「さあ、俺たちの戦争(デート)を始めよう‼」
プロフィール
誰かさんのおかげで作中人物の中で最も正確な身体データが明らかになっている。
概要
都立来禅高校二年四組。
人類の脅威である精霊を攻略するべく見出された少年。秘密組織<ラタトスク>の支援を受け、精霊を攻略し続ける(ギャルゲ的な意味で)。十香からはシドー、令音からはシンと呼ばれている。
幼いころに親に捨てられて、五河家に引き取られた。親に捨てられた絶望を味わった経験から、他人の絶望にも敏感で放っては置けない。それは存在するだけで人間からの迫害を受ける精霊たちに対しても同じで、毎回命がけで攻略を行う。
なお、ラタトスクメンバーの箕輪と椎崎によれば女性の母性本能をくすぐるような魅力を持っているらしい。
その為、彼と係った精霊たちや一部の女性人を引きつける何かが有るらしく、彼の本質に触れた大抵の人物(女性陣)は彼に心惹かれる傾向が強い。
彼に関するいくつかの謎について(ネタバレ注意)
いたって普通の一般市民だと思われていた主人公であったが、実は自身に心を開いてくれた精霊たちの力をキス(しかも口づけ)することにより封印できるという特殊能力の持ち主であったことが劇中で確認されている。
また、5巻以降、琴里の霊力を再封印した事が切っ掛けとなり、他の封印された精霊の能力は目に見えない経路(パス)を通じて使用することが出来るようになった。この時には士道自身は無自覚だが、瞳が精霊のものと化している。
具体的には以前から使っていた自動的に発動するもの(琴里の再生能力、ただし自然治癒で回復できる程度の傷は例外らしい)や自身が使用したいと心に強く思い描いた能力(十香のサンダルフォンなど)をそう願った瞬間から使えるようになるものの2種類が存在する。
ただし、人の身で精霊の力を行使するのは体に相当な負荷がかかるためなのか、天使を顕現させて能力を行使した際は相当の激痛に際悩まされ、翌日に酷い筋肉痛などの症状が現れる。
しかし、カマエルの自動回復能力やハニエルの擬態能力の様に天使を顕現させないでその能力を引き出した際は体に付加は掛からないようである。
何故、そのような能力が備わっていているのかは現時点では不明だが、少なくとも5年前のある事件(ネタバレ必死なので別のリンクか琴里やファントムを参照されたし)からその能力は確認されており、如何やら後天的なものではなく先天的な能力である模様。
なおこの能力のことが5巻でエレンに確認されてしまったため、精霊たちよりも最優先でDEM社に狙われる羽目になってしまった。
更に、他の精霊の天使が使用できるようになった(ラタトスク側にとっての)危機的状況になった為、(おそらく)士道に万が一のことが起きた場合(士道の能力が最悪のケースに陥り、精霊たちに危機が訪れる可能性が起きた場合)、最悪、士道の抹殺という密命をウッドマンから琴里は受けているようだ(勿論、双方どちらにとっても避けたいことではあるが)。
また、「なかったこと」になってしまっているが、6月末に起きた事件である凜祢にまつわる事件は士道自身のストレスがそもそもの発端であるが、ラタトスク側が最も危惧している事柄ではない模様。
ちなみにこの一件、士道だけは僅かに記憶に留めているのか、事件解決後、僅かな違和感を覚えている。
そのほか、1巻にて士道が十香の攻撃で気を失い、目覚めるまでの間に謎の女性の声を聴いており、そのセリフが思わせぶりな内容だったため、物語に関する重大な謎の鍵を握る人物だと思われるが、その詳細は今の所は一切不明。
そして、十香と出会う前の4月9日、彼女の「助けて」という心の叫び声の気配を感じ取っている節も見られ(0巻より)、9巻では恐らく常人にはその気配すら悟らせない位置から士道を見張る七罪の気配を感じ取ったりと五感も常人離れしている節も見受けられるが、詳細は不明である。
なお、12巻において原因は不明であるがパスが目詰まりをおこし、体内に膨大な霊力が内包されたために暴走状態に陥り、普段の彼からは考えられないような性格(自身に満ち溢れたプレイボーイに豹変)になり、中二病が再発した挙句に封印した精霊たちの力を使いこなしていた。
更にその後、DEMの秘密研究所から輸送される途中の『資材A』=“第2の精霊”の霊力に共鳴して完全な暴走状態に陥った際は“霊装”のようなものを顕現させている。
なお、その際の忘我の域の時に過去の記憶を一時的に思い出したのか、自身が五河家に引き取られる前の出来事を真那に語り掛けたり、明らかなDEM社に対する増悪を口走っていた。
これらの謎についてはDEM社の首魁アイザック・ウェストコットや謎の存在ファントムがその詳細を知っているものと思われるが、その事を含め、明かされる日が来るまで待つしかないのが今の現状である。
