概要
1989年12月8日に日本電気ホームエレクトロニクス(NEC傘下)より発売された。価格は39,800円。
愛称は「スパグラ」または「SG」。
PCエンジンの兄弟機であり、上位互換機。当初は「PCエンジン2」という名称で告知されていた。
グラフィック性能は従来機の2倍に強化されており、スパグラ専用Huカードソフトではより強化された描画のゲームを楽しむことができたが、性能向上をPCエンジンに使用されていたグラフィックチップHuC6270を2個搭載し、その出力を1枚に合成するという強引な手法に頼っていたため、プログラミングが複雑で開発難度の上昇も招いてしまっており、専用ソフトは僅か5本、従来機でもプレイできる両対応ソフトは非売品含め2本(「ダライアスプラス」「ダライアスα」)しか登場しなかった。
それ以外の内蔵音源などは従来機と同じ設計になっており、前年に発売されたメガドライブと比べてサウンド性能は見劣りした。これはNECがあくまでPCエンジンの主力はコアグラフィックスであり、スパグラは大魔界村やストライダー飛竜などグラフィック性能不足による移植作業が難航していた作品の解消なので、グラフィック性能以外は強化しない思想によるためである。なので名前も「スーパーグラフィックス」で、コアグラフィックスがコア(主力)。
デザイン
自動車のレシプロエンジンを意識した外観だったが、ユーザーからは専ら「カニ」と呼ばれていた。
コンパクトサイズが特徴だったPCエンジンとは対照的にビッグサイズであり、従来機の約3倍の大きさだった。大きさに反して中身は詰まっておらず、意外と軽量だった。
CD-ROM²等の周辺機器と接続するための拡張バスは備わっているが、この形状のせいでそのままでは接続することができず、接続には別売りの「ROM²アダプタ」が必要になった。
(このアダプタが6,900円と中途半端に高い上に、やたらとデカくて場所を取った)
ここまで大型化したのは専用の大型コントローラー「パワーコンソール」の発売を予定していたからだとも言われている。スパグラ本体を覆うようにして使う設計がされており、59,800円での発売を予定していたが、発売前から価格設定に不満が続出したことと強度に難があったことから発売を中止。
結局、この本体サイズはコア構想を阻害するだけでなく、無駄に場所を食うだけの要素に成り下がってしまった。
周辺機器の中では唯一SUPER CD-ROM²(SCD)のみが(かなり不格好になるのに目を瞑れば)そのままの状態で接続可能、というかコアグラだけなら横並びの方が収まりがいいのを、スパグラへの接続を配慮してあの形状になったものと思われる。
スパグラ+SCD+アーケードカードの組み合わせでPCエンジンの全ソフトをプレイできる究極体となる。
とは言えスパグラ専用・対応ソフトは7本しか存在しない上にACアダプタを別々で繋げる必要もあるため、PCエンジンDuo+アーケードカードの組み合わせで充分だとも言える。
なお真の究極体はLD-ROM²のソフトも遊べる「レーザーアクティブ+LD-ROM²パック+アーケードカード」である。
現在は同人ハード『Super SD System 3』をSCDの代わりに接続することで
ACアダプタ2台や無駄にスペースを占有する問題は解決している。
また、同人ゲーム『Space Ava 201』が非公式のスーパーグラフィックス対応ソフトとなっている。
関連タグ
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