黒姫(Fate)
くろひめ
真名 | 黒姫(高梨黒姫) |
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クラス | セイバー |
性別 | 女性 |
身長 | 157cm |
体重 | 45kg |
出典 | 黒姫物語 |
地域 | 日本 |
属性 | 秩序・善・地 |
好きなもの |
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嫌いなもの |
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ILLUST | マシマサキ |
CV | 黒木ほの香 |
実在の人物である可能性は否定できないが、
サーヴァントの黒姫は「物語の登場人物」としての側面が濃いため、副属性は地となる。
長野県・信濃地方の民話『黒姫伝説』の主人公で、蛇に見初められた武家の姫君、『黒姫』。
信濃の国の美しい姫とされており、求婚の願いが後を絶たなかった程だったという。ある日、山奥の大沼池の主である大蛇が黒姫に恋をしてしまい、若侍に化けて城へ向かい、彼女の父で城主の高梨政盛に「姫を嫁に下さい」と頼み込んだ。政盛はこの頼みを拒否し追い返そうとしたが、大蛇がその正体を明かし、「どうしても姫を嫁に欲しい」と城主に迫った。すると政盛は「私の馬の後から城の周囲を二十一回り出来れば、黒姫をお前の嫁にやろう」と条件をつけ、大蛇もそれに応じる。
城の周りには、蛇の嫌いな鉄の柵が張りめぐらされており、更に刀が何本も結びつけられていたのだが、やっとのことで二十一まわりした。しかし、政盛は約束を守ろうとせず、怒り狂った大蛇は池の水を落とし、水害を起こそうと嵐を巻き起こした。この様子を見ていた黒姫は、大暴れする大蛇に「あなたの嫁になります。だから暴れるのをやめてください」と言い放つ。すると、大蛇は暴れるのをやめ、黒姫を背に乗せて山奥へと消えた。こうして黒姫は大蛇の細君となったとされる。
信濃町に実在する『黒姫山』は、この話が元となって名前がついた山であり、大蛇と黒姫が去っていった山とされている(片側から見た外見が富士山に似ているので別名は「信濃富士」である)。
しかし、以上の物語はあくまで日本に伝わっている『黒姫伝説』の一つのバリエーションでしかなく、地域と時代によって結末は変遷している。場合によっては、大蛇につきまとわれることで両親に心配をかけさせまいとあえて一人出奔し、大蛇を退治すべく旅に出るという冒険譚すらもある。
サーヴァントとしての黒姫は、それらの物語の可能性が、重なり合った存在である。
即ち、英霊の彼女は「蛇を殺すもの」であると同時に「蛇を愛するもの」でもある。
彼女本人も自分がそのような存在であることを認識している。
基本的には黒姫は善良な姫であることに変わりはないために、悪い蛇は殺し、良い蛇は愛する、ということになるのであるが……「必ずそうなる」とは言えないのも、また、愛なのかもしれない。
一人称は「私(わたし)」。
長い黒髪を持つ美少女で、右眼周りには二筋の傷跡のようなものが見られる。
これは「黒姫は旅の道中、あるいは蛇との戦いで傷を負った」というあやふやな伝承が影響したらしく、彼女自身も傷を負った記憶を持たない。見栄えを気にして後述の通りに隠そうとしている。
基本的に礼儀正しい令嬢といった性格で、他の姫系キャラと異なりぶっ飛んでいる面は少ない。
自身の宝具関連か、髪に対してこだわりを持っており、マスター達の頭髪を整えたがっている。
召喚時はお忍び用の市女笠と華やかな着物を纏った旅装の姿で、右眼の傷を隠すためを包帯で目隠しをしている。霊基再臨すると、聖杯で現代の文化の影響を受けたのか、四角い黒縁メガネとモノクロのセーラー服を身に纏い、ラノベに出てきそうな一昔前の文学少女や華族令嬢じみた雰囲気を放っている。なお、メガネは傷を目立たなくするための伊達メガネである模様。そして第3再臨では、白蛇の鱗を模した模様の白無垢姿に変化する。この状態では、目の傷はそのまま晒している。
セイバークラスの適性の要因と思われる、国守の刀を携えている。
モーション中では、シンプルな剣技の他にも、斬った髪を頭上から針のように降り注がせる、地面から斬った髪を変化させた刀剣を生やす、斬った髪を投擲して炎上させる、燃えた髪が混じった風で焼き払う、黒いオーラを纏った髪を叩き付ける、手鏡を天に投げて光を照射するなどしている。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | C | C | B | A | C | B |
