概要
マンマルコガネとは、甲虫目アツバコガネ科のうちマンマルコガネ亜科(学名:Ceratocanthinae、古くは独自にマンマルコガネ科 Ceratocanthidae)に分類される昆虫のこと。名前の通り、真ん丸な球体に変形するコガネムシである。
360種ほど知られ、世界中の熱帯域にかけて分布する(中央~南アメリカ、アフリカ中央~南部、インド南部、東南アジア、オセアニア北部)。
研究が少なく、本来もさほど一般に知られていない昆虫であったが、日本の昆虫学者が撮影した球形からコガネムシに変形する生体写真をきっかけに一躍有名となり、現在ではガシャポンにもダンゴムシと並んでカプセルトイ化されるほどの知名度がある。
形態
体長数mmほどの小型昆虫。色は種類により地味な茶色から鮮やかな金属光沢まで様々。
基本体制はコガネムシそのものであるが、球体への変形に適した構造を持つ。背面の外骨格は丸みを帯びて、前胸と後半身の関節が顕著にくびれ、前翅に覆われる後半身がほぼ半球形となっている。
球形に丸めるときは体を腹面に折り曲げる。ただし脚を内部に収納するダンゴムシやアルマジロとは異なり、マンマルコガネは脚も球形モードの表面を構成し、プレート状の脛部分で頭部と腹部の隙間をピッタリ埋めている。
生態
研究が少ないため、生態は未だに不明点が多い。球形に丸める能力は天敵から身を守るのに役立つと考えられるが、休む時も球体モードであるため、水分流失を防ぐ・カモフラージュ・体温調節などのための行動でもあると思われる。成虫は樹皮や朽ち木などで見つかり、腐植や菌類を餌とすると言われている。一部の種類は幼虫含めてシロアリの巣から発見されるが、そこで暮らす理由は不明。