「これがお前の技か。効くな……もらう」
「お前の技を見せろ」
データ
属性/ビショップ級幹部
分類/ドルイドン族
身長/189cm
体重/278kg
分布/閉ざされた迷宮
経験値/248
概要
第33話に登場した、ドルイドン族のビショップ級幹部ドルイドン。
虚無僧が被る笠の様な物を被り、黒ずくめの忍者を思わせる装飾の少ない姿をしている。
極端なまでに寡黙な性格で、相手の技を求める台詞や技の名前を口にする以外、殆ど喋らない。
日本刀に似た形状の剣を駆使した剣術を得意としており、相手が多勢でも難なくやり合える程の腕前を持つ実力者。
更に、左胸のバックルを入口として捕捉した相手を体内に引きずり込んで閉じ込め、その取り込んだ相手の技をトレースして自分の技のように扱える。
その体内は迷宮のような特殊空間になっており、自分の分身体と戦わせて相手の能力を学習すると同時に、相手のエネルギーさえも自分の力としてじわじわと奪っていく。
だが、ここまで高い実力を持っているにもかかわらず、この時点ではまだ本気を出していないのが彼の恐ろしい所。しかも戦法は『遭遇した敵を次々と自身の体内に幽閉し頭数を減らす』『取り込んだ者達から得た技で増強した戦闘力で、取りこぼした敵を確実に仕留める』と、ガチレウス顔負けの合理性に富んだ代物で、本気は出さずとも最初から『リュウソウジャーの全滅』を目論んでいた心意を覗わせる。
同じビショップ級のワイズルーも「気に入らないが腕は立つ」として、好き嫌いを抜きにすれば彼の実力を認めてはいる。
一見すると緑色の単眼が目立つ異形な顔付きに見えるが、実は自分の素顔を隠す為の仮面を付けており、その素顔は『隈取をした鬼』とも見える、極めて悍しい造形をしている。
本気を出す時は自ら面頬を外して素顔を曝け出し、寡黙さから一転して激情も露わに、雄叫びを上げながら戦う。
初登場となった第33話で早々に退場する呆気ない幕切れとなったが、彼の出現にワイズルーとガチレウスは、更なる新幹部のプリシャスが地球へ向かっている事態を予感していた為、ウデンはプリシャスと繋がりがあると思われるが、部下なのかは不明(但し、後に登場したサデンの実情を知ると……かもしれない)。
活躍
前回のジャックオーランタンマイナソーの件で、クレオンがドルン兵4体から糾弾を受け、更にガチレウスからも「なぜ寝ている? 寝る時間があるなら働け!!」と叱責される現場にて唐突に姿を現す。
思わぬ相手の出現に面食らったガチレウスから「何故お前が此処に居る!?」と問われるも返答せずに黙ったままだった。
その後、卓球に興じるリュウソウジャーの許へと赴いたウデンは、倒れた龍井尚久を救護室へ運ぶべく外に出ていたトワとカナロの2人を襲撃し、自身のバックルの中へと吸収。
更に2人の帰りが遅いのが気になり探しに出たコウ、メルト、アスナをゴールドの技『ファイナルサンダーショット』で急襲すると、そのまま3人も自身の内へと取り込み、体内の空間で自身の分身体と戦わせて彼らの技を奪っていく。
更に遅れて駆け付けたバンバとナダの2人を座禅しながら待ち受けると、メラメラソウルによる炎の斬撃で先制攻撃を仕掛け、リュウソウチェンジするブラックに続き「不屈の騎士」として生まれ変わったナダ / ガイソーグと近くの倉庫で戦闘開始。実力のある2人を相手にしても互角にやり合い、立ち向かってきたブラックをドッシンソウルの力でダメージを与えた隙をついて、同じようにバックルで吸収してしまった。
一方、取り込まれたバンバはウデンの分身体との交戦から、その能力を即座に見抜くも対抗策が見つからず、先に異空間に送り込まれた仲間達に「こいつとは戦うな、どこでもいいから逃げろ」と注意喚起して、これ以上の戦況悪化を防ぐのが精一杯だった。
1人残ったナダにもヒエヒエソウルの力や剣術で追い詰めていくが、ナダは囚われた仲間を助けるべく、捨て身でウデンの懐に飛び込んでゆく。ナダの胸に深々と剣を突き立て勝ったと思いきや、彼が繰り出した渾身の頭突きでバックルが破壊され、メルトに促されてコウが脱出を果たした。
だがナダの方も、先ほどウデンが加えた胸部への一撃が致命傷となり、コウに自分のソウルを託し息絶えた。
その時、2人の想いに呼応するかの様に、ナダから託されたリュウソウルとガイソーグの鎧、そしてナダの亡骸はコウの腕の中で光と共に新たな姿へと変化し、新たな装備・マックスリュウソウチェンジャーに変化。
その様子を傍で見ていたウデンは容赦無くその凶刃を振り下ろすが、憤怒の形相でコウが睨み付けた途端に巻き起こる爆炎の中、リュウソウレッドへリュウソウチェンジ。
レッド「一緒に戦おう、ナダ。ソウルを……1つに!」
