本来の意味についてはアクセスを参照。
概要
浅倉大介(キーボード、作曲、編曲、プロデュース担当)と貴水博之(ボーカル、作詞担当)による日本の音楽ユニット。
音楽を通じてファンと接触したいという気持ちと、上記のコンピュータ用語のアクセスをかけあわせた名前から命名。
略称は「AXS」で、活動休止以前に使われたロゴとして、左右の矢印を合わせた「→←」を「X」と表現していた。
所属レーベルはファンハウス⇒アンティノスレコード⇒ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ⇒ダーウィンレコードを経て2017年からソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ所属。
- 1992年結成。
- 翌年、2ndシングル「JEWELRY ANGEL」でブレイク。
- 1994年、「SCANDALOUS BLUE」で紅白歌合戦に白組で出場。
- 1995年活動休止。
- 2001年再結成。
楽曲
※レコードレーベル順、配信限定曲・ベスト、リミックス・ライブアルバム除く
シングル
・ファンハウス
- VIRGIN EMOTION:メジャーデビュー曲
- JEWELRY ANGEL : 補足1
- NAKED DESIRE
- MOONSHINE DANCE
- TRY AGAIN
- 夢を見たいから
- MISTY HEARTBREAK
- SWEET SILENCE
- DRASTIC MERMAID
- SCANDALOUS BLUE
- TEAR'S LIBERATION
・アンティノスレコード
- Only the love survive
- EDGE
- REAL AT NIGHT ~眠れぬ夜の向こうに~:補足2
・ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ
- 瞳ノ翼
- Doubt&Trust~ダウト&トラスト~
- Dream Runner
- Knock Beautiful Smile:ダーウィンレコード移籍からの復帰作
・ダーウィンレコード(インディーズレーベル)
- Higher Than Dark Sky
- Share The Love
- Wild Butterfly
- Bet~追憶のRoulette~
- 永遠dive
- JOY TRAIN
- Vertical Innocence
- IZASUSUME!
- Winter Ring Affair
- 24sync
・ランティス
- arc jump'n to the sky
補足
1:ファンハウスリリース分の「Virgin Emotion」と「SWEET SILENCE」を除くシングル、及び移籍後の「Vertical Innocence」から「Knock beautiful smile」のシングルには前曲のインストゥルメンタル曲が収録されている。なお、ファンハウス時代の最後に発売された「TEAR'S LIBERATION」及び2017年発売のシングル「Knock beautiful smile」については、再開もしくは次曲のリリースから期間が空いたため、それぞれのインスト曲を収録したCDが発売されていない他、「SWEET SILENCE」には前曲の「MISTY HEARTBREAK」のインスト曲が収録されていない。
2:唯一のレーベルゲートCD2(コピーコントロールCD)シングルで、さらには1曲のみの収録だった。ただし本シングルの前後に発売されたアルバムで、当楽曲収録の「Rippin' GHOST」及び、同じく本曲のリミックスナンバーが収録されたリミックスアルバム「Re-sync GHOST」については通常のCDDAでの発売だった。
アルバム
・ファンハウス
- FAST ACCESS
- ACCESSⅡ(セカンドアクセス)
- DELICATE PLANET
・アンティノスレコード
- CROSSBRIDGE
- Rippin' GHOST
・ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ
