概要
ギリシャ神話で、工芸や戦闘の知識や戦いなどをつかさどる軍神、女神。ゼウスの頭から武装した姿で生まれたとされる。
「パラス」(Pallas)または「ポリウーコス」(Poliucos、「都市の守護者」を意味する)」の称号でも呼ばれる処女神で、英雄の守護神。
オリーブがシンボルで、梟(ふくろう)を聖鳥とする。ローマ神話ではミネルヴァ。
ギリシャの首都アテネの守り神であり、彼女を祀った神殿であるパルテノン神殿はあまりにも有名。
父ゼウスと同様に、ヤギの皮で出来た「アイギス(イージス)」と呼ぶ楯を所有している。この楯にはメデューサの首級が貼り付けられており、敵対する者の命をその邪視で奪った。また一説にはこの楯は彼女の羽織るマントに姿を変えられるともされているが、詳しくは不明。
知的で信奉者に対し友好的だが、一方で自由奔放で非常に気が強く自意識過剰な一面がある。自分を侮辱した人物、例えばメデューサやアラクネに対しては、苛烈とも言える重い罰を与えている。
そのため、トロイア戦争で彼女は兄弟と姪を間接的にとはいえ殺害している。
一方で、同じくゼウスの嫡男であり、且つ戦の神のアレスが戦争のための戦争を司る残忍な神であるのに対し、アテナは幾分か温厚な知将で、正義のための戦争を好み、城塞と人民を護る為に戦う戦乙女として登場する。
古代ギリシアでは、戦の際には彼女に祈りを捧げたと言われる。
創作作品としては主に女性の名前として用いられる。
アテナの出自
頭から生まれた完全武装の戦女神として有名。
彼女が頭から生まれたのは、ゼウスによって彼女がまだ胎児の頃に母親ごと丸呑みにされたため。彼女の母親である知恵の女神メティスは、ゼウスと敵対関係にあったガイアにより、『ゼウスを超える神を生む子宮』を持つ女性であると予言された。
その事が露見するとゼウスはメティスごとアテナを丸呑みにし、自身の中で育てる事とした。そして自分の体から生み出す事で自分から生まれた存在に仕立て上げて、本来なら下克上される運命をどうにか回避したと言う。
だが、己のプライドのために兄弟すらためらいもなく殺したアテナを咎められなかったということは予言は半分は成立していたのかもしれない。
一方、ゼウスに飲み込まれたメティスは、霊魂のまま生き続け、ゼウスの体内で善悪の予言を行ったと言われる。
親友との絆
彼女の名の前に冠されることの多い『パラス』という言葉だが、これは彼女の死んだ盟友のもの。トリトンの娘であるパラスは幼い頃からアテナと武技を競い合い、互いの実力を認め合う良き友人で会った。
しかしある時、彼女とアテナが楯と槍を用いて闘っていた際、偶然その場を目撃したゼウスが、自分の娘が殺されかけていると勘違いしてしまう。
焦ったゼウスはアテナの愛用するアイギスを取り出し、その恐怖の面を天空よりパラスに見せてしまった。
もちろんアイギスに括りつけられたメドゥーサの眼を見たパラスは石と化してしまい、還らぬ人となってしまう。
アテナは親友の死を嘆き、世界でたった一人の盟友を忘れないようその名を彼女の異名の一つとしたのだった。
関連イラスト
関連タグ
誘導分岐
アテナと同一の存在として描かれているキャラクター
- 『聖闘士星矢』に登場する聖闘士を束ねる存在。→城戸沙織
- 『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』に登場する聖闘士を束ねる存在。→サーシャ(ロストキャンバス)
漫画
アニメ
小説・ライトノベル
- 『カンピオーネ!』の登場人物。→アテナ(カンピオーネ!)
ゲーム
- 『アテナ』(ATHENA)の主人公。→アテナ姫
- 『サイコソルジャー』及び『THE KING OF FIGHTERS』に登場するサイキック女子高生。→麻宮アテナ
- 『パズル&ドラゴンズ』に登場するキャラクター。→アテナ(パズドラ)
- 『ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣』の登場人物。→アテナ(ファイアーエムブレム)
- 『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』に登場するロケット団幹部の一人。→アテナ(ポケモン)
- 『遊戯王OCG』に登場する光属性・天使族の効果モンスター。
その他
- シューティングゲーム作成ソフト、デザエモンシリーズを制作、販売したゲームメーカー。→株式会社アテナ
- 『武装神姫 Moon Angel』に登場する人型兵器。
- 宛名のカタカナ表記。