概要
普段は深海に棲息しているが、10年に一度、産卵のため浅瀬に上がってくる。分類は「魚乳類」となっており、魚類と哺乳類の特徴を併せ持っている。
孵化後、成魚(?)になるまでの3~4年を浅瀬で過ごし、体長6mに成長するが、深海に移動すると水圧で肺がつぶれて退化しその体は50~60cmに圧縮される(そのため産卵時は集団で身を寄せあって巨大な姿に擬態する)。この圧縮によって身の旨みが凝縮されて最高の旨味となるとともに巨体が持っていた体内の老廃物が凝縮され、毒袋になる。
毒の致死量は常人で0.2㎎、マウス10万匹を殺すとされている。
捕獲レベル29(毒化を無視した場合は1以下)。
トリコはココを誘い数年に一度産卵に現れるという「洞窟の砂浜」に向かい、これを捕獲するに至った。
余談だが、1コマだけ『世紀末リーダー伝たけし!』に登場する小次郎が混ざっている。
トリコとリンの結婚式においても、魚料理「オウガイのグリル」の付け合わせとして魚宝アナザやサンサングラミーと共に刺身が出され、多くの客が舌鼓を打った。
なおこのとき厨房では小松が大量のフグ鯨の毒袋をひと薙ぎで取り除き捌いている。成長パねえ。
調理
1匹3億円で取引されるほどの高級食材だが、生死に関わらず少しでも刺激を与えると毒袋が破れて致死性の毒が全身に回ってしまい(毒化)、食べられなくなる。
捕獲の際には「消命」などで自身の気配を消したうえで鰓から特定の角度で脳にノッキングしなければいけない。
また、個体によって毒袋の位置が異なり(酷い時にはノッキング位置付近に毒袋があり、ノッキングと同時に毒化するケースも)、ミリ単位のミスでも毒化してしまうため個体ごとに捌き方も変わってくるため、これを的確に見極めて捌かなければならない。そのうえ小型化してもなお身はずっしり重く、最後の仕上げの毒袋の除去も素手で行う必要があるため常に緊張感がかかる作業となる。
毒化してもなお味は変わらないため、闇ルートで一匹800万円ほどで取引されており毎年数万人規模の死者を出しているという。まさしく「死ぬほどうまい」食材である。
非合法国家なジダル王国のネルグ街でも、毒化したフグ鯨がその辺の屋台で売られているが、これも購入客の毒死を前提とした商売である。
食義を身に着ける際の関門とされており、100%捌ける料理人は世界に10人しかいないらしい(第2部では増えた)。
毒袋を完全に取り除くと金色に光る。食義を身に付けるなどした料理人が、素早く繊細な包丁捌きで抜き取ると「フグ鯨自身が捌かれていることに気づかない」ので光らないが、それによる味の劣化はない。
肉を除く部位もまた絶品で、内臓は滋養強壮効果が大変強く、一口食えば10日は疲れ知らずだとか。
ヒレ酒は1杯で1週間ほろ酔いが続くほどの熱燗であり、背びれは毎日取っても3年続くほど濃厚な出汁が取れる。
舌には上質な脂が乗っており、熱すれば1年使いまわしても味落ちしない油として重宝される。もうなんなんだこの鯨。
なお、毒料理の専門料理人タイランが「フグ鯨の乾燥毒袋」をフルコースの前菜に入れている。
実在のフグの卵巣のぬか漬けのように、毒袋そのものを解毒して食べられるようにする技法があるのだろうか。
ちなみに原種はグルメ界に生息しており、幼魚時の厳つさをそのまま小型化したような見た目となっており、ブルーグリルでは普通に「少し高い魚」扱いで販売されている。
読み切り版『ビルドキング』にも特別出演しており、主人公が骨ごと内部の毒を吐くという器用すぎる荒業を披露していた。
ゲームではグルメサバイバル!から登場しており、攻撃性は皆無な反面ノッキングでなければ捕獲することが出来ず、普通に攻撃すると消滅してしまう。
亜種
- ニセフグ鯨
元々が毒化したフグ鯨と似た体色をしており、捕獲後でないと、毒化したものかどうか区別がつけられないほど見分けるのが困難な種。「フグ鯨固有種」とも。ちなみに通常種よりも鰭がやや短め。
- チョウチンフグ鯨
通常種よりも深い水中に生息し、旨味が凝縮された種。「フグ鯨稀少種」とも。金魚提灯のように鰭(特に尾鰭)が大きく青みがかっており、胴体には血管が浮き出ている。警戒心が非常に強く、毒化させずに捕獲することは容易ではない。
- センボンフグ鯨
背面や鰭の根元が紫色で鰭先が淡い黄色をしており、外敵から身を守るためハリセンボンのように体中に無数のトゲがある種。極めておとなしい性格だが、ノッキングがとても難しく捕獲は困難。
- ヌメリフグ鯨
全身が灰色で額がコブダイやマッコウクジラのように盛り上がっているフグ鯨の一種だが、体内だけでなく体表のヌメリ(粘液)にまで猛毒を持っている。捕獲、調理ともに困難を極める食材。
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ポイズンポテト…フグ鯨の20倍以上の猛毒を持つ超特殊調理食材。