なお士道が15巻現在の物語で顕現させた能力は以下の通り
能力名 | サンダルフォン | 対応精霊 | 夜刀神十香 |
---|---|---|---|
能力名 | カマエルの自動回復能力 | 対応精霊 | 五河琴里 |
能力名 | ザドキエルの冷気を応用して作成した氷の盾 | 対応精霊 | 四糸乃 |
能力名 | ハニエルの変身能力 | 対応精霊 | 七罪 |
能力名 | ガブリエルの自身の想いを相手の心に伝える能力 | 対応精霊 | 美九 |
能力名 | エデンの対象者に幸せな夢を見せ続ける広域結界(ただし特殊な天使の為か、色々と例外的な事あり) | 対応精霊 | 凜祢 |
能力名 | ラファエルの風を自在に操る能力 | 対応精霊 | 八舞姉妹 |
そのほか、あの人物の光を操る能力や万由里の能力も使えるものと推測されるが現時点では不明である(だんだんと主人公が化け物じみてきている気が…)。
更にスピンオフ作品の1つである『デート・ア・バレット』で判明した事なのだが、“隣界”では生きる伝説(うわさ)化しており、隣界編成に巻き込まれた“夢”が無い為にただ儚失を待つだけだった準精霊のみなさんが、精霊の記憶を介して彼の行いや言動に影響を受け、彼に恋心を抱き儚失とも無縁になる人物が続出しているという…。
もしかすると出版社や作品を超え、ある人物と同じくとんでもないことになっている気がしないでもない…。
なお士道が17巻現在の物語で掌握している精霊・準精霊
完全掌握
半分のみ
未確認
主な人物関係
- 夜刀神十香 士道が初めてファーストコンタクトを取った精霊。士道に心身共に救われて以来、常に士道の傍に寄り添い、お互いに支え合う良きパートナー(それ以外としても)として日々を過ごしている。
- 五河琴里 幼少の頃に五河家へ養子になった時に義妹として関係を持つ。4月10日までかわいい妹の琴里しか知らなかったが、フラクシナスの司令としての琴里と会ってから人生が大幅に変わったと言っても過言ではない。
- 崇宮真那 五河家に養子となる前の妹、実妹である。本人からはロケットを見せられて説明を受けた。その後の大きな再会と言えば数ヶ月後の戦闘の最中だが、それから先はネタバレの領域になるので第7巻を見てほしい。
- 五河士織 対外的には士道の従姉妹と名乗っているが…。ネタバレ注意。
- 鳶一折紙 同級生であり、彼女である(実際の話、士道にその気は無い)。告白されてからは士道に対して異常なまでに彼女として接してくるが、士道にその気は無い(念のためもう一度)。
- 四糸乃 士道が2番目に出会った精霊。大切な友達であるよしのんと逸れた際、颯爽と現れ彼女と再会させてくれた士道に対して、尊敬とそれ以上の感情を抱いている。
- 時崎狂三 士道が3番目に出会った精霊して、彼が初めて遭遇した明らかな悪意を伴った精霊であり、士道が救えなかった人物の1人。
- 八舞耶倶矢、八舞夕弦 士道が出会った5番目の精霊にして仲良し姉妹(厳密には違うが…)。当初は諸事情で互いに文字通り骨肉の争いを繰り広げていたが、士道に救われる。隣のクラスに在籍しているため、同じクラスの十香とは違い、友達という感覚が強いらしい。
- 誘宵美九 竜胆寺女学院の学生にして人気アイドル歌手である精霊(百合っ子)。ある事件を切っ掛けに人間不信(特に男)に陥っていたが、ある事件を切っ掛けに士道だけは唯一信用できる異性(恋人)として心を許している。
- 七罪 士道が出会った7番目の精霊。色々あって、自身の容姿に凄まじいコンプレックスを抱いたが、初めて本当に自分を観てくれた士道に救われ、心を開き、彼のことを慕うようになる。
- 五河竜雄 五河遥子 自分を引き取ってくれた養父母。士道は彼らを本当の両親の様に慕っており、2人の方も士道を息子として信頼している。互いに軽口を言い合えるほど家族仲は良好。
- 園神凜祢 士道の幼馴染(自称)。その正体は強大な霊力の残滓が何らかの事情で意思を持ち実体化した存在。とある理由により、現時点では“いなかった”事になっていた。しかし…。
- 或守鞠亜 士道が電脳世界で出会った謎の少女。その正体はラタトスクが誇る空中戦艦・フラクシナスの管理AI。士道をサポートする管理者として『愛』とはなにかを知るために士道と生活している内に感情を理解していき、彼に好意を抱く。現在はいろいろあって士道の携帯電話の中で生活している。
- 或守鞠奈 鞠亜と同じく士道が電脳世界で出会った鞠亜と瓜二つの姿をした謎の少女。その正体はDEM社が<ラタトスク>壊滅の為に送り込んだ人口生命体(人口精霊)。当初は自身の出生や境遇の為、世界を破壊し尽そうと暗躍していたが、初めて自分という存在を認め触れてくれた士道に対し何だかの影響を受けたようだが…?
