概要
「無責任艦長タイラー」(TYLOR The Irresponsible Captain)とは、吉岡平によるライトノベル作品『宇宙一の無責任男シリーズ』を原作としたSFコメディアニメ作品である。
アニメの実製作はタツノコプロ。
放映のキー局をテレビせとうちとして、
1993年1月25日から7月19日まで、全26話が放送された。
好評だったので、その後「特別編」とOVAシリーズが制作された。
作品解説
「盛大なる実験作」
ライトノベル作品としては初のテレビアニメ作品として製作放映された。
そしてテレビアニメ製作では初めて「製作委員会方式」が取り入れられ、
その正式名称を「タイラープロジェクト」として、キングレコード、バップ、メディアリングがこれに参加。
「原作を基礎として発展させた、アニメ版独自の世界観やキャラクターで表現された作品内容」や、
「タイラー新聞」、「8585(パコパコ)ダイアル」などの宣伝方法、「真夏の祭典」などの各種イベント、作品の内容と連動したCDドラマやキャラクターソング、各種宣伝用映像ビデオなどが製作された。
これらの作品には原作者である吉岡平とその妻となる月瀬ゆうかも参加しており、
結果としてこれらの「関連作品」の量は膨大な量になっていった。
このように、製作・宣伝・販売の手法について実験的な要素が数多く盛り込まれ、
後に続く、各種メディアミックス作品へのノウハウを提供することになった。
2つ目の世界観
上記のように原作版とは異なり、年齢や外見やキャラクター自体の設定が、もはや別作品に等しい、と言っていいぐらいに大幅に変更されている。
そしてアニメ放映後、原作者:吉岡平の「その創作活動に外部からの影響を受けやすい性質」から、原作版の続編に、アニメ版の影響が出るようになっていく。
そして更に後に、リライト版である『真・無責任艦長タイラー』も出版され、これもまた設定が異なっている。
そういった経緯で、世界観やキャラクターのバージョンが大まかに、
原作版: 「宇宙一の無責任男シリーズ」
アニメ版: 「無責任艦長タイラー」
リライト版:「真タイラー」
の三種類存在することになり、
アニメ版は「『宇宙一の無責任男シリーズ』の二つ目の世界観」を持つ作品、ということになった。
原作版ライトノベルについては、『宇宙一の無責任男シリーズ』もしくは『宇宙一の無責任男』、
リライト版については『真タイラー』のタグ記事をそれぞれ参照のこと。
タイトルについて
「無責任艦長タイラー」のタイトルは、原作であるライトノベル『宇宙一の無責任男シリーズ』第1巻の書籍タイトルでもあり、リライト版のシリーズの一つが『真・無責任艦長タイラー』の名称となっているため、
原作版『宇宙一の無責任男シリーズ』及び、リライト版:通称・真タイラーを指す場合もある。
タグ使用について
現在pixivでは、
原作版、アニメ版、リライト版の投稿作品の総合タグとして「無責任艦長タイラー」を使用し、
その後、原作版の投稿作品には「宇宙一の無責任男」タグを、
そしてリライト版の投稿作品には「真タイラー」タグを使用している。
なお、pixivに投稿されている作品はアニメ版が圧倒的に多くなっている。
アニメ版制作スタッフ
監督:真下耕一
キャラクターデザイン:平田智浩
メカニックデザイン
:伊藤浩二(ラアルゴン帝国)
:増尾昭一(惑星連合宇宙軍)
音楽:川井憲二
主題歌
オープニングテーマ
「just think of tomorrow」
歌:佐々木真里
作詞:島エリナ 作曲:中村裕介 編曲:丸尾めぐみ
エンディングテーマ
「ダウンタウンダンス」
歌:佐々木真里
作詞:石嶋薫 作曲:山浦克己 編曲:丸尾めぐみ
テレビアニメ版各話リスト
話数 | サブタイトル | 話数 | サブタイトル |
---|---|---|---|
第1話 | なぞの無責任男 | 第2話 | いよっ!花の年金生活 |
第3話 | 艦は出ていくシコリは残る | 第4話 | 敵だ!ピンチだ!降参だ! |