そして、コウは続け様にマックスリュウソウレッドにマックスチェンジ。荒々しくも威風堂々たる雄姿を見せ付ける。
「本気出す……ぬおぉぉぉぉっ!!」
強化変身を遂げたレッドが「生半可な相手ではない」と感じたウデンは、本気を出すべく面頬を外し、醜悪な素顔を晒しながら斬り掛かるが、怒りを爆発させたレッドには斬撃が通用しない。逆にレッドの怒涛のラッシュに圧倒された上に渾身の蹴りで吹っ飛ばされた挙げ句、レッド見失ってしまう。
「どこだ? どこにいる! 出て来ぉぉぉい!」と叫んだ次の瞬間、ぶら下がっていた天井から飛び降りたレッドにまたも痛撃を食らう。そしてリュウソウルを2つ同時に発動するレッドの新能力で、オモソウルとヒエヒエソウルの同時攻撃を受けて氷漬けにされてしまった。
レッド「お前に……俺たちのソウルは砕けない!」
最期はレッドの強い言葉と共に放たれた『エバーラスティングクロー』を喰らい敗北・爆散した。
ウデンの死と同時に5人も彼の異空間から解放される。5人がコウの元に駆け寄ると、そこに立っていたのは、1人哀しげに佇む勇猛の騎士の姿だった。泣き顔と共に振り返るコウの様子から、仲間達はナダの死を悟る。
沈む夕陽の中、悲しみに打ちひしがれる6人の元にういが現れ、ナダが生前に残していた動画を見つけて、リュウソウジャーの前で再生する。
動画を通して自分達への感謝を告げるナダの姿に、全員は「リュウソウジャーとして必ずやドルイドンを倒す」と誓うのだった。
余談
名前の由来は恐らく『腕が立つ』+『ウォーダン(オーディンの異称)』の混成と思われる(モノアイデザインのマスクからも、隻眼であるオーディンの意匠が見られる)が、忍者や日本刀などの和のイメージから、『ウォーダン』+『塚原卜伝』も有り得るかも知れない。
……と思われたが、サデンの登場で単純に「右腕の読みを変えて捩ったもの(右=ウ・腕=ウデ→デン)ではないか?」と推測出来るようにもなった。
キャラクターデザインを担当する久正人氏によると「同じビショップ級幹部のワイズルーに僧侶のイメージである『十字』を使ってしまった為、他の僧っぽい物があるか考えていた末に虚無僧を思いつき、ウデンのデザインに取り入れる事にした」との弁。
更にちょうど、『ニンジャバットマン』のコミカライズで虚無僧姿のダークヒーローを描いており、それも思い出した上で閃いたらしい。
ちなみにデザイン時にはサデンとして再登場する旨は聞かされておらず、1話限りのキャラクターとして創り上げたそうだ。また、肩や腰にボリュームを持たせて細身になるよう描いたが、実物はデザイン画ほどくびれが強調されていない。
武器の剣はデーボ・シノビンバの印影刀を流用している。
経験値の合計数の由来はそのまま「忍者」の語呂合わせ。
幹部陣の中でも低い数値にもかかわらず、1話のみの登場ながらも実際の戦闘では、リュウソウジャーを全員倒して体内に幽閉。最後に残ったナダは一方的に追い詰められて致命傷を負いつつも、自分の命を捨ててコウを解放する以外に活路を見出せなかった。
純粋な戦闘力では同じビショップ級のワイズルーを上回っているのではないかと思われる(ただし、ワイズルーは「仕事は楽しく」な考えから、良くも悪くも肩の力を抜いており、未だに本気を見せていないのも否めない)。
また、本編においてはタンクジョウ以来、リュウソウジャーに近しいリュウソウ族の身内の命を奪った2人目のドルイドンとなった。こちらもマスターレッド同様、コウの目の前で落命する形となり、その魂を受け継いでパワーアップした彼の猛攻を受けたが、タンクジョウと違って取り逃がされずに倒されている(タンクジョウに関しても、最終的にはコウにプクプクソウルで風船にされ宇宙に追放された後、キシリュウオーファイナルキャノンで葬られる形で引導を渡されてはいる)。
直後に現れた幹部・プリシャスと行使する能力、その為のツールが似通っているなどの点から、プリシャスが自身の能力を模倣させて創った人工生物の可能性があると思われる。
声を演じるボルケーノ太田氏は『動物戦隊ジュウオウジャー』の犀男以来の登場であり、スーパー戦隊シリーズの悪役を演じるのは初。
スーツアクターの今井靖彦氏は仮面ライダーゼロワンでドードーマギアを演じている。更にウデンの登場回と同日で放送されたゼロワン第10話では、ドードーマギアの変身者がゲストキャラである大和田伸也(仮面ライダーゼロワン)氏より殺陣の教えを受け成長、パワーアップを果たしている。
一方リュウソウジャー本編では、皮肉にもマスターレッド版のリュウソウレッドを演じていた。
スーツは上記の通り、第41話に登場するサデンにリペイントされた。