「これからは我が主人、プリシャス様の時代だ。今の内に身の振り方を考えておけ」
「俺の名はサデン。貴様らがリュウソウジャーか。丁度良い、ここでお前らも消してやる」
CV:???/スーツアクター:矢部敬三(第41話)、森博嗣(第43話)、今井靖彦(第44・45話)
データ
属性/ビショップ級幹部
分類/ドルイドン族
身長/189cm
体重/281kg
分布/封印の間
経験値/310
概要
第41話から登場。プリシャスの側近とされているドルイドン族のビショップ級幹部ドルイドン。
同じビショップ級であるウデンに酷似した姿が特徴だが、よく見ると緑の頭部を始めとした、身体中の赤と緑の配色が入れ替わっている他、脇腹のベルトが右掛けで頭部横のドルイドンマークが左側になっており、ウデンの反転版のようなデザインとなっている。
あまりにも瓜二つな姿をしているので、リュウソウジャーの面々やワイズルーにも間違わられているが、ウデンとの詳しい関係は不明。
また、頭部はウデンの物と同デザインの素顔を隠す為のマスクである。
極端に口数が少なかったウデンに対し、味方に声を掛けたり敵を挑発するなどと落ち着いた口調だがそれなりに饒舌。
一方で性格は横暴で卑劣。リュウソウカリバーを先回りして手にしたクレオンが渡そうとしないので斬り捨てて力尽くで奪い取ろうとしたり、一般人にわざと攻撃を仕掛け、リュウソウジャーが盾とならざるを得ない状況を作り出す等々、少なくとも作中では真っ向勝負を挑んでいたウデンとは対照的に悪役らしい冷酷非情さを見せ付けた。
プリシャスに敬称を付けて呼び従っているが、その実態はワイズルーとガチレウスよりも前に生殺与奪を握られている為に従っており、自身の心臓(前述の2人と異なり人間の心臓に似た形をしている)をプリシャスに見せ付けられた際は、堪らず憤りの声を漏らしていた。
戦闘でもウデンと同型の剣から繰り出す剣戟に加え、掌から光弾の発射が可能。更にテクニックも備えており、投げた剣でリュウソウルを弾き飛ばした上で上空に弾かれた剣を跳び上がってキャッチ、落下の勢いを乗せて大上段から斬り掛かり、追撃する動きも難なくこなせる。
活躍
第41話
リュウソウジャーがリュウソウカリバーを手に入れて、エラスの復活が近づいてるのに呼応するかの様に地球に来訪。通りかかったワイズルーに「今の内にこれからの事を考えておけ」と忠告した後、プリシャスと合流する。
プリシャスから「ウデンとガチレウスがリュウソウジャーに倒された」事実を聞かされた後、サデンは「リュウソウジャーの手にリュウソウカリバーがあるのは厄介」と判断し、それを強奪すべく活動を開始。
更にプリシャスから「君が来た以上、もう必要ないワイズルーとクレオンも処分しても構わない」と命じられた。
その後、リュウソウカリバーの力を感じ取り、意気消沈していたクレオンの前に出現するも、彼を意に返さずリュウソウカリバーの捜索を開始。
だが、プリシャスに認めてもらうべく、クレオンが撮影所の小道具に置かれていたリュウソウカリバーを回収し、すぐさまその場に現れ「リュウソウカリバーを渡せ」と命令するも「今まで一度も心から満足してない」本心に気づいたクレオンが渡すのを拒否した為、それを奪い取ろうとクレオンを強襲。
追いかけた先で頑なに拒否するクレオンを剣で切り刻もうとするも、その後を追いかけてきたカナロに妨害され、カナロと合流していた残りのリュウソウジャーもやってきたため、纏めて始末せんとドルン兵を呼び出しリュウソウジャーと交戦。
自身はその戦いを傍観していたが、カナロの後を追ってきたリュウソウ族・ミヤと騒ぎに駆け付けたスタッフに気付くと、それへわざと攻撃を仕掛けリュウソウジャーが盾となって庇わざるを得ない状況を作り、うまく戦えない様に仕向ける。更にレッド/コウがマックスリュウソウレッドに変身しようとした際に咄嗟に剣を投げて、マックスリュウソウルを弾き飛ばして変身を封じ、リュウソウジャーを追い詰める。
しかし、その戦いを陰で見ていたクレオンが必死に戦うリュウソウジャーの姿に揺り動かされ、プリシャスに認めてもらう気持ちを振り切り、レッドにリュウソウカリバーを投げ渡したため、レッドにノブレスリュウソウレッドへ昇華。
