は自身が記憶を無くした「あの日」まで戻ってしまうが……?
正体(ネタバレ注意)
彼女の正体はグリッドマンが現れる以前に本物のアカネによって作られた怪獣。アンチと同様、自らで考えて行動する「オートインテリジェンス怪獣」の習作でもある。
表向きは破壊の臨場感を味わいたいと言うアカネのコンセプトから生み出されたが、実際には他者からの報復を無意識のうちに恐れた彼女が普段の生活を一任するべく生み出した、アカネ自身のバックアップである。
制作当初はアカネにとっての脅威となる存在がいなかった事に加え、アレクシス・ケリヴが上記の情動を「つまらない」と感じた事で起動せず、アカネからも「失敗作」とみなされ忘れ去られていた。だが、グリッドマンが現れ、次々と怪獣が倒され自信作であったメカグールギラスもあえなく敗れ去るなどアカネの精神の均衡が保てなくなる中で人知れず起動。アカネ本人の意思とは関係なしに独断で行動を開始する。
怪獣が出現する場所に必ず現れ、グリッドマンの戦いを見物しているのは上述の建前が黒アカネの設定として生きているためである。
そして彼女は「新条アカネのバックアップでありながら変身能力と思考能力を持つ怪獣に過ぎない」という自分自身の存在に苦悩し、自らを生み出した造物主に憎悪を抱き始める。その結果、やがて彼女は「本物のツツジ台を破壊する『終わりの怪獣』を作ってアカネを倒し、自分が本当の神になる」という野望を抱き始めてしまう(皮肉にもそうした負の感情は本物のアカネに近いものとされる)。
Vol.1のラストではグリッドマンとガイヤロス∞の戦いの後、ループ世界の命運を握るのは宝多六花であるということを告げ、どこかへ去っていった。
Vol.2において裕太たちは再びループした世界で黒アカネと対峙するが、彼女の言動には徐々に変化が生じ始める。更に黒アカネは六花と同じ服装をし始め、髪型までも同じロングヘアに揃えてしまった。
(実際の小説挿絵では、バストサイズはアカネと同じまま)
実は黒アカネは本物のアカネと対峙しており、彼女に対する宣戦布告もしていた。
しかし、同時に本物のアカネに対する怯えも抱いており、それから逃避するために「六花になりたい」という変身願望を抱いたり、裕太や内海を仲間に引き入れようとするなど迷走を始めていた。更に怪獣スコルバンが暴走して自らを襲うという窮地に立たされるが、未来からやってきたグリッドナイトによって救われる(黒アカネ自身はグリッドナイトの存在を知らない為、グリッドマンに救われたと誤解していた)。
怪獣すら制御出来なくなったことで心が折れた黒アカネは遂にグリッドマン同盟と和解。服装と髪型も元通りに戻し、4人で食事に行くという夢のような光景が実現した。
しかし、それを快く思わないアレクシス・ケリヴの介入によってガイヤロス、スコルバン、復活怪獣たちが暴走し、世界終焉の怪獣デイワルダスが誕生してしまう。更にアレクシスは自身が黒アカネを起動させたことを明かし、この一連の事件によって本物のアカネの創作意欲が復活した事、そしてバックアップである彼女の存在はもう不要だと告げて去っていった。
自分の野望はおろか存在そのものが利用されていたことを明かされ絶望する黒アカネだったが、アカネの感情から生まれた故に「心」を得ていた彼女はアンチと同様、もはや怪獣ではない存在であることを強く自覚する。
戦いが終わった後、黒アカネは六花の膝枕で目を覚ました。そして黒アカネは、デイワルダスが倒されたことで六花たちが元の世界に還る事、自らはこの世界で生き続ける事、そして「次に誰かとお別れする時は、笑顔で見送ってあげて」というメッセージを残して六花の帰還を見送った。