概要
美しい女性の容姿であることが多い妖怪だが、老婆やいかにも人外の見た目のものも存在する。
大抵は白肌白装束に黒髪といったモノトーンが伝統的なスタイルだが、近年の創作では髪の色が白・水色で描かれることも多い。
雪女の登場する文学作品としてはラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の「雪おんな」が有名。
冬の寒さと非情さを伝えるのみならず、雪の美しさや儚さの象徴としての側面も併せ持つ。また幻覚や人恋しさゆえに訪問客を求める心理も絡むため、日本各地に善悪入り乱れた伝承が多数存在する。
多くは正体を突き止めるなどすると姿を消すという、鶴の恩返しなどと似た余韻を残す物語が多い。西洋でいう人魚や水の精のような存在であるのかもしれない。
創作に登場する雪女
『まんが日本昔ばなし』に登場する雪女は、老人と青年の家族の前に現れ、1度目は老人の命を奪うも、2度目は残った青年と結婚する。老人が死んだ時のことを話してはいけないという約束をうっかり彼女自身に話してしまい、青年の前から消えてしまう。
近年は所謂「正体を見抜かれると消える」という前提すら覆した雪女も描かれるようになり、その性質も非常に多彩になった。それでも儚げな容姿や設定から、大抵の場合人と妖怪との恋愛・相互理解の象徴として好まれている。