「立ち向かわんと後悔するくらいなら、立ち向かって後悔するわい!」
演:長田成哉
概要
『騎士竜戦隊リュウソウジャー』に登場するキャラクター。7人目の騎士。
コウらと同じリュウソウ族であり、口調はリュウソウ族の里にいた頃から何故か関西弁。
世界中を旅していたが、ドルイドン族が地球を侵略しにきていると聞き、コウたちに合流した。
マスターレッドの元弟子でコウは弟弟子に当たる。しかし、リュウソウレッドの後継者に選ばれなかったことで村を抜け出した。
バンバによると、かつて共に修行をしていた時があったが、リュウソウジャーに選ばれず村を出ていってしまったらしい。
また、バンバの回想によればバンバはナダがリュウソウグリーンに選ばれると思っていたのでリュウソウグリーン候補でもあったと思われる(選定を行なっていたのはマスターブラックだが彼に師事してたのかまでは不明。1話の長老の発言や一部資料ではリュウソウジャー5人は同じ村出身なのでリュウソウグリーンの選定は他の候補者から選ばれていた可能性もあるため)。
リュウソウジャーの前で見せたマイナソーへの攻撃はあしらわれてしまったが、特訓時にコウを圧倒し、本人の意思が介入してるかは不明だが操られた時はバンバと互角に戦って見せるなどその実力は変身を除けばリュウソウジャーに近いものがある。
実際バンバはマスターブラックがリュウソウグリーンにトワ(リュウソウジャー)が選ばれた時ナダではないことに疑問を示していた。
この時のマスターブラックは自分やバンバにない「光」がトワにはあると言っているため間接的にナダもその点が足りなかったことになる。
ナダ本人もマスターレッドの発言を思い出しコウが選ばれたのは「優しさ」だと判断している。
そのため精神面が選ばれなかった理由だと考えられる。
村を出たのは本人曰く「ヤケになった」から。その時に神殿の地図を持ち出しており、その地図から、コウたちは新たな騎士竜を探すことになる。
初登場時に泣いていた女性を笑わせて慰めたのを始め、他者に優しく明るい性格の持ち主。
龍井家の人々とも早くに打ち解けてみせた。
騎士の先輩として弟弟子のコウにアドバイスを送ったこともある。
しかし、リュウソウジャーへの憧れは未だにあるようで彼らを支援する一方、万が一失敗や脱退した際の後釜を狙っているような不穏な一面もみせている。
コウがベルゼブブマイナソーを倒すための特訓に挫折しかけている様子を見て「俺がちゃんとレッドを受け継いだる」と影ながらつぶやいたり、カナロの結婚への条件が「危ないことはしないこと」だと聞くと今度は彼に「リュウソウジャーをやめたらええ」と促している。
また、前述の明るさは演者の長田によれば自己評価の低さ、劣等感、弱さを隠すためのものらしい。
総じて自分がなりたかったものになっている他者への羨望や嫉妬を抱えているものの足を引っ張って妨害する卑劣さはなく、かといって諦めきれていないためあわよくばと思っているような行動が見られる複雑な性格の人物となっている。
その正体
第29話「カナロの結婚」にて、彼こそが現在のガイソーグであることが判明し第30話では説得に来たトワに対し、村の皆を見返すために最強の鎧(ガイソーグ)を宇宙で探し当てたこと、鎧を纏うとそれ以前の装着者の記憶が垣間見られること、永く鎧を纏うと心の弱さにつけ込まれ鎧に支配されてしまうことを語った。
そして自分が知り得た、マスターグリーンに関する新事実を伝える。
トワの説得でコウだけは自分を未だ信じていると知ったナダは、苦戦するリュウソウジャーにガイソーグ状態で結果的に助太刀する。しかし戦いの後、コウが真にリュウソウレッドに相応しいと認めてしまったことで生じた強い嫉妬でガイソーグに暴走させられ、コウに後ろから斬りかかり…
「俺はお前のそういうところが、ホンマに嫌いや……」
と、憎々しげに吐露するのだった。
第31話ではほぼ完全にガイソーグの意志に乗っ取られ、強者との戦いだけを求めて彷徨する修羅と化してしまう。だがリュウソウジャーとの戦いの最中、ほんの一瞬だけ斬り合っているトワに「トワ……すまん」と謝罪した。このことから、リュウソウジャーはまだナダは完全にガイソーグに取り込まれてはおらず、鎧の怨念と戦い続けていると考え、諦めず必ず救い出すことを誓うのだった。
第32話ではガイソーグの意思に必死で抵抗していたものの、もう限界と悟り自害しようとするとそのままガイソーグの意思に取り込まれてしまう。その後ジャックオーランタンマイナソーとの戦闘中に乱入しリュウソウジャーを圧倒する。皆がもう手遅れと判断する中トワの作戦でドッシンソウルを使って強竜装したリュウソウグリーンの攻撃でナダが弱ったことで鎧が分離した為コウは自身の肉体を差し出し、漏れ出した怨念をジャックオーランタンマイナソーに吸収させ、それを撃破することでナダを救おうとする。
しかし、鎧はすぐにコウに乗り移ろうとしたため他の5人は必死で阻止しようとする。が、鎧も電撃で逆襲してきたが、バンバが必死で鎧を止め、そしてナダに対し「ナダ!これでいいのか!? このままでいいのか!? お前はいつも逃げてきた!俺たちの村からも、リュウソウ族の使命からも! また逃げるのか!! 一度でいい、自分と真正面から向き合ってみろ! 戦え、ナダ!!」と必死に呼びかける。
