概要
生没:詳細は不明(1526~1543年前後?)
出身:伊予国
一族:(父)大祝安用、(兄)大祝安舎、大祝安房
家紋:折敷の内に三の字
正しくは大祝鶴姫(おおほうりつるひめ)。
伊予国大山祇神社(愛媛県大三島)の大宮司・大祝安用(おおほうりやすもち)の娘として生まれる。
元来、大祝氏は神職の家系であり戦場に立つ役割はなかったが、伊予河野氏一門に加わっている経緯から、陣代(主君の代理として陣頭に立つ役割)として一族を出仕させることがあった。
周防国の大内氏による侵攻を度々阻止することに成功するも、二男・安房が1534年の侵攻の際に討ち死にしてしまい、同年10月に再度侵攻の魔の手が迫る。その折にわずか16歳で陣代として出陣し、「我は三島明神権化の者なり、我と思わん者は出だせたまえ」と大音声を張り上げて味方を奮起させ、大内軍を撃退したというのが鶴姫であった。
その後1543年に大内義隆は、陶隆房(晴賢)に水軍を派遣させて大侵攻を決行。この戦で鶴姫率いる伊予河野軍は劣勢の中を耐え続け、最後に兵力を集約した決死の反撃により敵軍を壊走に追い込み、見事勝利をおさめる。
しかしこの戦いで、鶴姫の右腕で恋仲にあったとされる越智安成(おちやすなり)が戦没。先立つ兄や恋人への思いや、戦などでの心労からか、18歳で自害しこの世を去った。
辞世の句は……
わが恋は 三島の浦の うつせ貝 むなしくなりて 名をぞわづらふ
以上が現在伝わっている『鶴姫伝説』の概要である。なお彼女が身につけたという鎧、紺絲裾素懸威胴丸(こんいとすそすがけおどしどうまる)が現存しており、史料として女性用甲冑の唯一の現存例とされている。
創作作品における鶴姫
幾つかの創作作品のキャラクターのモデルになっている。
個別記事有り
- 『戦国BASARA』のキャラクター。→鶴姫(戦国BASARA)
- 『忍者戦隊カクレンジャー』のキャラクター。→鶴姫(カクレンジャー)
- 『歴史大戦ゲッテンカ』のキャラクター。→戦姫つる
戦国無双
『戦国無双2』で弓兵タイプの護衛武将として登場。その後、間を開けて4の流浪演武で再登場。この時はパートナー武将で使用可能。(武器は薙刀)
関連タグ
後藤久美子…… 日本テレビ年末時代劇スペシャル『鶴姫伝奇』(1993年)で鶴姫を演じた。
村上海賊の娘…… 主人公「村上景」が憧れの人物に挙げている。