- 園神凜緒 再び開かれた<凶禍楽園>で出会った凜祢にそっくりな謎の少女。その正体は士道の願いと凜祢思いが起こした奇跡により誕生した2人の正真正銘の実子。
- 万由里 映画に登場する謎の少女。その正体は“システム:ケルブ”と呼ばれる世界のシステムの管理者。士道が強大な霊力を持つに相応しい人物かどうかを見極める為に彼を観察していたが…?。
- 本条二亜 DEM社に囚われていた狂三が始祖の精霊の情報を得る為に探し求めていた世界で2番目に確認された精霊その人にして売れっ子漫画家の少女。自身の能力の為に極度の人間不信や対人恐怖症に陥り、二次元に心を開かなかったが、色々あって士道には心を開くことに…。また、精霊という存在の重大な秘密を知っている。
- 星宮六喰 過去のトラウマの為に自身の能力で心を閉ざし、宇宙空間で眠りについていた為に<ラタトクス>はおろか、ASTやDEM社にすらその存在を知られていなかった未知の精霊。士道と邂逅後、最初は彼を拒絶するが、士道や他の精霊たちの強力の元、心の封印を解かれる。その際に流れてきた士道の記憶から士道が自身と同じ境遇の持ち主と知り、彼に好意を持つ。当初は持ち前の強い独占欲の為に士道に無自覚な酷い仕打ちをしてしまうが、士道や一巡した世界の折紙や反転した十香の協力の元、士道に霊力を封印され、彼らの家族の一員兼恋人の1人として過ごすことななった。
- エリオット・ボールドウィン・ウッドマン 琴里の恩人で、士道も過去に出会っている可能性が出てきた。
- 崇宮澪 12巻でその存在が明かされた謎の少女。如何やら士道の過去に関する重大なキーパーソンの様だが…?
- 村雨令音 〈ラタトスク〉の謎多きミステリアスな解析官。琴里の片腕にして良き親友でもあり、士道にとっては良きアドバイザーにしてクラスの副担任でもあるが、物語の所々で彼の過去と係わりがあるかの様な描写が垣間見られることもあるが…?
- アイザック・ウェストコット DEM社の事実上のトップで過去に因縁がある可能性が出てきた
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鳶一折紙との関連(ネタバレ)
実はとんでもない事態になってしまった折紙(重大なネタバレのため折紙のリンク先参照)を救うため彼女に立ち向かった際、ある意味自身と同じ目的を持ち、彼女が豹変してしまう原因を作ってしまった(おそらく)贖罪から、彼女を救う切っ掛けを作るためと士道に協力する目的で狂三が放った『刻々帝(ザフキエル)』の間遡行ができる能力・一二の弾(ユッド・ベート)の能力(どうやら遡る時間によって消費する時間や霊力が違うらしい)で過去へとやって来た未来の士道と出会い、何らかの出来事があり、彼を唯一の心の支えとし、異常なまでに彼の彼女として付きまとう事になったらしい。
詳しい経緯はネタバレになるので、実際に11巻を読んでみることをお勧めする。
ちなみにこの出会いの仕方、ワイルドアームズ セカンドイグニッションのマリアベル・アーミティッジとアシュレー・ウィンチェスターとの初めての出会いによく似ている(詳しくはゲームをプレイしてみよう)。
その真実(17巻ネタバレ注意!)