第5話 | Hではじまる白衣の天使 | 第6話 | トカゲのしっぽのしっぽ |
第7話 | 紳士協定がまんがまん | 第8話 | 命短し、殺せや乙女 |
第9話 | 花占いに祈りを込めて | 第10話 | 心眼、近眼、ドガンドガン |
第11話 | 左遷(なが)されて女ざかり | 第12話 | そよかぜが消えた日 |
第13話 | 予習・復習・不勉強 | 第14話 | やさしさの方程式 |
第15話 | キンキン危険な病原菌 | 第16話 | ストレンジ ラヴ |
第17話 | 仁義なき脱出 | 第18話 | 告白の行方 |
第19話 | 眠れる森の美少女 | 第20話 | よきに計らえ善後策 |
第21話 | パコパコ ジュニア! | 第22話 | たったひとりの軍隊 |
第23話 | 宇宙で一番長い日 | 第24話 | プッツンプッツンピチパチプッツン |
第25話 | マイウェイが切なくて | 第26話 | 掟ひろき うつはもの |
続編
「ひとりぼっちの戦争」
「無責任艦長タイラー OVAシリーズ」
第一話「16歳の法則」
第二話「サムライ危機一髪!」
第三話「ハイテクの向こう側」
第四話「ホワイト・クリスマス」
第五話「晴れたらいいね 1」
第六話「晴れたらいいね 2」
「地上より永遠に」
アニメ版登場キャラクター
惑星連合宇宙軍
そよかぜクルー
タイラーが初めて艦長となった駆逐艦「そよかぜ」のクルーたち。
タイラーを含めて、惑星連合宇宙軍の中で「つまはじき者とされていた兵士たち」を、老朽艦である「そよかぜ」に詰め込んでやっかい払いとされており、始めはクルーの士気も高くなかったのだが、
やがてタイラーを中心として、「独立愚連隊」的なチームとしてまとまっていく。
声:辻谷耕史
主人公。
軍に入隊してとんとん拍子に出世し、駆逐艦「そよかぜ」の艦長になる。
おべんちゃらが上手く、気楽に生きている。
が、時たま「示唆に富んだ言葉」を投げかける事もある。
なぜか悪運だけはやたら強い。
ユリコ・スター少佐
声:天野由梨
ミフネ中将の秘書をしていたが、思うところがあり、タイラーが艦長となった駆逐艦「そよかぜ」のクルーとなる。
情報処理担当として優れた技能を持ち、規律や規則を重んじる真面目な性格。
であったのだが、タイラーと出会ったことで、その考え方に変化が訪れる。
マコト・ヤマモト大尉
声:速水奨
駆逐艦「そよかぜ」副長。
神経症で心配性で泣き虫で、思い込みが激しく、「神経洗浄」治療をしょっちゅう受ける羽目になる苦労人。
規律に殉じるあまり、なかなかその枠から抜け出せないでいたが、「誤解」からタイラーに対して心酔したのをきっかけに、タイラーの影響を受けていくようになる
※下のキャラ
キョンファ・キム中尉
声:三石琴乃
駆逐艦「そよかぜ」通信士。
さっぱりサバサバした性格で、クルーの中では一番タイラーに近い、少々勤務態度に問題有りな人物であった。
しかしとある事件をきっかけとして、「いざというときには動く」事が判明する。
ハロルド・カトリ中尉
声:成田剣
駆逐艦「そよかぜ」の操舵士。
金髪青瞳の美青年だが日系三世であり、日本の文化を重んじ、「仏教マニア」で座禅が趣味。
しかし操縦技術は超一流で、事が起こった時には大活躍する。
ヒデザブロー・キタグチ軍医少佐
声:八奈見乗児
駆逐艦「そよかぜ」軍医。
元・産婦人科医であるらしい。
大の酒豪で、工業用メチルアルコールを飲んでしまったため失明し、目は義眼である。
しかし腕は確かで、酒を飲むとなぜか更に腕に磨きがかかる。
自称:33歳なのだかそう見えないほど落ち着いており、「そよかぜ」の重鎮的存在。
コジロー・サカイ少尉
声:岩田光央
駆逐艦「そよかぜ」の戦闘機パイロット。
自らを「撃墜王」と豪語する自信家だが、それだけの腕は持っている。
実は極度の女性恐怖症。
しかし、なんの因果かユミ&エミ姉妹の指導をする羽目になる。
ユミ・ハナー&エミ・ハナーニ飛曹
声:かないみか(一人二役)
ロベルト・J・ハナー元提督の娘。
