概要
1915年第一次世界大戦2年目の年、当時のアメリカはイギリス・フランスなどの連合国側に好意的中立を保っていた。そのため大西洋を挟んだ反対側にいる世界第2位の海軍を持つドイツ海軍の動向が気になっていた。
また太平洋を挟んだ反対側でも、同じ連合国側に立つ大日本帝国海軍の勢力が著しく伸びているのが目障りだった。
そこで「5年艦隊計画」で世界第1位のイギリス海軍を超える海軍を保有しようとしたが、イギリス海軍とドイツ海軍による史上最大の大海戦「ユトランド海戦」が行われたことで、予算の増額が認められたことで、3年間での繰り上げ達成を目論んだ。
建造内容
戦艦10隻
コロラド級戦艦4隻 「コロラド」「メリーランド」「ワシントン」「ウェストヴァージニア」
サウスダコタ級戦艦6隻 「サウスダコタ」「インディアナ」「モンタナ」「ノースカロライナ」「アイオワ」「マサチューセッツ」
巡洋戦艦6隻
レキシントン級巡洋戦艦6隻 「レキシントン」「コンステレーション」「サラトガ」「レンジャー」「コンスティチューション」「ユナイテッドステーツ」
巡洋艦10隻
オマハ級巡洋艦10隻 「オマハ」「ミルウォーキー」「シンシナティー」「ローリー」「デトロイト」「リッチモンド」「コンコード」「トレントン」「マーブルヘッド」「メンフィス」
駆逐艦50隻
ウィックス級50隻 隻数が多いので省略
第一次世界大戦への参戦
ドイツのUボートによる無制限潜水艦戦、そして1917年3月に発覚したドイツによるメキシコへの対米参戦を推進した「ツィンメルマン電報事件」によってアメリカ国内の対独感情が急速に悪化し、同年4月6日アメリカは対独宣戦を行った。
対独参戦によって小型艦艇の量産が必要となり、巡洋艦以上の艦艇が建造遅延される一方で、駆逐艦などの小型艦艇が量産された。
八八艦隊計画艦との比較
戦艦
単純比較では速力では日本、攻撃力・防御力ではアメリカに軍配が上がる。長門型2隻でコロラド級4隻と戦えば数の差で負け、加賀・紀伊型6隻でサウスダコタ級6隻と戦えば攻防力の差で負けるなど、日本側に分が悪い。
巡洋戦艦
隻数・攻防力両面において日本側が圧倒的に優勢であり、紙装甲のレキシントン級を1撃で撃沈される可能性さえあると言わざるを得ない。
戦艦・巡洋戦艦それぞれの戦いに決着がつけば、増援が加わることになりどちらが勝つかとは断言しかねると言わざるを得ない。
恐るべき潜在国力と計画中止
八八艦隊計画が海軍予算どころか、日本の国力を搾り取った挙句の大計画であったのに対し、アメリカにとって3年艦隊計画は余力のあるものであり、第一次大戦後も1918年から更なる戦艦・巡洋戦艦の建造計画が検討されたが、こんな滅茶苦茶な建艦競争という状況は日本の大蔵省のみならず第一次世界大戦で疲れきったイギリスにとっても到底許容できるものではなく、結局ワシントン海軍軍縮条約によって、サウスダコタ級戦艦、レキシントン級巡洋戦艦の全てが廃棄、または改装となり3年艦隊計画は八八艦隊もろともついえた。