概要
「モンスターハンター4」に登場するモンスター。
本作初登場の種族である鋏角種に属する。
生態・特徴
特定のエリアに広大な巣を作って生活しており、獲物が巣にやってくるのを待っている。
ネルスキュラの生息地の近隣では、地元の住民が知らず知らずのうちに巣に迷い込んで襲われる…という事件が後を絶たないとされる。
また、基本的に巣を離れることは少ないものの、元の巣を放棄して大きく移動し縄張りを変更することがある。たとえ巣に近づかずともその移動に鉢合わせることもあるため、そういう意味でも危険である。
尾部には糸の噴出器官と睡眠性の毒針を持つ。
背中には巨大な毒トゲが生えており、時折ここから毒液をたらしてくる。
さらに、口には種族名の由来にもなった鋏角という大顎状の器官を持ち、そちらにも毒を帯びている。狂竜化した個体になると、この鋏角から狂竜ウイルスも分泌するようになり、自前の毒と使い分けて獲物に襲い掛かる。
尾部から糸を吐き出し、当たった対象を雁字搦めにして手元に引き寄せ睡眠性の毒針で昏倒させたり、毒液にまみれた鋏角で強力な一撃をかます、といった狡猾な面を持つ。
特に睡眠攻撃は、眠った相手に素早く近づき、獲物が眠ったのを確認してから鋏角の一撃を繰り出すという恐ろしい連続攻撃を仕掛けてくる。
オトモがいれば眠る前に起こしてくれることもあるが、ソロだとネルスキュラの近くで眠ってしまうとこの連続攻撃が確実に決まってしまうため、ソロでの難易度を大きく上げている。
なお、上位クエストに登場するより強靭な個体は、尾部の毒針が睡眠性から出血性の猛毒(体力の減少速度が倍近くに跳ね上がっている)となっている。
巣の裏表を縦横無尽に駆け回り、頻繁に天井(巣の裏側)に張り付いて砲台のごとく糸玉を狙い撃ちしてくる。
さらに、腹部の先端から分泌される糸は自身を支えるほどに頑丈かつ強靭で、自ら振り子のように体当たりしてくるほか、バックジャンプと同時に地面に張り付けその弾性力を利用してパチンコのような突進を仕掛けてくるなど、かの蜘蛛男も驚愕のトリッキーでアクロバティックな攻めを見せる。
ちなみにこの糸、灼熱の地底火山でも燃えたり切れたりしないほどの強靭さを誇る。
捕食したモンスターの表皮を背中に纏う習性を持っており、バルバレ周辺の地域ではゲリョスの表皮を皮膜として纏っている。ネルスキュラの弱点属性は火属性だが、これは皮の拝借元であるゲリョスと同じ。
この外套皮は毒針破壊後に部位破壊することができ、破壊することで皮が完全にはがれ真っ白な表皮が露わになる。と、同時に弱点属性が雷属性に変化する。実はこちらがネルスキュラ本来の属性耐性であり、絶縁性に優れるゲリョスの表皮を利用し、自らの弱点をカバーしていたのである。「他者の素材を利用して身を守る」というのは人間などの高等生物にも通じるもので、ネルスキュラの知能の高さを思わせる。
なお、ネルスキュラの巣に何やら奇妙な物がぶら下がっているが、これはすべてネルスキュラの餌食にされたゲリョスの成れの果て。
とても悲惨な状態のゲリョスがネルスキュラの不気味さをより一層引き立たせる。
なお、比較的小柄な物が多いことから、成熟しきっていない個体を主に狙っていると考えられる。
村クエでは★4の緊急クエストで登場。
ナグリ村の溶岩源をせき止めてしまって仕事ができないので狩ってほしいと村長に依頼される。
現実の蜘蛛同様素早くトリッキーな動きをしてくるので、初心者は勿論熟練者でも苦戦するモンスターであり、ここで詰むと言う人もいる(実際、発売前に製作者が「序盤から中盤への登竜門的なモンスター」と述べている)。
だが、よく観察してタイミングを見極めながら戦うと、あるゲームに似たような動作をするモンスターがいることもあり、慣れてしまえばじっくりと料理することで安定して戦うことができる。
運悪く睡眠攻撃を喰らっても昏倒するまで若干猶予があるので、その間にできる限り距離をとれば昏倒しても確認作業が終わって鋏で仕留められる直前に眠りから覚める場合がある。
そもそも直前によりアグレッシブになって相手にしづらくなったゲリョスが、すぐ後にはフィールドが狭いためにウィルスブレスを躱しにくいゴア・マガラがいるので、無理に攻め込もうとしなければこの二体よりかは相手にしやすい。
また、飛竜種とは違い攻撃する時としない時のメリハリがはっきりしているので、無理に相手の攻撃に割り込もうとせず、攻撃しない時を狙って攻撃すれば御すのは容易い。
亜種
モンスターハンター4Gで登場。別名「骸蜘蛛」。砂漠地帯に生息する。
原種と異なり、纏っている外套状の皮が白い色になっているのが特徴、
公式イラストからしてフルフルの皮だと思われる。
体色は青色に近い色になり、背中の水晶も麻痺属性になり黄色になっている。
原種と違って巣は作らず、地中から獲物を急襲する生態を持つ。
かと言って糸を使った攻撃をしないのかというとそんなことはなく、
糸のぶら下がり攻撃を連続で行うようになったほか、帯びる属性が麻痺属性に変化しており、原種とはまた違ったベクトルで面倒な相手になっている。
ちなみにファンの間では、上記のぶら下がり突進を仕掛ける際、開けた砂漠の屋外で一体どこに糸を引っかけているのか?という疑問を抱く者もいる。
なお、現実における蜘蛛は生まれて間もない頃は糸を風に流してその力で自分ごと飛ばす「バルーニング」という移動手段を持っており、ネルスキュラ亜種もその手法で飛んでいるのではないかという意見もある。