- diamond cycle:ミニアルバム
- binary engine
- Heart Mining:ダーウィンレコード移籍からの復帰作
・ダーウィンレコード
- Secret Cluster
タイアップ
- HOT CRUISING NIGHT:ニッポン放送「伊集院光のOh!デカナイト」OPテーマ
- NAKED DESIRE:フジテレビ系「上岡龍太郎にはダマされないぞ!」EDテーマ
- NIGHT WAVE:ニッポン放送「伊集院光のOh!デカナイト」OPテーマ
- TRY AGAIN:TBS系「実業団駅伝」EDテーマ
- 夢を見たいから:フジテレビ系「たけし・逸見の平成教育委員会」EDテーマ
- MISTY HEARTBREAK:テレビ東京系アニメ「ジャングルの王者ターちゃん♡」EDテーマ
- SWEET SILENCE:フジテレビ系「なるほど!ザ・ワールド」EDテーマ
- Only the love survive:日本テレビ系「ろみひー」EDテーマ
- REAL AT NIGHT 〜眠れぬ夜の向こうに〜:テレビ朝日系「内村プロデュース」EDテーマ
- 瞳ノ翼:TBS系アニメ「コードギアス反逆のルルーシュ」stage24・25テーマ曲
- Doubt & Trust 〜ダウト&トラスト〜:テレビ東京系アニメ「D.Gray-man」OPテーマ
- Dream Runner:ドラマ「ここはグリーン・ウッド〜青春男子寮日誌〜」OPテーマ
- PARADISE:フジテレビ系ドラマ「結婚披露宴〜人生最悪の3時間〜」挿入歌
- Bet 〜追憶のRoulette〜:フジテレビ系「スキモノ」EDテーマ
- 24sync:テレビ朝日系「ワールドプロレスリング」EDテーマ
- Knock beautiful smile:テレビ朝日系「musicる TV」EDテーマ
- arc_jump'n_to_the_sky:テレビ東京系「ウルトラマンアーク」主題歌
accessの功績
30年近い活動の過程で、しばしば後の音楽シーンを先取りした試みを行っている。
・打ち込みサウンドを大体的にJ-POPに持ち込んだ先駆者
ジュリアナ東京をはじめとした、折からのレイヴ・ダンスブーム到来という下地があったとはいえ、先輩でもある小室哲哉が主導した小室ファミリーによるブームと併せて、生演奏と勝るとも劣らないハイクオリティな打ち込みサウンドをヒットチャートに定着させ、後続グループの先鞭をつける役割を果たした。
特にデビュー初期からの特徴である「打ち込みサウンド+ディストーションギター」という図式は先輩格にあたるB'zや後続のT.M.Revolutionと併せて、邦楽シーンに普及していくこととなった。
そんな自分たちのサウンドをaccessは「SYNC-BEAT」と銘打っている。
・商品大量リリース
初期活動2年間にてシングルCD11枚、アルバム3枚をはじめとして、激甚ともいえる凄まじい物量のリリースを展開している。
1990年代後半から、間断なく大量のリリース攻勢を仕掛けるアーティストが現れ始めるが、90年代初期からここまでのリリース戦略を行った者は少数でしかない。
これらは決して事務所の方針だからというわけではなく、自発的な活動のあらわれであり、後年彼らは「当時あまり寝ていなかった」「若いからこそできた」と述懐している。
・リミックス
当時1994年においてリミキサーに作品を委ねることは数あれど、グループ自身がリミックスを手掛けるというのは一般的と言い難く、当時主流のハードウェア機材ではなくMacのソフトウェア上でHDDレコーディング(DAW)を行うというのも、邦楽シーンにおいて画期的な試みであった。
リミックスシングル盤初作品である「MISTY HEARTBREAK Re-SYNC STYLE」は邦楽チャートにおける、初の12センチマキシシングルであるとされている(また同曲は邦楽アーティストのPV史上、初めてCGを導入したものである)。
まだそんな呼称が一般的ではなかった1990年代前半に、一つのテーマに従って、アーティストが音楽・映像媒体で発信するのみならず「イメージ・リンク」と称して、自分たちをモデルとして外部作家の手による小説・コミックをもリリースしていた(それがBLを意識した内容であったことも局所で衝撃を与えた)。
