JUNGLE
じゃんぐる
1992年10月から1993年9月からのフジテレビ深夜枠のキャッチコピー(当時のフジは1987年の「JOCX-TV2」以降、毎年ごとに深夜枠のキャッチコピーを付けていた)。
この期間の番組としては『めちゃイケ』の前身『とぶくすり』が有名か。
この枠ではキャッチコピーに合わせて毎年アイキャッチが放送されており、初期はクレイアニメや乳首のアップなど他愛もないものであったのだが、この年の前年度の「GARDEN」から作風がシュルレアリスム調に変わっており、音楽が怖いCMとして知られるボート編、ニューヨークに枝豆(日本列島の暗示?)から豆が投下される枝豆編という、意味深なものが放送された。
そしてこの年になると、後に恐怖CMとして知られる例のホラーCMが放送された。
目的は?
意味深なCMだが目的は分かっていない。当時はバブル崩壊が顕在化してきた頃、またフジ自体もお家騒動や山形テレビのテレビ朝日系列への寝返り、日本テレビの視聴率の猛追などで混乱していた時期であった。
まず古典的な説としては、人形編の激しいフラッシュを「原爆の閃光」とする原爆説である。しかしこの場合原爆との関係が見いだせないハート編とのつながりが無くなってしまうほか、原爆の閃光は1回しか無いのにCMではランダムに発光しているなど疑問符も付く。また歌詞にも原爆を思わせる内容が無い。
ハート編の最後の方の汚れ(?)が「AIDS」に見えるという説があり、そこで出てきたのがキース・ヘリング説である。キース・ヘリングは1990年にエイズで死亡した同性愛者のストリートアート画家で、ヒトガタの絵を各地に描くことで知られていた。しかしストリートアートという手法に加え、同性愛者であったことからアンチも多くいたものと推測される。人形編の歌詞も「預かりし命が同性愛で乱れる」という保守的価値観で解釈が可能になる。
人形編の歌詞には「授かりし命 乱れ 成り難い 命」という説もあり、アイキャッチの映像がバブル崩壊後の経済不安や生活苦の世情を、言葉は経済悪化やお見合いの減少による結婚機会の減少により、「自分で恋人作る能力は乏しいが、見合いなど周囲の助力でひとたび結婚すれば、良き家庭人になれる(共働きすることで生活力もましになる)」人物が結婚できず、カップル減少により少子化する世相を表しているという解釈もある。
しかし真相は新宿河田町の奥深く眠り、今日に至るまで謎のままである。