概要
1991年12月13日にNECホームエレクトロニクスから発売された、PCエンジンのバリエーションの一つで、PCエンジン本体に4インチTFT液晶モニタとTVチューナー、コントローラーパッドを内蔵したラップトップ型PCエンジン。その為LTとはラップトップの意味である。
本体・ロゴカラーリングはコアグラⅡ・スーパーCD-ROM²とほぼ同じ。サイズ自体もコアグラⅡに液晶モニタを付けたようなものなので厚み以外のサイズもほぼ同じ。
一見するとPCエンジンGTと同じく携帯ゲーム機に見えるが、乾電池ボックスはおろかバッテリーさえ搭載されていないあくまでも据え置き型ゲーム機である。その為専用のACアダプタが必要になる。
カーアダプタ自体はDuoのものを同梱の変換プラグ経由で使用できる。一応、携帯する事は技術的にバッテリーボックスを自作して外部電源として接続する事はできると思われる。
GTとは違い、PCエンジンのコア構想の要である拡張バスが付いており(本体自体はコアグラⅡと同等とされる)、CD-ROM²・SuperCD-ROM²(専用アダプタが必要)にも接続できる。また、コントローラーが内蔵されているが従来のコントローラーコネクタもあるのでジョイパッドでのプレイも可能。ただし、このコネクタを使用する一部周辺機器は使えない。
また、このコントローラーコネクタは他の機種よりも故障しやすいらしいので抜き差しの扱いには注意。
モニタ+TVチューナー標準搭載の豪華な仕様ではあるものの、なんとメーカー希望小売価格は驚愕の99,800円。
この時、PCエンジンシリーズはおろか日本の家庭用ゲーム機においてはおそらく最初の単体で10万円に迫る価格(※)。と言っても当時のTFTカラー液晶を搭載したノートPCが50万円を超えていたことを考えると十分お値打ちなのだが…
おそらく当時でも余程のマニアでもない限り手出しするには躊躇する高価なシロモノだった為、その希少性を現在でも持っている。
TVチューナーは地上アナログ放送のものである為、現在のテレビ放送は受信できないが他のレトロゲーム機本体をRF接続することは出来る。
2020年10月22日にはレトロゲーム互換機を扱っている「コロンバスサークル」から、通常のPCエンジンに取り付けるだけでLT風になり、当時は不可能であったモバイルバッテリーにも対応できる『ポータブルモニターLCD』が発売された。
※:PCエンジンの派生機にもなるレーザーアクティブ本体よりも価格は上。ただし別売のPCエンジンパックをセットにするとLTよりも価格は上回る。ちなみにLTにCD-ROM²システムもしくはスーパーCD-ROM²システムを組み合わせる場合も10万越えは確実。本当にDUO単体の方が安く見えるから困る。さらにセガサターンの互換機「HIサターン(カーナビ仕様)」はなんと単体で15万円である。後年、PS5 PROが単体で11万円超えを発表した時もLTがちょっとだけ話題になった。
関連項目
ゲームボーイアドバンスSP…後年のそっくりさん。こちらは純然たる携帯ゲーム機。
ニンテンドースイッチ…据え置き型ゲーム機でもある後年のゲーム機。テーブルモードならびに携帯モードはLTと非常に近い特徴を持つ。
外部リンク
PCエンジン用ポータブルモニターが10月22日発売! ポータブルバッテリー給電でどこでもプレイ可能 - GAME Watch