保有スキル
対魔力(B) | 魔術にへの耐性を得る能力。詠唱が三節以下の魔術を無効化可能となる。大魔術、儀礼呪法などを以ってしても、傷付けるのは困難。 |
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騎乗(C) | 乗り物を乗りこなすための能力。大抵の乗り物、動物ならば人並み以上に乗りこなせるが、野獣ランクの獣は乗りこなせないレベル。 |
山神の加護(B) | あるバージョンの伝承では、怒った蛇が大水を用いて街を飲み込もうとしたが、土地の山神(地獄谷の主)が焦熱にてその水のほとんどを蒸発させて護ったとされる。また髪と剣で蛇を退治した場合も、白髪の翁の導きがあったとされる。それも人ならざるものであった可能性は高い。詳細は定かではないが、黒姫が何らかの神仏の加護を受けているのは確かである。 |
霊妙なる御髪(A) | 民たちを救うべく城を出たのち、黒姫は切った髪を川に流すことで向かうべき場所を知った。さらに出会った翁に渡したのも宝剣と髪であり、それらが蛇の撃退に結びついた。古来より女性の髪には霊的な力が宿るとされているが、特に黒姫の髪には特徴的な力があると考えられる。その髪は魔術的な干渉があれば(場合により、なくとも)様々な霊寵をもたらす可能性があり―――そして純粋に、美しい。 |
黄金律(蛇&体)(B) | 現在詳細不明。黄金律(体)の亜種スキルと思われる。 |
黒姫物語・髪流(くろひめものがたり・かみながし)
- ランク:B
- 種別:対人宝具
- レンジ:1〜50
- 最大捕捉:1人
「我が髪と刀にて。」
「国守(くにもり)の剣よ、導きの髪と流れて邪を祓え。冥助の果て、刃は竜蛇へ届けらん。『黒姫物語・髪流(くろひめものがたり・かみながし)』」
霊的な力を具えた髪を一気に切断し、その力を以て高梨家に伝わる宝剣の力をブーストする宝具。
原点における「蛇を倒す旅に出た際に『進む道をお教えください』と神仏に祈りながら髪を切って川に流したところ、不思議なことに髪が川を遡り、行く先を教えた」「池に髪と剣を投げ込むと蛇がそれを飲み込んで死んだ」という伝承に由来する性質を持つ。つまり髪と共に流された宝剣は、その刃の切れ味を強化されたうえで「在るべき場所に必ず向かう」という因果に根ざしたホーミング的機能を発揮するようになる。イベント中においてはこの機能を利用して事態の打開に貢献した。
伝承強度的に比べるべくもないが牛若丸の『遮那王流離譚』と似たタイプのエピソード宝具。
マテリアルによれば『黒姫物語・六地獄焦熱』や『黒姫物語・岩倉池の蛇』なども存在する。
最大HP(Lv80) | 11,873 |
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最大ATK(Lv80) | 9,735 |
コマンドカード | Quick:2 / Arts:2 / Buster:1 |
宝具カード | Arts |
スキル1 | 山神の加護(B) / 自身に回避状態を付与(2回)&自身に毎ターンスター獲得状態を付与(5~15個)&自身の宝具威力をアップ&自身を除く味方全体の〔蛇・竜〕の宝具威力をアップ(それぞれ3T) |
スキル2 | 霊妙なる御髪(A) / 自身のQuickカード性能をアップ&自身のArtsカード性能をアップ&自身のクリティカル威力をアップ&自身を除く味方全体の〔蛇・竜〕のクリティカル威力をアップ(それぞれ3T) |
スキル3 | 黄金律(蛇&体)(B) / 自身に〔蛇・竜〕に対するターゲット集中状態を付与(3T)&自身に弱体無効状態を付与(1回・3T)&自身に毎ターンHP回復状態を付与(3T/500~1000)&自身のNPを増やす(20~30%)+フィールドにいる〔蛇・竜〕の対象の数に応じて自身のNPを増やす(×10%) |
アペンド3 | 対ライダー攻撃適性 |
宝具 | 自身に必中状態を付与(1T)&防御無視状態を付与(1T)+敵単体に超強力な〔蛇・竜〕特攻攻撃<OCで特攻威力アップ>&Arts攻撃耐性をダウン(3T) |
宝具性能や一部スキルは、レアリティが上のディオスクロイに近いが、総評すると「単体向け竜・蛇特攻宝具アタッカー」と「竜・蛇属性の味方専門のサポーター」を両立した性能となっている。
特筆すべきはスキル3の「黄金律(蛇&体)」で、敵味方全ての竜&蛇の数に応じたNPを追加で獲得でき、理論上は敵6体&味方2体+素のNP獲得量と合わせてNPが110ほど溜められる。とはいえ流石に敵6体は珍しいが、現実的に有り得る敵3体&味方2体の場合でもNP80となるので、アペンドスキル込みで即宝具撃ちが可能となる。