・CCCDへの対応
2000年代初頭にレコード会社各社から、コピーコントロールCD採用の流れが起こり始めるが、音質を犠牲にしたCCCDについては否定的なスタンスを取っている。
リミックスCDの楽曲を増やし、アルバム扱いとしてCCCD採用を回避したエピソードは有名。
時期折々の最新技術を貪欲に取り込んできたグループであるが、かといって手放しでテクノロジーを盲信しているわけではない。自身の送り出す楽曲の音質クオリティに拘り、確かな見識に基づいた故の判断である(実際、令和の現在でCCCDはとうに廃れており、先見の明を示す形となった)。
・VOCALOIDへの影響
クリプトン・フューチャー・メディアで初音ミクの企画責任者の佐々木渉氏は、access初期活動の時代をリアルタイムで体験してきたファンであり「初音ミクの開発に際して、貴水博之の高い声や、シンセサイザーDX7やEOSの高音を参考にした」と発言している。
鏡音リン・レンや巡音ルカのデザインモチーフとして取り入れられたヤマハの機材は、いずれも過去に浅倉が開発に関わっていたり使用機材としているものばかりである。
一般的にシンセサイザーといったデジタル機材は高価であり、それに反比例して「旬」の音色といった時代性を反映している故に「製品」としてのサイクルは短く、新規格対応・性能向上・技術革新なども相まって、楽器としては「ブーム下降や鎮静に伴う音色の陳腐化=音が古くなる」という特有の事情がつきまとう。
にもかかわらず膨大な数におよぶ使用機材の変遷を経ながらも、四半世紀以上に渡って自分たちのスタンスを崩さず、テクノロジーに良くも悪くも左右されるデジタルサウンドの最前線を駆け抜けてきたという事実は、accessの非凡な実力の証左といっても過言ではない。(この点に関しては既に先駆者が存在するが)
関連タグ
KX5 - 代表的な使用機材であり、鍵盤が金色+銀色のカスタマイズモデルも使用している。
TM_NETWORK - デビュー当時の事務所の先輩であり、B'zやFENCE OF DEFENSEといったTMファミリーの中で、直系といっていいほどサウンド面やパフォーマンスに影響を受けている。浅倉は音楽家としてデビューする前からTMの楽曲のマニピュレーター(シンセサイザーの音作り、サンプリング等)を担当し、RHYTHM REDツアーからキーボーディストとしてステージにも立ち“TK=小室哲哉の一番弟子”と世間で評されている。貴水自身もTMファン=FANKSであり宇都宮隆は憧れのボーカリストであった。access結成前、ソロボーカリストとして活動していた貴水は所属事務所に「強力な音楽のパートナーが欲しい」と訴え続けた所、事務所幹部から「TMNETWORKに興味あるか」と聞かれ「大好きです」と回答したら代々木体育館でのTMのライブに連れて行かれ、ステージでキーボードを演奏する浅倉を指して「彼がボーカルを探している」と言われ浅倉に会った後すぐに浅倉のアルバム『D-Trick』にゲストボーカルとして参加が決まりそのままaccess結成に事が運んだ。
accessの「DECADE & XXX」という楽曲は1994年のTMNプロジェクト終了に向けての、彼らなりのメッセージといえる一曲である。
Iceman - accessの空白期間にあたる1990年代後半に、浅倉が結成した音楽ユニット。
エピックソニーからデビューし、ボーカル黒田倫弘・ギター伊藤賢一・そしてキーボード浅倉大介のメンバー構成などなど、accessよりもリスペクト元へさらに近くなった。
メンバーそれぞれが作詞作曲ボーカルを担当するシームレスな制作体系は、役割分担の明確なaccessと大きく異なっており、一概に後継ユニットとは言いがたい独自のスタンスを確立している。
ひたすらに実験性を突き詰めたスリリングで先鋭的なサウンドクオリティは高く、再始動したaccessにも影響を及ぼしている。
平成ライダー - 貴水が『仮面ライダーエグゼイド』で檀正宗役として出演、後番組の『仮面ライダービルド』で浅倉がPANDORAとして主題歌を担当しており、メンバーそれぞれが2年連続で平成ライダーに関わっている。