すると、ナダの記憶を読み取ったコウはナダの誰よりもリュウソウジャーになりたかったという思いを理解し「ナダもリュウソウジャーだ」と諭しそれと同時に空を覆っていた怨念が消え、ナダはようやく鎧の呪縛から解放されたのであった。
「先輩に説教かますとはええ度胸や… 俺は、お前らのそういうところが、ホンマに嫌いや…」
その後、ジャックオーランタンマイナソーを倒し帰還した6人の元に再びガイソーグが現れた…が、マスクオフ状態になるや否やおもむろに椅子に座り、剣を孫の手代わりに背中を搔き始めた。どうやら鎧が怨念から解放されたことで自由にガイソーグに変身できるようになった模様。
「ホンマ、自分らのおかげや。おおきに!」と皆に感謝の言葉を述べるが、それと同時に「そういえば、ものすごいどついてくれたな?トワちゃん?」と作戦とはいえドッシンソウルで何度も殴ったトワをお返しと言わんばかりにおちょくり始めるのだった。仲間である騎士たちととも。
不屈の騎士へ
第33話ではガイソーグの呪いから解放されたナダは、リュウソウジャーや龍井家の面々と卓球を楽しみながらコウに感謝の気持ちとドルイドン族の情報を伝える。
そんな時、新たなドルイドン族であるウデンが現れる。別の空間に敵を捕らえ、その空間の中で敵の技と力を吸い取り、自身を強化する能力を持つウデンによって、トワとカナロが捕まってしまう。二人を救出するべく残りのメンバーはコウ、メルト、アスナと、バンバとナダの二手に分かれて捜索を開始する。
「リュソウ!…リュソウガイソー…!」
\ガイソーチェンジ!/
「そっちかいな」
そんな中、バンバとともに不屈の騎士・ガイソーグとしてウデンと戦うことになったナダは、お互いに軽口を叩きあいながらも、ウデンと激闘を繰り広げる。その頃には既に、コウ、アスナ、メルトもウデンによって隔離されてしまっていた。更にはバンバまでもがウデンの別空間に取り込まれてしまい、リュウソウジャーは全滅の危機に陥る。それでも、不屈の騎士として何度も何度も立ち上がったナダは、強敵であるウデンに向かって叫ぶ。
「俺は、不屈の騎士や!!」
そして彼は自分の命と引き換えにコウを解放し更なる仲間の救出をコウに託して死亡する。
彼の身体とガイソーグはマックスリュウソウチェンジャーとマックスリュウソウルに変化し、ナダから不屈のソウルを受け継いだコウはマックスリュウソウレッドへと変身した。
実はナダはリュウソウジャーの足を引っ張らないように自分を鍛える旅に出ることを決意し別れの言葉を残していた。
死後にこのメッセージを見たリュウソウジャーは改めて「ソウルをひとつに」戦うことを誓う。
その後の34話や43話では名前のみ登場。
47話ではエラスが見せた幸せな夢の世界のうちコウの夢に出現。卓球を楽しんでいた。
このこともあって、カナロの荒廃した世界に戻されるより幸せな夢の中の方がいいのではないかという意見にコウは反論できなかった。
最終話で全ての戦いが終わった後、コウはリュウソウ族を鍛える「試練の断崖」に再び訪れる。
そこには役目を終えたマックスリュウソウチェンジャーが置かれ、コウの前に何者かの幻影が現れるのだった…。
余談
演じた長田氏は『動物戦隊ジュウオウジャー』14話以来の特撮出演となる。他にも東映特撮経験者が数多くレギュラー出演することで有名な『科捜研の女』に相馬涼役で出演していたことがあり、殆どのメンバーの「特撮→科捜研」とは逆の、「科捜研→特撮」というパターンでレギュラー入りしたことになる(一応他には宇佐見裕也役の風間トオルが該当する)。
なお、彼の前後のレギュラーメンバー(科捜研物理研究員)はいずれも仮面ライダーである。
関西弁故に勘違いされがちだが、彼の一人称は「ワイ」ではなく「オレ」。
彼の「俺がちゃんとレッドを受け継いだる」と言うセリフは非常に汎用性に富んでいる為か、「お前は~失格や」/「安心性せえ。俺がちゃんと~したる」と言う改変コピペが出回っている。何でも押し付ける万丈構文同様使い方は幅が広く彼が組み合わされたものも少なくない。
しかし、その後出てきて作中でも印象的な使われ方をした「そういうところがホンマに嫌いや」の方が使える幅もあってか使用が増えつつある。
関連イラスト
関連タグ
黒騎士ヒュウガ、小津勇 / ウルザードファイヤー:初期メンバーと全く同じシステムで変身しないが、別のシステムで追加戦士となるケースの先輩。
上杉実:スーパー戦隊における関西弁の先輩。だが彼とは違いコミカルさはほとんどない(おどけて見せる場面もあるが、かえってシリアスさを引き立てている)。
草加雅人:自分の都合で仲間の排除を考えているような腹黒い様子から、彼を思い出した人もいるかもしれない(『科捜研』での前任者も彼であるだけに…)。
平子真子、服部平次:関西弁繋がりで一人称が俺。両者とも剣を扱う。
バーナード・ワイズマン:死別後に映像記録が発見され、残った知己に自らの思いを伝えた戦士繋がり。
歴代番外戦士
バド←ナダ