30年前、ユーラシア大空災の数ヵ月後に起きた空間震の爆心地にいた少女、即ち精霊を保護した少年がいた。
彼は両親が不在の間は女子中学生の妹である崇宮真那と共に暮らしていた。少年は30日に出会ったということと対外的には自分の親類とする意味で崇宮澪と名付けた。澪と彼らは平穏な生活を送り続けた。
だが、その平穏は長続きはせず真那をDEM社に連れ去られてしまい、彼はウェストコットに殺害されてしまう。彼の死に嘆いた澪の力をもってしても死という絶対的な事象は覆すことはできない。
そして、澪は生粋の人外の思考をもって彼を作り直すことを決めた。例え、過去に戻ってウェストコットによる殺害を無かったことにしても、人間である彼では抗することもできず殺されてしまう。ならば、何者にも害されぬ力を持ち、永遠の命を持つ永劫の恋人にすればいいのだと。そのための準備として作り直す彼の体に与える最初の力は『力を吸収するための、力』。残りの力は細分化して少しずつなじませていくことでそう仕立てていき、常に彼の側で見守ればいい。
そして、澪が彼を失ってしまってから気づいた大切さ……その少年の名前は崇宮真士。
とどのところ厳密に言うならば、崇宮真士という少年こそが作り直される前の士道の前世と言うべき存在だったのである。
偽りの心の傷、そこから生まれた歪み
配慮の無い言い方をすれば、純粋故に歪んだ思考を持った人外が己のエゴを反映させて造り出した愛玩人形、それが五河士道の原点である。前述のように彼を動かす信念や本質は生みの親に捨てられた心の傷から発展したのだが、その傷自体が作り手のでっち上げであったことが判明してしまったのだ。
もちろん原点が歪みのある偽物でも、それから生まれた信念を貫いて来た士道の姿は尊く、素晴らしい。しかし一方、それを強引に通し続けたが故に彼は看過できないレベルの心の歪みも生じさせてしまっている。
一言で言えばその歪みは、『敵』に対して冷たすぎるというものである。
ざっくり言えば、世界より迫害を受ける精霊の理解者になることが士道の使命だが、そもそもこの状態は“精霊を迫害する存在=『敵』”も必要とする。それ故、理解者が『敵』に働きかけることで理解者に変える(=『敵』を無くしていく)、『敵』と解かりあうことこそが迫害に対する根本的な解決法である。
ところが、士道は『敵』(自分へ対する者に精霊を迫害する存在も含む)と解かりあうことを最初から放棄している。実際に精霊を攻撃する者たちに付いてはほとんど興味が無い他、一番近しい学校の連中すら『自分がギャルゲの主人公みたく不健全でありえない人だから』など“とにかく自分が悪い”の結論でまとめ、一方的に切り捨ててしまっている。それなのに相手が自分の気に入らないことをすると露骨に嫌な顔をし、「お前は俺の『敵』だ」と暗に相手へ伝えるからたまらない。
それ故に、士道の信念からは『もしその時になったら自分が精霊に変わって世界から迫害されてもいい』と言う考えがいまだに見え隠れしている。だがそれは、迫害する側のイメージを酷く歪めて傷つけるのを考えていない、『敵』に対してあまりに冷たい仕打ちと言える。
そして質が悪いことに、こうした士道の冷たさは理解対象の精霊たちにもしばしば向いている。精霊たちが自分の都合で士道を振り回した時、士道は精霊たちへ学校の連中と同じ態度を取りうっかり『敵』として扱ってしまうのだ。
だが、ここで士道が自分に正直となり精霊たちを叱る、『敵』としてちゃんと扱ってあげられれば何でも無かった。問題はそこで相手の都合(霊力が暴走するうんぬん)を士道が考え出して自分の感情を蔑ろにし、自分が悪く歪めた相手のイメージを正す責任を放り出したことの方である。それ故、士道へ懲りずに逆セクハラして嫌がられても“叱られない”折紙は、その度にイメージを歪まされて傷ついたのに放置される、最大の被害者であったとも言えるのだ。
また因果なことに、士道の作り手の半身はこの冷たさを最初に向けられた一人でもある。特訓の罰としてラタトスクの組織力を使って士道の黒歴史をネットに暴露したのだが、その結果士道より強烈な敵意をぶつけられ、そのイメージを歪まされ傷つけられてしまう。しかし当時の士道は『黒歴史を持っていた自分が悪い』で終わらせてしまい、自分が多くの人を傷つけたことに気付かず流してしまった。
だが、このあまりにも恐ろしい心の歪みは、同じく偽りの心の傷より生まれた高潔な信念が実践されることで士道の心の底へと押し込められ、長らく隠されてきた。だが原点であった心の傷が偽物だったことを知った士道は、それを原点とした自らの心全体、すなわち心の歪みとも直に向き合う機会を得ることになった。そこでまた、心の歪みを押し込めて信念をより高めてしまうのか、それとも…。
いずれにしても、この問題は士道本人しか決着をつけられないのは確かである。