概要
作品によって扱いは異なるが、多くの場合は人間とエルフの両方の特性を併せ持ち、それ故双方から迫害されることが多い。特に警戒心が強く閉鎖的なエルフの社会では忌み嫌われる傾向が強いため、その心に深い影を落としている。作品によってはどちらかの特性に偏って産まれることもある。
また、両親ともに人間もしくはエルフでありながらハーフエルフが産まれてくる場合があり、これは取り替えっ子(チェンジリング)と呼ばれ、田舎などの狭い社会では歓迎されないことが多い。寿命については特に決まっていないが、エルフよりは短い場合が多い。
また、作品によってはハーフエルフよりもエルフの血が薄い混血児も存在する。(小説版テイルズオブファンタジアのリア・スカーレットは両親がハーフエルフのクォーターエルフ、テイルズオブシンフォニアのセレス・ワイルダーは母がハーフエルフのクォーターエルフという設定)
外見
大抵は人間と比べると華奢な体つきに描かれているが、耳の描写は作品によって違う。また、人間の血も混じっているため、髭などが生える場合もある。(ドラゴンランスのタニス)武器は杖、細身の剣、ダガー、弓矢が多い。鎧はローブか革製もしくは銀製の鎧が一般的。
【耳の描写】
- エルフと同様に長く描かれている(アリシアンなど)
- 人間の耳が少し尖っただけ (マウナ・ガジュマ、マロウなど)
- 人間より長いが純血のエルフより短い(ロードス島戦記のリーフなど)
- 尖るか短くなるかわからない (ジーニアス・セイジ、リフィル・セイジ、ミトス等のテイルズオブ系ハーフエルフなど)
TRPGの扱い
人間と比べると非力だがエルフよりは体が頑丈、又はエルフ同様の魔力を持っているなどの取り柄を生かしている場合が多く、盗賊や魔法使いになるのが良いとされているが、戦士も頑張ればなれる(ただし人間より筋力が低いので難しい)。たいていの場合には魔法使いや精霊使いになることが多い。
ダンジョンズ&ドラゴンズでは、3版では混血による存在で、人間とエルフが共に多い社会でもないと珍しい存在だった。4版では「単なる混血児ではなく独特な特徴を持つ固有の種族」となった。とはいえ混血でも生まれるし、人間かエルフ寄りの文化を持っている。
大抵の世界設定では少数派だが、エベロンではドラゴンマーク氏族(魔法の刻印を生来備える一族による職能団体のようなもの)を2つ持ち、そこを大きなよりどころにしている。差別を受ける対象ではなく、現実の人種差別を反映するのは、人間国家内のゴブリン類である。
ソード・ワールド(1.0)では能力が平均して高く、一方で制限が少なく、グラスランナーとともに公式チート扱いを受けてきた。ソード・ワールド2.0で混血児の扱いが『いずれかの親の種族となる』と一新されたのはこのためとされる。「忌み子」的要素は、新種族のナイトメアへ引き継がれた(なお、能力値は更にチートじみているが、弱点も多いし、2.0の人間は特殊能力が強力なので、それなりに釣り合いが取れている)。
また、1.0では文化的な事情(神々に創造された種族ではなく、世界樹から直接生まれた)により、エルフ社会育ちではプリーストになれなかった。
性格付け
前述の通りその過去には迫害を受けた等の理由で複雑な事情があるため、仲間となじめなかったり何らかの問題を引き起こした事例もある(ロードス島伝説RPGリプレイのティエルは賢者の学院で攻撃魔法を使うべからずと言う決まりを破ったため、放校になった)。
だが、ソード・ワールドではお気楽だったり辛い目に遭いながらも前向きに生きていこうとする健気な性格の持ち主もいる。
また、ハーフエルフに対する扱いは、人間同士でも文化の違いがある上に異種族にも比較的寛容な人間社会よりも、比較的閉鎖的なエルフ社会の方が酷い場合が多く、ハーフエルフは森で生き続けるよりは冒険者として生きていくことが多い。
最近は迫害を受けていないハーフエルフも散見される。これは、
- 基本的に日本人が「人種差別ってなぁ~に?」という国民性のため(差別をしないのか、差別について無知なのかはともかく)。
- あまり重いテーマをゲーム内に投げ込んでも、ゲームの面白さを損ねかねないため(もちろん、適切に使えばゲームの味わいを増す)。
という理由が考えられる。
ただし迫害がなくとも多くのハーフエルフは必然的にひとつの不幸を受ける。それは両親の寿命が極端に違うということである。
その他
人種差別的迫害ではなく、ストーカー被害を受けていた例もある。
テイルズオブ系ハーフエルフ
テイルズオブシンフォニアでのハーフエルフ
基本的に混血第一世代のみを指している(広義ではクォーターエルフも「ハーフエルフ第二世代」として含まれる)。マナを操る能力は健在だがエルフと比べると好奇心が強いため魔科学に関わる人物が多く、エルフからは村に入ることすら禁止されている上、ケイトのように一生外には出して貰えずに些細な罪でも死刑宣告されるなど酷い目に遭う事が多い。それがきっかけでミトスは差別のない世界を作ろうとしていたが……
こちらのハーフエルフは、純血のエルフと同じ1000年の寿命を持つ。
テイルズオブファンタジアでのハーフエルフ
概ね身体・精神的特徴は上記と同じ。
相変わらずエルフからは迫害される事が多く、ハーフエルフは無許可でユミルの森に入っただけで即死刑に処される。
人間社会でも差別はあるものの、エルフ社会程ではなく、各地の街に彼らの姿を見受けられ、その高い能力から国家の要職に就く者もいる。 実際、過去のベネツィア市長やベルアダムの村の住人の大部分はハーフエルフであり、ユークリッドやミッドガルズではハーフエルフが多く登用されている。
代表的なハーフエルフ
- アーチェ・クライン(テイルズオブファンタジア)
- アリシアン(スチャラカ冒険隊)
- エミリア(Re:ゼロから始まる異世界生活)
- サイア(漂流伝説クリスタニア)
- リーフ(ロードス島戦記)
- ティエル(ロードス島伝説)
- ジーニアス・セイジ(テイルズオブシンフォニア)
- リフィル・セイジ(テイルズオブシンフォニア)
- ミトス(ミトス・ユグドラシル)(テイルズオブシンフォニア)
- マーテル(テイルズオブシンフォニア)
- ユアン(テイルズオブシンフォニア)
- アリス(ラタトスクの騎士)
- タニス(タンサラス)(ドラゴンランス戦記)
- ティファニア(ゼロの使い魔)
- ビビアン(プリンセスアリーナ)(プリンセスアリーナ)
- マウナ・ガジュマ(ソード・ワールド へっぽこーず)
- マロウ(ソード・ワールド ぺらぺらーず)
- 森の番人ノワ(クイーンズブレイド)
- ミュセル・フォアラン(アウトブレイク・カンパニー)
- アーシェス・ネイ(BASTARD!!-暗黒の破壊神-)
- エイナ・チュール(ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)
- エルロンド(ホビットの冒険・指輪物語)
- ユーマ・イルバーン(シャイニング・レゾナンス)
- 短慮の吉田(竜と勇者と配達人)
関連イラスト
エルフはエルフでもこれは間違い