Sの眷属
えすのけんぞく
キャラクターの初出は、ダンゲロスオーヴァーキルの杉能コノハ。
眷属と言っても、キャラクター間に血の繋がりや、交流といった描写は無く、共通特徴として「異形の存在を媒介にして能力を発動する」という点のみがあげられる。
何故、彼女らを指して、Sの眷属と呼ばれているのかは定かではない。
彼女らを説明する重要な概念として、シスマ、パラシトス及びマスコットがあげられ、それらによると、Sの眷属とは、「マスコット等の異形な存在」もしくは「そのような存在のつがいになる少女(もしくは少年)」を指すのではないかと考察される。
ヴィリギエル
分類:シスマ(悪霊型)
宮部允の能力「ロンリー・グローリー」から生じたシスマ。悪霊のように肉体を持たない。
生みの親である宮部允を殺害すると同時に、その魂を喰らうことで、その姿や記憶・知識を取り込み、宮部允に成り代わった。
取り憑くことで、対象に魔人能力を与えたり、元々もっていた魔人能力を歪める。
- 杉能コノハ
病魔
分類:シスマ(魔物型)
空憂愛の能力「Disease Dragger」から生じるシスマ。
「Disease Dragger」とは、対象Aが抱える「悩み(主に病や怪我等)」を引きずり出し、対象Bへとその悩みを移しかえる能力である。しかし、移しかえずに放り出すと、引きずりだした「悩み」が、生命をもちシスマが生じる。空憂愛はこれを「病魔」と呼ぶ。
取り憑くことで、対象の魔人能力に、元となった「悩み」に応じた制約を与える。
- 空憂愛
マダマテ
分類:パラシトス(混沌)
可愛らしい子犬の姿に擬態したパラシトス。周囲の空間を電子データのように書き換えることができるが、この世界では不安定な能力であるため、書き換えてしばらく経つと、書き換えられたものは姿形が歪み、アメーバ状の何かに変わる。
性格は自閉的であり、世界に対する干渉には興味を持たず、特定のものに対して強い執着を示す。
皇すららという少女に受胎し、彼女の周囲の人間を次々に「皇すらら」へと書き換えていった。
- 皇すらら
ネルヴィア
分類:パラシトス(窮奇)
頭に翼のようなもの生やした蟲人のパラシトス。ヒトの少女の姿に擬態する。
無数の単純な生命体が集まった「ワーム」と呼ばれる群体からなり、「ワーム」は、ネルヴィアが独立した生命体として高度な精神活動を行うために必要な最小単位である。
一方で、「ワーム」群体の集まりである群体塊は「アドモス」と呼ばれ、ネルヴィアが完全擬態を行うために必要な最小単位である。
遺伝物質を取り込むことで擬態し、擬態先の生命体と同化する。同化に伴い、アドモスを構成する「ワーム」は同化する生命体の能力を獲得するために、その機能を多様に分化させる。
ヒトに擬態する場合、肉体的には赤子の姿となるだけでなく、記憶を捨てて「白紙」の状態となる。そして、ヒトと同じように成長し、経験を重ねることで社会に適応する。
そのため、ヒトに擬態したグループは、ネルヴィアとしての自覚がない。
ネルヴィアは、その匂いによって理性を撹乱し、性的接触を介して「ワーム」を寄生させ、眷属を殖やしていく。
また「ワーム」に寄生されたものが、性的接触を行った場合も同様に、その体液を通じて、「ワーム」が寄生する。
- アイリス
- ヌトラちゃん
アビメルム
分類:パラシトス(饕餮)
夢を介して現れるパラシトス。
何層もの次元に渡って存在するものと考えられている。
特にアビメルムの受胎者はアパストル(使徒)と呼ばれ、アビメルムが安定して魂を得るために、文字通り寄生される。
アビメルムによって蝕まれた魂は、怒りや憎しみなどの負の感情のみを生み出すようになり、負の感情は受胎者の心の奥底に蓄積される。その蓄積されていく負の感情は抑圧され、受胎者の精神が崩壊するまで蓄えられる。その限界まで押し込められた負の感情によって、受胎者の精神が崩壊したとき、それまでアパストル(使徒)と呼ばれていた受胎者はバシリウス(王)と呼ばれるようになり、魔人として覚醒する。このとき、生じた魔人能力は直ちに、術者と分離してシスマとなる。シスマは次なるアビメルムとなるべく1つ下位の次元へと転移を図る。そこに転移したシスマが、新たなアパストル(使徒)を選び出すというのを繰り返す事で、何層もの次元に渡って、アビメルムが存在する事となる。
以上はアビメルムがこの次元に現れた際の観測データを元にした考察であり、確かな事は何も分かっていない。
このような得体の知れない存在故か、信奉者も多く、彼らによると、
「アビメルムは虚無と根源、その二つの姿を内包する両義的な存在である」
とされ、アビメルムの見せる「悪夢」は、全ての次元に影響を与えると、彼らは考えている。またその夢を見ることができるのは、アビメルムに選ばれた者に限られると言う。
小さなブラックドラゴン“ながら”
分類:パラシトス(迦楼羅鳥)
矢達家に降雨の力を与えていたパラシトス。
古く強大な蛇の王であり、矢達愛雨の魂を糧に復活を企てたが、雨竜院の秘術によって逆に力を奪われてしまった。
人間に変身した時は、黒い肌で黒い服に身を包む悪魔めいた姿となる。
スーツ
分類:パラシトス(トランプ)
俗に言う「トランプ」の寓意に寄り添う形で発生した“魔”。
総じて平面を好む傾向にあり、美術作品などに潜むことが多い。社会的成功や理想の自分の実現を餌に人間と契約し、内面に深く介入することで目的を達成する。切られた山札と並べられた手札。
十二の偉人を模した人格(キャラクター)と容姿を有し、各々が独立して行動する個体としての性質を持ちながら、魅力的な契約者を見つけると群がる趣向を有している。
それぞれ好みは異なるが特徴・性格・性質・人格――などのキャラクターの一部分を取り上げ、歪め、増やし、切り離す、といった権限を有しており、食い荒らされた被害者は、本人とは似ても似つかず、老若何夜を問わない無数の分身を生み出した末に抜け殻だけを残すという。
水偶(龍)
分類:パラシトス
龍の姿をしたパラシトス。普段は少年の姿で現れ、「ワダツミアキラ」と名乗る。
あらゆる海の事象(波や嵐、渦潮など)を司り、あらゆる海の生物を支配下に置く。
宇宙そのものに影響を与えるとされるホシガミもしくはホシウミと呼ばれる存在にアクセスできる。
- 須佐乃カイリ