概要
第32話でガイソーグの鎧の呪縛をついに跳ね除け、リュウソウジャーとの確執を乗り越えたナダ。ようやく仲間になった彼は、これからリュウソウジャー7人目の戦士としてレギュラー入りし、ともに戦っていき、更にはEDのケボーンダンスに加わるものと視聴者の多くは予想していた。
そう、第33話が始まるまでは……。
ナダショック
倒した相手をバックルを介して取り込み、技をトレースし自分の技として扱える厄介な能力を持つ相手にリュウソウジャー達は次々と取り込まれてしまう。
1人残って孤軍奮闘するナダもウデンの剣に押され、防戦一方だが決して退こうとはしない。
<立ち向かわんと後悔するくらいなら……立ち向かって後悔する方がええ!!>
リュウソウ族として生まれた自身の宿命から逃げ続け、力を求めてガイソーグの鎧に手を出した挙句、憎しみに捕らわれたナダ。そんな過去のしがらみや自身の弱さを乗り越え、彼はリュウソウジャーの一員となったのだ。不屈の騎士の名に懸けて、決して逃げる訳には行かない。
一方、ウデンの体内の異空間に閉じ込められ、戦えば技も体力も奪われてしまう八方塞り状態に追い込まれた6人。だがフラフラのメルトを励ますようにコウは叫んだ。
「まだナダが残ってる…!みんな信じろ!俺達の仲間を!」
コウも、他のみんなも、ナダの事を強く信じる。憎しみを乗り越えて仲間になった、リュウソウジャー第7の騎士、不屈の騎士の事を―――。
「俺はリュウソウジャー……不屈の騎士や!! うあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
強い覚悟で満身創痍の身を奮い立たせ、咆哮を挙げながら、ナダはウデンに真正面から突っ込んでゆく。だがウデンはガイソーケンを払いのけ、ナダの胸に深々と剣を突き立てた。勝負はついたと思いきや……
「ハハ…捕まえたで……! うぅ…シャオラアッ!!」
ナダはメットが砕ける程の渾身の頭突きをウデンに喰らわせる。最初から捨て身でウデンの懐に飛び込むのが目的だったのだ。次の瞬間、バックルが砕け異空間に脱出口が現れた。メルトに促されてコウは脱出。「ナダ、ありがとう!!行くぞ!!」と礼を言って、改めて2人で立ち向かう………筈だったが………
「ナダ…?」
コウの目に飛び込んで来たのは、突然がっくりと膝を付くナダの姿だった。鎧の隙間からは血が流れている。先程のウデンの突きの一撃は、ナダに致命傷を与えていたのだった。
慌ててカガヤキソウルで治療しようとするコウに対してナダは叫ぶ。
「何してる!!俺はええから、アイツをはよ倒せ!! じゃないと…みんなの命が危ない…!」
ナダはもはや自分が助からない事を悟っていた。そのまま力無く倒れると、リュウソウルを取り出し……
「俺のソウル…お前に託す………みんなを救え…!コウ……!」
横たわったまま、息も絶え絶えになりつつ自分のソウルを託すナダ。彼を抱き起こし、無言でその顔を見つめるコウの目には、涙が浮かんでいた。
「ハァ…最後に……ハァ……ええ仲間に会えて……ホンマ…………」
そう言い終えると、遂にナダはコウに全てを託して息絶えた。
紆余曲折を経て7人目のリュウソウジャーとなれたのに、これから共に戦って行けると思っていたのに……そんな矢先の余りにも突然の死であった。
そんなナダとコウの思いに応えるように、ナダから託されたリュウソウルとガイソーグの鎧、そしてナダの亡骸はコウの腕の中で新たな装備マックスリュウソウチェンジャーへと姿を変えた。怒りを爆発させたコウは、その新たな力によってウデンを圧倒して撃破する。
ウデンの異空間から解放された仲間達だったが、涙を浮かべるコウの姿にナダの死を悟り、悲しみに暮れる。そんな中龍井ういが、ナダが生前に残していた動画を見つけてリュウソウジャーの前で再生する。己の未熟さを悟ったナダは、自分を鍛え直すために修行の旅に出る事を決意し、その為のメッセージを残していた。
旅に出る前に、自分を助けてくれた仲間達への感謝とそれぞれのいいところ、そして今まで言えなかった礼を述べるナダの姿に、改めて6人はリュウソウジャーとして、必ずやドルイドンを倒す事を決意する。
「そういや…照れくさくて…まだ、ちゃんと言えてなかったな……」
「みんな……ありがとう」
かくして、和解から早や翌話にまさかの退場劇となり、リュウソウジャーたちはもとより、視聴者にも大変な衝撃と悲嘆を残した彼は、カラーから当然予想される「リュウソウバイオレット」を名乗る事も無ければ、仲間との7人同時変身を見せる事も無く、ましてEDのダンスに加わる事も無かった……。
この和解早々のまさかの退場劇は、視聴者に大変な衝撃を与え、Twitterでは「ナダさん」がトレンド入りし「ナダロス」に見舞われる人が続出、その早すぎる退場に多くの人が涙した。
ナダ役の長田成哉氏も自身のツイートでオールアップと思しき報告をしており、自ら「ナダロス」に言及している……。
その後…
『騎士竜戦隊リュウソウジャー ファイナルライブツアー』にナダ役の長田成哉氏の出演が決定したという発表があった。
もう一度ナダを見たいという視聴者の不屈のソウルがスタッフを動かした結果奇跡は起きたのだった…。
残念ながらこちらは新型コロナウイルス感染症の流行のために中止となってしまった。
しかし……。
2021年2月に映画「スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021」内で公開される「メモリー・オブ・ソウルメイツ」にナダの登場が決定。それも本編第32話と33話の間の出来事を描く内容となっている。
余談
もともと「恐竜スーパー戦隊は後から加入した味方の誰かが命を落とす」というファンの間で有名なジンクスがあり、今回も例外ではなかった。
ちなみに、前恐竜スーパー戦隊である獣電戦隊キョウリュウジャーでは、追加戦士である空蝉丸が死亡したものの後に復活、代わりに番外戦士である賢神トリンが退場した。リュウソウジャーもこちらと同様、追加戦士が生き残って番外戦士が退場する結果を迎えることになる。
作中ではカナエソウルが使用されずにコウ達の手によって誰にも見つからないような遠い所へと飛ばした。ということもあって『コウ達がカナエソウルを使用することで、ナダが復活する』という展開を渇望する声が、某SNSで多く見受けられた。
ちなみにスタッフ曰く、コウに力を託して退場するという展開は初めから決められていたのだという。さらには『メモリー・オブ・ソウルメイツ』では第32話の鎧の呪縛から解放された影響でガイソウルは空っぽになっており、仮にナダがリュウソウジャーの一員としてガイソーグ(リュウソウバイオレット?)となって戦っても戦死する可能性があったことが示唆されている
関連イラスト
関連タグ
マスターレッド マスターブルー マスターピンク:同じ番組内で先に退場した戦士たち。
ブライ 仲代壬琴 賢神トリン:同じ恐竜系戦隊で戦いの中、散っていった先輩たち。しかも、壬琴とは主人公たちと和解して正式に仲間になった次の回で戦死したという共通点もある。
バケニャーンショック:同年に発生したニチアサキッズタイム関係のショック。