カンバーランド
かんばーらんど
バレンヌ帝国のある北バレンヌ地方からオレオン海を隔てた東側の半島にある国家。
南方は大草原「ステップ」に面しており、他の三方は海に囲まれている。
書籍『ロマンシング サ・ガ大全集』に拠れば、元々はステップまで影響力を持っていたが、そのステップにモンスターが増えてきたことで長城を築き、国を閉鎖したという。
歴代の王は血縁によって決定され、強固な血の絆によって治められてきた。
また民を率いる者は相応の実力を付けねばならないという伝統から、王族は男女問わず聖戦士ホーリーオーダーとして戦うのだという。
王都は国王ハロルドの城がある『ダグラス』。また第一王子ゲオルグが守りを固める『ネラック城』、第一王女ソフィアが港を築き発展を目指す町『フォーファー』が存在する。
- ハロルド王
ゲーム本編中に登場する国王。グラフィック上は長い白髪の老人として描かれている。
武勇に優れた長男ゲオルグ・聡明な長女ソフィア・まだ幼いがお気に入りであるトーマという3人の子供がいる。なお妃に付いての言及は無い。
病を患っており、3人の誰を後継者にしようか悩んでおり、バレンヌ皇帝に意見を求めたいと連絡してくる。
しかしその皇帝と会談した翌日、宰相サイフリートが送り込んだ暗殺者によって病死に見せかけて暗殺される。
城下町で畑を所有している老人が「ハロルド様に召し上がっていただこうと思っていたのに」と発言することから、以前から国民と交流を持つ王であったことがうかがえる。
カンバーランドの第二王子で、ハロルドの第三子。
バッドエンドではサイフリートの謀略で牢屋の中で人生を終えるが、グッドエンド(滅亡を回避した)の場合の正統後継者となる。
カンバーランドの第一王子で、ハロルドの第一子。
武勇に優れ、前述の通りネラック城での防衛を担う。
カンバーランドの第一王女で、ハロルドの第二子。
頭が良くサイフリートの謀略に唯一気づき、バッドエンドでも王族で唯一死なずに済んでおりサイフリートに対するレジスタンスを結成し、彼女の死後もその名は『レジスタンスのリーダーとなる女性が名乗るコードネーム』として受け継がれていく。
ゲオルグとソフィアはそれぞれホーリーオーダーの男と女の一番手を務め、グッドエンドではバレンヌ帝国に仕える事となる。
- 一般兵
カンバーランドに仕える兵士。グラフィック自体はバレンヌ帝国兵の色変えで、緑色の兜と青紫色の軍服を身に纏う。
ネラック城の文官が「仕事中は決して無駄口をきかない」と語る通り、プレイヤーが話しかけても何も喋らず、こちらの方を向こうともしない。ゲオルグに報告をするイベント内でのみ、セリフがある。
王国が滅亡した際、ネラック城の兵士達はゲオルグ共々全員討ち死にしたらしく、半透明の姿の亡霊として城に留まり続ける。
この場合、話しかけるとセリフがあり、敵モンスター亡霊兵士としてパーティに襲い掛かってくる。倒しても何も起こらない。
『カンバーランドを支配して、その支配権を七英雄に献上する事で永遠の命を得る』という野心からでカンバーランドに背いた元家臣。
- サイフリートの私兵
銀色の兜と黄色い軍服を身に付けた兵士達。サイフリートによるクーデター勃発後のダグラスを徘徊する。王国が滅亡すると、フォーファーの町中にも現れる。
話しかけると金をよこせと脅迫してくる。断ると人間系ザコ敵との戦闘に突入する。
実はクーデター前もダグラス城内におり、ハロルド王の寝室を封鎖している。この時は話しかけても何も起こらない。
…さてこんなカンバーランドだが、ロマサガ2プレイヤーの間では結構なネタにされてしまっている。
後継者問題とその裏で蠢く陰謀、という王道展開なのだが、そのフラグに色々と罠が多い。
- まずアバロンで後継者問題が起きていると聞いた後にカンバーランドに行かず年代ジャンプすると滅亡。
- イベント進行中にカンバーランド以外に移動すると滅亡。
- 先王ハロルドから後継者が誰がいいのか聞かれた際にトーマと答え、即位後にアバロンに戻るもしくは「関係ない」を選ぶと滅亡。
- トーマ即位後に挙兵したゲオルグを和平の取りなしをせずに放置すると滅亡。
- その他途中の戦闘で全滅すると滅亡。
…と、とにかく滅亡してしまうパターンが多いのだ。
この中でもハロルド王が死去した後に隠れているトーマを探せず、カンバーランドから出てしまい滅亡してしまったというプレイヤーが多い。
また滅亡させずに兄弟を和解させた場合でもまだ罠がある。
先王を殺害し王位を簒奪しようとした本当の黒幕であるサイフリートを追撃する、となるのだが、ここでサイフリートの砦の最奥まで行った後に引き返すか、カンバーランドから外に出ると砦に入れなくなり、カンバーランドを制圧することができなくなる。この場合ホーリーオーダーも加入不可となる最悪なパターン。
実は滅亡させてしまった場合でも後年にダグラス城を取り戻し、サイフリートを討伐すれば制圧もホーリーオーダーの加入も可能となる。
SFC版では滅亡時のデメリットはサイフリートの取り巻きが強化されるだけで、あとはトーマやゲオルグが死んで後味が悪くなる程度だったりする。
リメイク版では滅亡させてしまった場合、ボクオーンが七英雄の討伐数関係なく第二形態へ変化する。
サイフリートの裏には七英雄がいたことは原作でも触れられていたが、リメイク版ではその支援者がボクオーンだったということか(カンバーランドの付近に地上戦艦があるので原作の時点でも考察されていた)。
ネーミングの元ネタはイギリスにある「カンバーランド地方」の可能性が高い思われる。
この地域は「カンブリア地方」の前身で独自の言語を持っていたが、12世紀頃からイギリスが介入して最終的に実質的にカンバーランド語が消滅することで滅亡してしまうという悲劇的な結末がどこか似ている……かもしれない。
また、静岡県民の方を中心に「蒲原」が語源説、長野県民の方を中心に長野市創業の「カンバーランド・ジャパン」語源説も出ているため、イギリスがモデルであると決して断言することはできない。
- バレンヌ帝国皇帝
プレイヤーによって誰がそうなのか(性別やクラス)は大きく変化するが、ベストエンド(トーマを生存させた上でサイフリートを撃破した)の場合は、トーマから国を救ってもらったお礼も兼ねてカンバーランドを領土として献上され、それに対し皇帝はトーマに『名代としてカンバーランドを治めること』を命じる。