きかんしゃトーマス
きかんしゃとーます
概要
きかんしゃトーマスとは、イギリス牧師であるウィルバート・オードリーによる絵本「汽車のえほん」シリーズを原作とするテレビシリーズ作品。2008年まで鉄道模型を使った人形劇、2009年以降はCGアニメーション。
マン島とブリテン島の間に浮かぶ架空の島ソドー島 を舞台に、トーマスたち顔の付いた喋る個性豊かな機関車たちが活躍し、トラブルを招いたりなど、機関車たちを中心に話が展開していく。
全ての始まりは、イギリスのオードリー牧師が、はしかにかかった息子クリストファーが外で遊べないことを気の毒に思い、彼を元気付けるために物語を語ったこと。
牧師は子供のころに鉄道のそばにある家に住んでおり、鉄道ファンの一人であった。息子クリストファーも鉄道好きだったため、「感情がこもった蒸気機関車たち」の話を創ったのであった。
そして、その物語を本として出版することになり、1945年に「汽車のえほん 三だいの機関車」が出版され、シリーズ化されていった。
映像化
1980年頃には、TV番組制作会社の女社長ブリット・オールクロフトがオードリー牧師と出会い、牧師が鉄道模型愛好家ということで、牧師の意見を受け入れ、鉄道模型を使った人形劇として製作された。1984年に放送開始後、高い人気を集め、現在では世界中から愛される作品となった。
2015年に誕生70周年を迎えている。
尚、日本では、1990年から2007年まで、フジテレビの『ひらけ!ポンキッキ』の中の一コーナーとして放送された。
イギリスの場合はナレーターの1人語りだが、日本吹き替え版ではキャラクターごとに声優が配されている。最初のナレーターは森本レオである。
幼少時代、ポンキッキでトーマスを見ていた方々なら、このOPを聞くだけで分かる方も多いはず。
そのようにして世界的な大ヒットとなり、2000年には、初の長編映画作品として『きかんしゃトーマス魔法の線路』が公開された。
だが、ハリウッドを意識するあまり、無理にミニチュア人形劇と実写を組み合わせたためにその継ぎ目が不自然になってしまった事や、キャラクターごとに声優が配されるというイギリスやアメリカではそれまででは考えられなかった事をやってキャラクターの声に違和感(特にジェームスの声を演じたのは、当時まだ若手の女性声優であった)が生まれてしまった事、そして子供にとってはやや難解なストーリーになってしまった事で不評となってしまった。これにより、当時は「映画館でトーマスが見られればそれでいい」と考える子供が多かったりした日本以外の国では、ほぼ興行的失敗に終わった。
このこともあり、ブリット・オールクロフトが制作から離れ、権利が別会社に買収されるなど、制作体制が変更された。そのため、この作品はトーマスの歴史を語る上で決して避けて通ってはならない話だと言っても過言ではない。
また、長寿作品の宿命か、シリーズが進むにつれて一部機関車の性格が変わってきている。
登場する機関車や、担当する声優の違いから、概ね1〜3,4〜5,6〜7,8,9〜11,12,13〜くらいに分けることができる。
フジテレビ時代に放送されていた声優の多くがウルトラマンシリーズ、『ゲゲゲの鬼太郎』、ドラゴンボールシリーズ、『それいけ!アンパンマン』、『ちびまる子ちゃん』、『キテレツ大百科』、『ウルトラマンキッズ』、『ONEPIECE』でも共演している。
近年の動き
2008年、日本での放送局がテレビ東京に変更され、同時に、ナレーターを含む全ての吹き替え担当が変更された事で、日本全国の多くのファンが違和感を感じた。
さらに、2010年に制作された第13シリーズより、実写版の人形劇からフルCGアニメーションに変更され、今度は世界中のファンが衝撃を受ける事となった。イギリス版でも各キャラクターごとに声優が当てられたほか、人形劇時代にはできなかった表現も多く可能となった反面、敏感に動きすぎる事やトップハム・ハット卿の顔が大きく変わったことなどから、ファンの間では賛否両論となった。
一方、2013年の第17シリーズより再び制作陣が一新され、CGレンダリングの見直しや、原作「汽車のえほん」を意識したストーリー展開、いったん外されていた鉄道考証の導入などが加わったため、以降の作品では細部のクオリティーが大きく向上した。また女性キャラや、世界各国の機関車をモデルにした新キャラなども多数加わっている。
各話リスト
長編作品
現実をモデルにしたきかんしゃトーマス
その内容から子供向け、と思う人が多いが、原作の汽車のえほんは大人にも配慮されている。本線を含めてモデルの鉄道がちゃんとあり、保存鉄道からすれば、これ以上ない広告塔になっている。また、ギースル・エジェクタ、ウェールズ炭など、細かいところまで丁寧に描かれており、これらは逆に子供が理解できなくても構わないという前提で描かれていると言える。この作品から目覚めて鉄オタになったという人もいるのではないだろうか。