或いは上の画像のように上空を飛行中の飛竜や古龍に引っ掛けているのかもしれない。
現時点では「高所に糸を貼りつけている」としか書かれていないので詳細は不明である。
今回の獲物は麻痺(雷)属性繋がりで「フルフル」に転移。
以前の犠牲者が「ゴム質の皮」なら、フルフルは「真珠色の艶皮」。
ネルスキュラ亜種は氷属性を弱点としており、それをカバーするために氷に強いフルフルの皮を纏っているのだろう。また、保湿性の高いフルフルの皮を纏うことで乾燥から身を守っているとする説もある。
武器・防具
ネルスキュラの硬質な触腕や脚、伸縮自在の鋏角を加工して作られる武器は、毒属性または睡眠属性を持つことが多い。また、鋭利な爪を用いているためか、同ランクで作れる他の武器と比べると抜群に斬れ味がよく、クエストを進めていく上で心強い相棒となってくれることだろう。
終盤付近の強力なモンスター達の素材を集めきるまでの繋ぎとして非常に優秀であり、序盤から長く使っていけることから思い入れのあるハンターもいるようだ。
防具は「スキュラシリーズ」と呼ばれ、「捕獲の見極め」や「罠師」などの実に蜘蛛らしいスキルが得られる。
これらのスキルは捕獲をサポートするスキルのため、時折発生する「捕獲クエスト」での「見積もりを間違えて討伐してしまった」、「現地で罠を作ろうとしたら悉く調合に失敗した」という失敗を未然に防いでくれる。
おまけに一式で「睡眠無効」が発動するため、ネルスキュラの睡眠針→毒鋏のコンボを潰せる以外にもグラビモス等の睡眠効果を持つ攻撃を持つモンスターとの戦いを有利にしてくれる。
但し、同時に「腹減り倍加【小】」(スタミナ最大値減少速度が通常の1.5倍)も一緒に発動してしまう。これはアクロバットな行動を頻繁にするためにスタミナの減少速度が早まってしまうということだろうか。実際ネルスキュラも比較的疲れやすい。
短期決戦ではあまり関係ないとはいえ、乗りや長距離移動、回避に地味に影響するため可能なら打ち消しておきたい。特に連続狩猟ではスタミナの確保ができないと途端に厳しい戦いとなる。
上位素材を用いた「スキュラSシリーズ」でも基本は同じだが、「睡眠無効」が「毒無効」(但しそのままでは1ポイント足りないので発動しない)に差し変わり、また「見切り+1(クリティカル確率が僅かに強化)」も発動する。但し、「腹減り倍加」も【小】ではなく【大】(スタミナ最大値減少速度が通常の2倍)になるので打ち消しが困難になる。
毒鋏などを普通の攻撃に貶められるがスタミナの減少速度も馬鹿にならないので使いこなすには一手間二手間必要。
また見た目も男女共にとても蜘蛛の素材を使ってできたものとは思えないほどかっこいい。オトモアイルー用も某人造人間を彷彿とさせるデザインになっているなど、どう考えても狙っているとしか思えない外見である。
先述の通りネルスキュラの表皮本来の色は白色であるが、この表皮はその色合いの美しさから女性に大人気であるという。白く輝くスタイリッシュなスキュラ装備を見れば、その評判も納得がいくというものである。
また、G級装備のスキュラXシリーズになると、ゲリョスの皮を加工したであろうマントが追加され、ゲテモノ感あるネルスキュラとは逆に聖騎士風なヒロイックなデザインへと変貌を遂げ、胸や膝、腕には背中の毒棘を反映してか紫色のひし形パーツが追加されている。亜種の素材から作られるスキュラZシリーズは白いマントを携えた暗黒騎士といった感じであり、乳白色は紫がかった濃紺、紫は麻痺棘の金色になっている他、こちらのマントも外皮として使っていたフルフルの皮を加工したものだろう。
余談
実は、以前MHFで蜘蛛をモデルとしたモンスターが実装されかけたことがある。
厳密に言えば、開発スタッフから出たアイデアに合致する生物が蜘蛛だったということであり、デザインもしっかりされていたようだ。
しかし、「パッケージモンスター=看板となるモンスター」ということで、以前の教訓をもとにプレイヤー(特に女性)が生理的嫌悪感感じるのを避ける為蜘蛛型から猿型へと変更されたらしい。
MH4にてついに登場となったわけだが、もしかしたらかつての蜘蛛型モンスターのアイデア・デザインがこちらにも活きているかもしれない。
そんなネルスキュラだが、不気味ながらもスタイリッシュなアクションが受けている他、なによりセルタス夫婦共々久々の虫型ボスモンスターということでおおむね評判は良いようだ。
ただ、先述したとおり積極的にハンターから距離を取り砲台と化してくるため、狩猟対象としては否定的な意見も見られる。
狡猾で高い知能を持つ生態を再現したが故ともいえるが、そのあたりはどこぞのヘタレ王に通じるものがある。
ただ、リオレウスもシリーズを重ねるごとにモーションや仕様に改良が加えられているため、ネルスキュラも今後シリーズに登場することがあれば、同様の措置が取られる可能性もある。
MH4で新登場したボスモンスターの中でもケチャワチャと並び同作特有の地形に特化した能力を持つ事から、ある意味では看板モンスター以上に本作の特徴を象徴しているモンスターである。
ちなみに、初遭遇時のムービーは着用中の装備が反映されるため場合によっては大変けしからん事になる、と紳士の間で人気。
今日も紳士たちはこだわりの逸品を装備させてギャラリーを鑑賞する。