概要
映画ドラえもんの第11作目の作品。自然環境の保護と人間による環境破壊を批判したテーマとなっており、原作者の藤子・F・不二夫曰く「少し露骨だったかもしれない」とのこと。
劇中、ジャイアンが靄に入るのを嫌がるシーンで、奇妙な呻き声のような声がしており、ファンの間でも謎とされる。
ストーリー
とある夜、のび太は不思議なピンクの靄の向こうに見たこともない森で人間のように立って言葉を話す動物たちを見て、あれは夢だと思ったが、夢の中の花が枕元にあったことで、あれは夢ではなかったのではと思うようになる。
その次の晩、再び靄が現れ、のび太は靄の向こうへ向かい、ドラえもんも後を追って探検することに。そこには本当に森が広がり、森の向こうの川で犬の少年・チッポと出会い、人間のような動物たちを目にする。そこはアニマル惑星という星だった。
後日、裏山でゴルフ場開発を進める業者を追い払ったドラえもんたちはそこで再び靄を見つけ、しずかちゃんとともに靄の向こうへ。ジャイアンとスネ夫も後を追うが、靄をさ迷った挙句、荒れ果てた廃墟の世界に辿り着いてしまう。
動物たちの世界での生活を体験するのび太たちはジャイアンと合流し、元の地球に戻るが、チッポからの連絡で大昔に動物たちを虐げた種族・ニムゲが攻めて来たことを知り、再びアニマル惑星へ向かう。
レギュラーキャラクター
ドラえもん
のび太
しずか
ジャイアン
スネ夫
のび太のママ
ゲストキャラクター
- 好奇心旺盛な犬の少年。たまに無茶な行動をして父親に叱られている。のび太たちと友達となり、彼が異星人でも構わないと思っている。
チッポのパパ(CV.キートン山田)
- 町内唯一の警察官。無茶なことをする息子に気苦労が絶えない。
チッポのママ(CV.佐々木るん)
ロミ(CV.西原久美子)
- チッポの従姉妹。コックローチ団に連れ去られ、人質に捕られるが、のび太に救出される。
ウータン(CV.川久保潔)
ゴリ郎の父(CV.広瀬正志)
ゴリ郎(CV.峰あつ子)
- 連邦警察の職員。コックローチ団に潜入捜査をしていた。
警察隊長(CV.加藤正之)
- 連邦警察の隊長。コックローチ団逮捕の指揮を執った。
コックローチ団
- 秘密結社「コックローチ団」の指導者。各組長を配下に置く。その素顔は若い美青年。
ニムゲ組長(CV.小杉十郎太)
- コックローチ団の一グループを率いる組長。
ニムゲ団員(CV.西尾徳)
舞台
アニマル惑星
人間のような二足歩行をする動物たちが暮らす平和な惑星。自然エネルギーによる発電や水・光・空気による合成食物の生成、汚水処理施設など自然に配慮した科学技術を持ち、これについてはドラえもんも22世紀の地球以上かもしれないと驚くほど。
その一方で平和が基本であったため戦争も武器もなく、国という概念もなく、そのためにニムゲの攻撃には何の抵抗もできなかった。
かつてはニムゲが暮らす星にいたが、星が滅びかけた時に科学者がどこでもドアのような道具であるピンクの靄を生み出し、それを使って動物達を別の惑星へと移住させ、そこでの文明を発達させた。このことは動物たちにとっては神話として伝わっており、その科学者は神として祀られ、みんなその信仰心は強い。
地獄星
アニマル星との二連星で、アニマル星のすぐそばにある星。動物たちはこの星を「月」と呼んでいる。
かつて地球人型種族「ニムゲ」による文明が栄えていたが、文明の発達による環境破壊や核戦争で惑星は荒廃し、生き残った者達は衰退した生活水準となっている。自力での機械生成はままならず、古代のゴミをリサイクルして日用品から宇宙船まで賄っている。
現在では1000年の時を経て文明再建の目処が立っているが、「宇宙は人間のために存在する」と考える一部の過激派達が秘密犯罪結社「コックローチ団」(原作では「ニムゲ同盟」)を結成してアニマル惑星を侵略して乗っ取ろうとした。