概要
この機械は大量生産に適応された機械、例を挙げれば飛行機、車、兵器等のこと。
"機械である"・"実際に量産に適している必要がある"という点以外は、ほぼ「量産型」と同義である。しいて言えば「量産型」は機械以外、例えばクローン等の生物などにも適用される。
また量産といわれても、実際に量産される必要はなく、需要の喪失等によりある程度生産した時点で製造は打ち切りされても先行量産型や試験型と比べ差異が見られればこう呼ばれる。
量産機の製造
大抵の製品では試作、実験のための機械、試作機や実験機などのプロトタイプを作成及び試験により機体上の、さらには先行量産することにより製造上の、発生した問題や欠点などを洗い出し、それらに対し等に対し修正や改良を加え、支障がなくなったところで大量生産を行う。この行為は販売後の生産効率の低下や不具合や仕様などを減少させるためであり、自動車会社の例であるが、試験走行させた車体を分解して、問題点を洗い出すところも存在するといわれている。
フィクションにおける量産機
“やられメカ”の悲哀
言い換えれば市販に耐えうる「完成品」であり、機体の完成度は基本的に量産機の方が高いはずなのだが、フィクション、特にロボットアニメの世界では「試作機>量産機」の風潮があり、基本的にやられ役扱いとなっている。
これは文字設定とは別に、大抵の作品では古典作劇的に「試作機=看板役者」「量産機=切られ役・三下」の役割を振られていることが大きい。特撮における戦闘員ともまったく同様である。
もっとも理屈付けでは、
- 試作機は採算度外視で製造されているため、量産の際費用が必要以上にかかる装備・装甲などの諸性能を一部オミットした、あるいは廉価版を使用したりしている。
- これらに登場する試作機は通常試験されない実戦の中で改造を重ねて強化されており、カスタムと同じ作用があるとなるため、性能面で「試作機>量産機」となり、さらに、試作機のパイロットは主人公やエースなどの有力な人たちが搭乗するが、大体量産機にはモブが搭乗するため、余計に弱く感じるという面もある。
「機動戦士zガンダム」のリックディアスなどごく一部を除いて冷や飯を食わされることが多い量産機だが、やられ役として醸し出す哀愁感と親しみやすさから、量産機というジャンルを愛してやまない人も多い。
ただし、ライバルなどが搭乗する「専用機( カスタム )」と呼ばれる機体は、基本的に「量産機の専用改造機体」である場合が多い。
コンセプトモデルと量産機の関係
ただ、例えばガンダムは厳密には試作機(prototype)ではなく、コンセプトモデルの面が強く、量産機のジムではオミットされている機能がかなりある。これは実際の量産機とコンセプトモデルの関係でもよくある話である。特にこことここが常習犯。
プロトタイプと量産機の関係で正しく書かれているのは漫画版『機動警察パトレイバー』のAV-98イングラムとAVS-98だろう。生粋のイングラム乗りである泉野明や太田功が苦戦させられたグリフォンと、パイロットとして優秀とは言え旧式機から乗り換えたばかりの石和が乗るAVS-98とで対等の格闘戦を演じている。
だがしかし、量産機と言えばヤツを忘れてはいけない
マツシバロボット工場製子守用ネコ型ロボットMS-903、それが彼である。
「ガンダム? エヴァ? たいしたことないね」
更に、ここ最近まだ少数ながらも、ラスボスが量産されている作品が散見されるようになった。
直近の作品では仮面ライダーゼロワンの仮面ライダーアークワン/アークスコーピオンが該当するだろう。
厳密にはアークの概念を内包したツールが量産されているのだが、劇中でそれが大量に並んでいるシーンは、子供の視聴者にとっては悪夢でしかない。
他にはクロスボーンガンダムのディビニダドが挙げられる。
こちらは数こそ8機と少ないが、主武装に人類の禁忌を大量に搭載している。
しかも驚くべき事に、パイロットであるクラックス・ドゥガチもオリジナル・ドゥガチの思考をコピーした、バイオ脳によって量産されているのだ(この内、バイオ脳によるコピーモデルは、後の後継者の片割れ・影のカリストも行っている)。