ただ、Aアタッカーとして組みがちなキャストリアはアルトリア属としては珍しく竜&蛇特性を持たない点は注意が必要である。また、同クラスであれば同じ竜特攻持ちのジークフリートやシグルドだけでなく、騎士王なども、NP獲得を増やせる要員になりえる。
扱いやすいA単体アタッカーなので、竜&蛇が無関係なクエストでもそれなりの活躍はできるが、宝具の性質上、特攻が通じるエネミーがいるクエストにぶつけよう。幸い、竜または蛇のエネミーは想像以上に数多く存在し、仮想敵となるランサークラスにも豊富なため、相手に困ることはない。
生前
大沼池の大蛇
生前、黒姫に恋をした大沼池の主で、一説では討伐した相手とされる。
また、彼は場合によっては大蛇ではなく、黒龍になっていることもある。
本作の黒姫は、彼に恋をして本意から結婚した逸話と、彼に無理矢理嫁がされて討伐した逸話が重なり合った状態となっている。そのために、記憶の矛盾と彼への愛憎に苦しんでいる描写もある。
高梨政盛
実の父親。室町時代の後期に活躍した武将であり、上杉謙信の曽祖父にあたる。逸話の一つでは、大蛇に自身の馬の後から城の周囲を二十一回り出来れば黒姫をやると言ったが、大蛇が達成したにも拘らず約束を破り、彼を怒らせて災害を引き起こされたが、最終的に黒姫は彼の元へと嫁いだ。
Fate/GrandOrder
契約したマスター。自身と同じく自分しかいないという理由で、カルデアのマスターという役目を担っている事に多分に親近感を抱いている模様で、無意識に労おうとしたのか頭を撫でていた。事あるごとに彼/彼女の髪をお手入れしたがっており、禁断症状までも見せているなど、やや過保護。
黒姫が所有する刀は、高梨家の先祖が彼女の兄である源頼朝から拝領したものなのだという。
それ故に牛若からは「源氏の匂い」がすると指摘されており、黒姫は会話を嬉しがっていた。
父の政盛は景虎の曾祖父に当たり、黒姫は大叔母(祖父母の姉妹)に当たる。
そのため景虎に対しては親類ではないかと思っており、親近感を抱いている。
礼装で猿を引き連れている者と、猿(ハヌマーン)と縁深い者。
猿が好きな黒姫は、柿を食べさせてもいいかと頼み込んでいる。
セーラー服を着ている日本女子繋がり。ただし、あちらはギャル系ファッション。
髪の色が見かける度に違うので、薬品を使っているのかと心配したが杞憂だった。
時代は違う(黒姫は室町時代後期、紅葉は平安時代)が、同じく長野の伝説が由来の女性。
なお、紅葉は戸隠山(長野市)出身であり、黒姫は黒姫山(信濃町)が由来となっている。
出身地、レアリティ、第1再臨における右目の眼帯、蛇と因縁がある、などと共通項が何かと多い。さらに何の偶然なのか、彼女が仕えていたのは信濃を領土とする景虎の終生のライバルであった。
長い黒髪で黒いセーラー服を着用しているという共通点を持つ。こちらは大蛇の物の怪である。
なお、彼女も宝具でこそないが、戦闘で髪を武器としてしようしている(拘束や硬質化の攻撃)。
- 現時点における公式での一応の愛称は、実装イベントにおいておみぃさんが付けた「黒子ちゃん」である(ただし残念ながらあまり広まっていない)。
- 我らが黒髭と黒姫は一字違いの為に、黒姫の実装が発表されて以降(当然と言うべきか黒髭の方が)「汚い方のくろひー」等と呼ばれた上に、セーラー服のコスプレをして黒姫を騙る黒髭というとんでもない悪魔合体イラストを生み出す事に……これはひどい。
- 黒髭の公式絵師B-HP氏も、くろひーネタを基にした漫画を投稿している。
- その黒いセーラー服や黒い長髪(後は眼鏡)というデザインに羽衣狐(ぬらりひょんの孫)や更衣小夜(BLOOD-C)、果ては遠野秋葉(月姫)を連想するネットユーザーが多く見られたのだとか。伝記物のライトノベルに出てきそうなビジュアルだとも。
- 第1再臨のヴィジュアルが右目を包帯で覆っている外見だった故に、またしてもメカクレ大好きな某海賊が注目されることになったのであった。つくづく話題に事欠かない男である。ただし彼のストライクゾーンは「前髪で目が隠れているもの」なので、黒姫に反応するかどうかは不明(参考までに彼が活躍したシナリオの仲間に千代女(第2再臨で眼帯をしている)がいたのだが、彼女には無反応であった)……とは言え、奏章Ⅲにおいて同じように包帯で目を覆ったサーヴァントに反応していたので、彼のメカクレアンテナに反応する可能性自体はある。