原作版
スノー国秘密警察が、日本警察に保管された殺人光線の設計図を奪い返すために本国から呼び寄せたロボット。
特筆すべき点は、簡易な分解組み立てが可能な設計になっており、細かいパーツ群をロケット弾に詰め込んで輸送し、現地で即座に組み立てが出来るところにある。
潜入先での隠密活動を想定した秘密兵器だが、単体の戦闘ロボットとしても非常にクオリティが高く、脇の下にあるロケットで空を飛び、ある程度は自立行動が可能な独立行動機能、鉄人以上の頑丈さと格闘性能、敵の腕を掴んで空中で振り回すジャイアントスイング攻撃、触れたものに高圧電流を流す機能など総合性能は高い。
弱点は有効活動範囲が操縦器から半径10km以内と狭い点と、組み立てて完成するという特性上どれか一つでもパーツが足りないと操縦に不具合が出る点である。
日本に呼び寄せられた際、金田正太郎救出のために変装して忍び込んでいた大塚署長によってパーツを一つ持ち去られてしまったため次々と不具合を起こしてしまい、鉄人との戦闘には一度勝利したものの、設計図ではなくもぎ取った鉄人の腕を持ってきてしまうなど誤作動が目立った。また、ジャイアントスイングも敷島博士によって対策が立てられてしまう。
最終的に先述の不具合か、鉄人との再戦でダメージが蓄積して故障したのか、突然暴走を起こし、勝手に空中に飛びあがって自爆してしまった。
大塚署長にパーツを抜かれた事で本来の性能を発揮できなかったものの鉄人を圧倒する場面も多く、正太郎も「正常に動いていたら鉄人でも勝てなかったかもしれない」と評した。
2004年版
不乱拳博士の弟子の一人であり敷島博士の前妻でもある女性・梅小路綾子博士に対し、日本国内で暗躍する某国のスパイが提供したロボット。
原作のような組み立て機能や飛行能力、武装はないものの、鉄人と同等のパワーを持つうえに「鉄人計画」の過程で生み出された人工知能「ロビー」に操られている為、他のロボットよりも反応速度が速く、関節技のような複雑な動作も可能。
普段はある山寺の大仏の中に隠されており、同様に石仏群の中へ隠された人工知能から京都市の送電網を通して遠隔操作されている。綾子はこれを使って京都の町を燃やし尽くす事を企んでいたが、彼女が計画を実行に移す前にロビーが暴走を始めてしまう。
正太郎が鉄人で食い止めようとするも、操縦器を介して命令しなければ動けない鉄人は格闘戦で圧倒され、敷島博士も「鉄人では勝てない」と断言した。
だが逆に言えば、操っているロビーさえ破壊してしまえば行動不能にすることができ、電波によって送電線のサージ電流を逆流できるように改造した鉄人の操縦器によってロビーが破壊されてしまう。VL2号に宿ったロビーは薄れゆく意識の中で綾子を「お母さん」と呼び、彼女を押し潰し……もとい彼女の胸に飛び込んで倒れ伏した。
2004年版のパラレルワールドである劇場映画『白昼の残月』ではPX団のロボットとして登場。湾岸地域から上陸して正太郎や村雨健次たちの乗ったジープを踏みつぶそうとし、村雨の特攻を受けても意に介さず正太郎を追い続けたが、鉄人に頭を握りつぶされ破壊された。
活躍シーンは少なかったが、箱ごと大量のダイナマイトを投げつけられても全く効かない程度には頑丈。また、村雨役の幹本雄之氏は「村雨はVL2号に特攻して最期を遂げた」とインタビューで語っているが、実は後のシーンで無事生き延びた姿が描かれている。
関連タグ
ケンプファー - 「パーツ単位まで分解した状態で輸送し、潜入先で組み上げることが可能」という設計思想が共通している。