レッドの繰り出す攻撃に追い詰められていき、メラメラソウルを装填して繰り出したレッドの『アルティメットディーノスラッシュ』を喰らって吹き飛ばされてしまい、リュウソウカリバーの力をその身に実感して撤退した。
第43話
リュウソウカリバーによる傷が癒え、復活へ向けて大きく胎動を始めるエラスを眺め、悦に入るプリシャスから「弟が生まれるよサデン。嬉しいね」と告げられる。次の瞬間、エラスの本体から分離した、市松模様の球状のエネルギーからガンジョージが誕生する。
プリシャスがガンジョージを連れ、教育を兼ねた破壊活動を街で行うと自身もそれに従軍。
するとリュウソウジャーが来るのを察知したサデンは、このまま撤退をプリシャスに提案するも、リュウソウジャー6人が駆けつけて来た為に交戦。
程無くしてガンジョージが巨大化した為、リュウソウジャーもキシリュウオージェットで応戦しようとする。だが、プテラードンがプリシャスを見るや恐れをなして逃げ出した為に合体が解除されてしまい、止む無く他のメンバーが残りの騎士竜を呼ぶと「そんなに沢山相手できない」としてプリシャスと共に撤収した。
その後、エラスの所在が『リュウソウカリバーがあった神殿の真下』に有ると見抜いたリュウソウジャー達がアジトへ向かって来ると、サデンは自ら迎撃を志願して前線に赴く。ガンジョージやドルン兵と共にリュウソウジャーを相手取るも、6人の猛攻に押されてガンジョージが撤退するや、自身もその場から姿を消す。そして心配になってこっそりついて来ていたオトを背後から捕えると、プリシャスの許へと帰還。「おや?……いい土産を持って来てくれたねサデン」とその仕事ぶりを評価するプリシャスに対し、サデンは淡々と「これでリュウソウジャーも手出し出来ません」と答えると、プリシャスは「君は本当に頼りになるねぇ、サデン」と呟きつつ彼の心臓のカードをちらつかせ、それを見たサデンを思わず声にもならない声を漏らした。
第44話
リュウソウジャーがエラスの眠る地下へと着々と進む中、大勢のドルン兵達を率いて行手を阻むと、前話で人質にしたオトをリュウソウジャー達の前へと差し出す。
それに激昂し向かってきたカナロをあしらい、リュウソウジャー達がリュウソウチェンジしようとするや否や、「変身したらオトの命を奪う」と脅迫して「リュウソウカリバーを渡せ」と要求。
迂闊に敵に手出しも変身も出来ずに立ち尽くすリュウソウジャーだったが、メルトがコウに進言してリュウソウカリバーを呼び出させ、そのままコウがリュウソウカリバーを渡そうとして来たので、それを受け取ろうとするも、その瞬間メルトがリュウソウブルーにリュウソウチェンジし、彼の考えを察していたコウに渡されたドッシンソウルで強竜装、反撃を許してしまい人質のオトをカナロに救出されてしまう。
すぐさまドルン兵達を嗾けるも相手ならず、リュウソウチェンジした6人が繰り出した『ディーノスラッシュ』と『モサディーノスラッシュ』の同時攻撃を受けて吹き飛ばされてしまうが、剣を緑色に発光させて斬撃を放ち、リュウソウジャーを牽制してそのまま退却。すぐにプリシャスの元へと帰還したサデンは「人質が奪還された」と報告するが、プリシャスは「良いよ、あんな奴ら」と咎められずには済んだ。
その直後、エラスがヤバソードを誕生させ、その教育の為に行動を開始したプリシャスの命で、向かってくるリュウソウジャーを迎撃すべくガンジョージⅡと共にその場に留まり、案の定やってきたメルト・トワ・バンバ・カナロの4人とガンジョージⅡと共に交戦。
自分はバンバ/リュウソウブラックとトワ/リュウソウグリーンと交戦し、一度は次々と繰り出す剣術で2人を追い詰めるも、調子を取り戻した2人がそれぞれカタソウルとマワリソウルで竜装し、繰り出した攻撃を喰らうも、剣を緑色に発光させて繰り出した一撃で2人を変身解除に追い込む。
「もっと見せてみろ! お前らの力を」 と2人を挑発して向かってきたバンバと再戦するも、先程サデンにマワリソウルで竜装した際に攻撃した時に、「それだ!」と叫んで反応する様子を見たトワは違和感を覚えていたが、この言葉で何かを確信してバンバを止めに入って一時中断。
