CG(コンピュータグラフィックス)とは主に3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)と
2DCG(2次元コンピュータグラフィックス)に大別される。しかし、pixiv内を含めて現在では3DCGの意で使われる事が多い。
3DCG
3DCGは、2DCGとは根本的に原理が異なり、コンピューターの中で仮想的に組み立てた立体モデルを撮影したものと言える。
1980年代頃から技術開発と並行して表現の研究が進んだが、この頃は高価なワークステーションで初めて実現可能な表現で一般人の手が出るものではなかった。1985年に高性能パソコンAmigaが登場し在野のクリエイターにも流行が始まった。1988年稼動開始した『ウイニングラン』を皮切りに、アーケードゲームで3DCGを使ったものが一般化しはじめる。1994年にプレイステーションおよびセガサターンが発売されてからゲーム機では3D全盛となるが、このころの3DCGは極めて簡素で稚拙なものであった。
この頃は現在のAIアートのように「手抜きをしている」といわれることがあった。樋口真嗣曰く「一所懸命にミニチュアを作ったり撮影技法を工夫したりしている横で、映像処理でお手軽に「ズル」をしている、と。ミニチュア造形をやってる人から見たら、CG なんかはまさに商売敵だったわけですが、結局は限られた予算、人員、時間といったリソースの中で最大限にいい作品を作るために手段を選んではいられなくなるわけです。結果的に特撮とCG の組み合わせや棲み分けをするようになったように、生成系AIは制作の現場に溶け込んでいくと思います。(全文)」とのこと。
1995年、映画『トイ・ストーリー』はフル3DCGで作成された初の劇場用長編と銘打って公開され、2000年代以降はアメリカのアニメ映画は3Dアニメが主流となった。また、90年代後半以降ゲーム機やパソコンのGPUが爆発的に高性能化し、2010年代には実写と見まがうようなグラフィックをリアルタイムで動かすことも可能となった。現在ではゲームや映画に限らずテレビコマーシャル映像やイラストレーション、漫画などあらゆる画像・映像制作に使われる一般的な方法として定着している。
実写による映像もコンピュータによって調整が行われることも珍しくない。
このように多くの長所をもつが、2Dの絵と違って制作者の画風などの持ち味は出づらいところが難点である。AIと組み合わせて画風を変えるという手法も研究されている。
2DCG
ドット絵、ベクターグラフィックスなどがあるが、特にPixivで多いのは「コンピューター上で画材を再現して制作した絵」であり、デジタル作画などと言われることも多い。言い換えれば、アナログ画材と同様に描き手の持ち味がそのまま出る表現と言える。
MSXやPC-8801など初期のパソコンは解像度もメモリ容量も色数も非常に貧弱であり、ドット絵的な表現がせいぜいであった。ドット絵を超えるレベルのCGが作れるようになったのは、1987年に最初のカラー仕様のMacintosh IIが登場してから。必然的にコンピュータグラフィックスの分野でMacintoshが浸透していった。
本格的な普及は90年代前半、カラー対応のMacintoshの値段が下りカラーイメージスキャナやカラープリンタなどの周辺機器が充実し始めた頃である。この頃の歴史を生きた企業のソフトウェアはMacintosh発でWindows版の派生に至ったツールが非常に多い。(AdobeやCorelがその代表的な例である)
インターネット普及初期の90年代末期辺りまではコンピューターで描いた/塗った画像全般を指すことが多く、今で言うpixivやPixaのような「イラストサイト」も「CGサイト」と呼ぶのが一般的だった。またその頃の3DCGは一般人には遠い存在で、結果的にはほとんどが2D絵を指していた。
その後、イラストはコンピューターで描くのが普通になってきて、デジタル絵もアナログ絵も区別が付きにくくなってきてからはわざわざCGと断る必要がなくなり、2DCGを指す表現としては使われなくなっていく。ただアナログ絵をメインに活動している作者がデジタル彩色した絵にこのタグを付ける事は少なくない。
関連タグ
絵 3DCG Photoshop Illustrator MMD GMOD