一卵性双生児の双子であり、外見的特長の見分けは結び目と声と喋り方。
二人とも、タイラーを「心の広い方」と言い尊敬している。
いろいろとあって、コジローから戦闘機パイロットとしての指導を受けることになる。
ハルミ伍長
声:岡本麻弥
駆逐艦「そよかぜ」に、敵艦撃破の恩賞として軍上層部から配属された看護士兵。
「そよかぜ」の男性クルーのマドンナ的存在。
だったのだが。
実は「神聖ラアルゴン帝国」の破壊工作員である人造人間。
しかしタイラーにその事がバレてしまい、その人柄に触れるうちに、「性能が変化」していくことになる。
声:柴本浩行
通称『赤毛のエイリーク』。
駆逐艦「そよかぜ」の古参兵で、クライバーン達荒くれ集団を統率する内火艇艇長。
ニヒルでクール、規則を嫌う荒くれ者。
タイラーに反発し、しょっちゅうユリコやヤマモト、コジローたちと対立していたが。
ミッキー・クライバーン特務曹長 声:中田和宏
モヒカンと顔面の生傷が特徴。
単細胞で粗野で野蛮な性格。
アンドレセンとつるみ、タイラーに反発していたが。
※右側のキャラ
駆逐艦「そよかぜ」海兵隊員
声:桜井敏治
声:上田祐司
声:岡野浩介
声:麦人
惑星連合宇宙軍 銀河外周方面艦隊 司令官。
55歳。
何かがあるとすぐ日本刀を振り回す奇行の持ち主。
原作よりもかなりコミカルなキャラとなっている。
タイラーを目の敵としていたが、徐々に彼を見極めようとするようになる。
ススム・フジ中将
声:西村知道
惑星連合宇宙軍 統合参謀本部 参謀総長。
51歳。
タイラーを目の敵としており、常に良からぬ事を企てている。
原作とは異なり、セッシュウ・ミフネとは「お代官様と越後屋」の関係となっている。
神聖ラアルゴン帝国
惑星連合と対立している勢力。
先代皇帝が殺害されたことにより、惑星連合との戦争が激化していた。
しかしタイラーが捕虜となったことにより、転機が訪れることになる。
声:笠原弘子
神聖ラアルゴン帝国皇帝ゴザ16世。
父親である先代皇帝か没したことにより、皇帝と「なってしまった」、ごくごく普通の、16歳の女の子。
宮廷内で力を持つワングに逆らえないでいたが、タイラーに興味を持ち、「ラアルゴン帝国の捕虜」として出会ったことで転機が訪れる。
原作とは異なり「帝王学を学ばず、いきなり皇帝となってしまったごく普通の女の子」として描かれ、
タイラーとの関係も「兄を慕う妹」的な思慕の情を伴うものとなっている。
声:関俊彦
神聖ラアルゴン帝国 第27銀河辺境方面 第66特派分遣艦隊所属 巡洋艦「ドローメ」艦長。
冷静で義理堅い性格。
ある日、一人泣いていたアザリンを見て以来、彼女の力となることを誓う。
ラアルゴン帝国相手に「負け知らず」なタイラーの能力を高く買うようになる。
声:三田ゆう子
神聖ラアルゴン帝国 第27銀河辺境方面 第66特派分遣艦隊所属 駆逐艦「ガルギュラン」艦長。
ドムの配下的立ち位置。
軍人として実直であり、規律を重んじ、常に冷淡な性格。
タイラーを捕虜とすべく、「ハルミ」にその命令を下したが。
声:塚田正昭
神聖ラアルゴン帝国宰相。
65歳。
皇帝を差し置いて宮廷を牛耳り、その座を成り代わろうとすら画策し、暗躍する。
しかし、タイラーが捕虜としてやってきたことで、少しずつその情勢が変化していく。
声:西尾徳
声:仲野裕
声:円谷文彦
声:大塚芳忠
その他サブキャラ
ロベルト・J・ハナー元提督
声:西川幾雄
ハナー姉妹の父親。
元惑星連合宇宙軍の名将として名高い人物であったが、退役した現在は、寝たきりの生活となっていた。
そこに惑星連合宇宙軍の年金課に配属されたタイラーがやってきたことで、「最後の時が賑やかとなる」。
声:川村万梨阿
声:小宮和枝
:田中和実
ナオート・キム軍曹
声:伊井篤史
声:中田和宏
声:成田剣
声:千田光男
声:大木民夫
声:高木渉
関連リンク
現在、アニメ版製作当時の宣伝素材の一つであった「タイラー新聞」を、全てではないが、PDFデータでダウンロードする事ができる。
関連タグ
宇宙一の無責任男:原作版タグ
無責任艦長:表記揺れ