すると、メルトとカナロに追い詰められたガンジョージⅡがプリシャスの指示通り、自爆によって4人を巻き添えにしようとする。
その直後「どけ!」とサデンが叫ぶや否や、手にした剣を投げ放ちガンジョージⅡが取り込んだカプセルを串刺しにして取り出すのに成功、ドルイドンでありながらリュウソウジャー4人を助け出してしまう。
そして、マスク(単眼のある面頬ではなく、頭部その物)を自ら外し、その素顔を見せると……
なんとマスクの下に現れたのは、かつてのバンバの師匠であり、ドルイドンに魂を売ったはずのマスターブラックその人であった……(他のドルイドンの幹部と異なりOPのキャストクレジットに声優が表記されていないためそこで正体に感づいた視聴者も多いであろう)。
実は、本当のサデンは300年前にマスターブラックの手で倒され、死亡していた実態が第45話で判明。
倒された後でも体だけは残っていた様子から、ガイソーグのように肉体そのものが存在しない存在か人間以下のサイズの本体が、内部に潜んで操っていた存在と思われる他、単純にウデン同様の形状の鎧を纏った怪人で鎧だけ奪わられた、あるいは外殻だけの存在の可能性もあるが、現状でははっきりとしていない上、今後も明かされる事態はほぼ皆無だろう。
プリシャスの思惑を阻止すべく、マスターブラックは彼の亡骸を着てサデンの姿に自ら化け、わざとドルイドンへと身を投じたフリをしていたのだ。
この亡骸は続く第45話でプリシャスに奪われたマスターブラックの心臓を取り返す作戦でコウも着用した……幾ら悪役でもここまでされたら死体蹴りにも見えて、やや可哀想なのは気のせいだろうか?。
だが、同話でプリシャスは『仲間を信じたいが裏切りが怖い』の葛藤により、自身に与した者が裏切らないように心臓を抜いていたとする、ピエロ(道化)としか評せない内面を暴露した。そんな実情の中で自分に恨みを見せず従っていたサデンに対し、プリシャスは何時しか強い信頼を寄せていたが、サデン当人がとっくに死んでいた上その亡骸を別人が着込んでいた実態を300年間気付いていなかった。
サデンがマスターブラックに討たれ、成り代わられた事実は覆らないが、もしプリシャスが仲間を心底信じている者だったら上記の事実に逸早く気付き、サデンの仇を討てたかもしれなかったが、裏切りを強く恐れるが余り、サデン(に成り代わったマスターブラック)を深く探る真似をせずに他のドルイドン同様に心臓を奪って従わせ続ける選択を選んでしまっていた。
つまりは、サデンをここまで可哀想な扱いに追い込んだのは、他ならぬプリシャスの責任が大きかった。
そして、この真実はプリシャスが内面の葛藤により、他者との交流に失敗し続ける『道化』である実態を、この上無い程に表現していた。
余談
経験値の合計数の由来はそのまま「サデン」の語呂合わせ。
名前は恐らく「左腕」の読みを変えて捩った(左=サ+腕=ウデ→デン)か、スポンサーのテロップにあった「ウデンの再来」を、組み合わせて捩ったものと推測される。
スーパー戦隊シリーズでも珍しい、戦隊側と戦わずに既に戦死していた幹部怪人である。
一目瞭然だが、スーツはウデンの一部をリペイントして、装飾品の配置を変えた物と思われる。
因みに、幹部怪人格のスーツが別の怪人のスーツに改造されるケースは多いが、まだ作品が終了していない時点で幹部怪人のスーツが改造されるのは珍しく、後に登場したガンジョージもこれに当てはまる。
スーツアクターは各話毎に変わっているのだが、最終的にはウデンを演じた今井靖彦氏が演じている。
サデンが初登場した第41話では、かつて『仮面ライダーフォーゼ』で風城美羽を演じた坂田梨香子女史が、カナロの元婚約者だった海のリュウソウ族・ミヤ役でゲスト出演している。
関連タグ
ワレドナイヤー:比較的有名な幹部怪人のリペイント後。ただし一般怪人である。
ギャングラー怪人:マスターブラックがサデンに成りすますやり方が、彼らが人間に成りすます「化けの皮」の怪人バージョンと話題にされている。
バケニャーン:同年の放送1時間前の作品のキャラクター。組織の一員と見せかけて、実はスパイ目的に作り上げられた仮の姿である点が共通しているが、こちらは存在しているモデルを元にして作った架空の存在である。