データ
アビリティレベル
※リーオーをオールレベル100として換算
ファイティングアビリティ | レベル150 |
---|---|
ウエポンズアビリティ | レベル150 |
スピードアビリティ | レベル160 |
パワーアビリティ | レベル140 |
アーマードアビリティ | レベル140 |
概要
ウイングガンダムゼロのOVA(EndlessWaltz)バージョンの便宜的な呼称。
劇中における名称はあくまで「ウイングガンダムゼロ」であり、アニメに登場する「ウイングガンダムゼロ」と同じ機体である。つまりパラレル設定のウイングゼロである。
「~カスタム」という名前で呼ばれている理由はOVA展開当時発売されたプラモデルの商品名が「ウイングガンダムゼロカスタム」であったため、メディアやスパロボなどの作品で「ウイングガンダムゼロカスタム」と表記されたことで広まった。実際はカスタム機ではなく、続編を作るにあたって機体のデザインを変えただけで、全く同じ機体という設定である(後述の設定を考えるとカスタム機といえなくないが)。
混乱を避けるために、現在では「EndlessWaltz版ウイングガンダムゼロ」「ウイングガンダムゼロ(EW版)」などと表記される事が多い。
パイロットはヒイロ・ユイ。
大河原邦男のデザインしたTV版をOVA『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』用にカトキハジメがリファインした機体であり現在のプラモ展開で言うところのVer.Ka。設定上はTVからOVAの時点まで少なくとも外装については一切手が加えられていない全くの同一機。そのためデータ・アビリティレベルはTV版と全く同じ。
OVAの世界では「TV版の時間軸」でも全く同じ姿のMSが戦っていた事になっている。映画がリメイクされて俳優が代わったようなものだと考えれば自然である。
ただし一部の媒体では別物として扱われているものもあり、幼年誌では「新たなる敵であるマリーメイア軍と戦う為に強化された姿」という翻案で紹介されていた他、一部のスパロボではTV版のウイングゼロから改修してこの姿になるパターンがある(例:『64』ではウイングゼロをフル改造するとボーナス改造でカスタムにすることができる)。
また客演やコラボでは、キャラクター性の強烈なこちらのほうが人気があるようで、擬人化の題材としても人気が高い。
敗者たちの栄光
最初からこの姿では登場せず、自爆により大破したウイングガンダムプロトゼロを修復及び改修する形でこの姿になる(この時点でカスタム機といえなくはない)。
機体説明
機体色はスタンダードな「ガンダムのトリコロール」白青赤に黄色をアクセントで配色したものだが、純白の翼とのバランスをとるため本体のみで言えば若干青の配色が多くなっている。
兵器的な無骨さを持つテレビ版とは対照的に、鳥類を羽毛の意匠を取り入れた4枚の翼、甲冑的な意匠を取り入れエッジを立てつつも丸みを帯びた本体部と、よりキャラクター性を重視したスマートなデザインとなっている。
他の4機のEW版デザインは頭部のみ石垣純哉のデザインであり、フェイスの形状はテレビ版に準じた物になっているが、本機のみ全てがカトキハジメのデザインのため、1機だけテレビ版とフェイスの形状が変わっている。
ただ一度だけOVAの第一話で、他の4機同様に純粋にTV版をディテールアップしたかのようなデザインの頭部形状で登場しているシーンがある。大きな違いとしてカラーリングとアゴの形状が上げられる。
4枚の翼は本体同様ガンダニュウム合金で製造されており、2枚ずつ2対からなる。
1対は自在に開閉・移動が出来る可動式の主翼2枚、もう1対は翼自体の面積が可変する副翼2枚で構成されており、機能的にはバーニアとして特化している。普段は背部に折り畳まれている。
この主翼は地上では文字通り翼として、宇宙空間ではAMBAC作動肢として機能し、機体にトールギスを超える破格の機動性と運動性を与える。
大気圏突入時は主翼全体で機体を覆い、摩擦熱から機体を保護する。
仮に主翼を2枚喪失したとしても、一定時間であれば飛行が可能である。
また劇中では羽根が舞い散る描写もある。これは長らく純粋な演出によるものと考えられてきたが、RGの説明書で装甲のガンダニュウムが剥離し、その粒子集まりが時折羽ばたく鳥から抜け落ちた羽根のように見える現象であった事が明かされた。
なお、シールドは翼が務め、ネオバード形態への変形機構もオミットされている。
また劇中でランデブーポイントに射出された時や、EVOLVEでのコロニー・キャノン脱出時では、(惑星間)航行用ブースターを装備し頭から足まで翼で覆われた巡航形態を取る事もある。
敗者の栄光版ではシールドが再び装備され、ネオバード形態への変形機構が復活した。そのため、EW版ではシールドを紛失した設定に変更されている。
ゼロフレーム
武器と最終装甲・プロペラント以外の諸機能を全て完備しており、短時間であればこの状態での稼動も可能である。
同時に、装甲などの外殻にも依存していたMSの構造応力をフレームだけでまかなうことに成功した。
これは、装甲と内部構造の完璧な分離に成功したということでもある。
つまり、既存のOZ製のMSのように、外装の損壊によって稼動不良に陥ることがなく、全装甲の90%を喪失しても戦闘を継続が可能。
実際、ゼロカスタムの『ラストシューティング(ファイナルシューティング)』は外装の大部分を破壊された状態で行われた。
このゼロフレームの時点で、ウイングゼロは既にトールギスの性能を凌駕してるどころか、更にトールギス1機分以上のスペックを持っている。
ガンプラでもゼロフレームは再現されている(現時点でパーフェクトグレード、マスターグレード、リアルグレード、ハイレゾリューションモデルで再現)が、発売時期の関係上いずれも本編とはほぼ別物の解釈としてデザインされている。ガンダムナタクとの戦闘中、右肩アーマーが吹っ飛ばされた直後に露わになった肩部関節はいずれのガンプラブランドでも見かけない独自のデザインになっている。コックピットも腹部からサーチアイの真後ろ(正確には後ろより若干下)に、ハッチも胸部上面に変更されている(本編ではサーチアイ部にかなり根深くトライデントのダメージ痕を受けているため、プラモ準拠の解釈だと海中に堕落するシーンでコックピットに水漏れが発生してしまう恐れが生じる)。
武装
2挺のバスターライフルを平行連結した大型ビームライフル。
ウイングガンダムのバスターライフルの2倍以上の威力を誇り、一瞬のチャージで18kmのトーラス型コロニーの巨大なシャフトと隔壁全てを大規模に貫通しコロニーそのものを破壊、消滅させ、さらに巨大な資源衛星(当たり前だがエネルギープラントではなく鉱床としての資源衛星)を消滅させることも可能である。
また、2挺に分割する事で別方向への同時射撃も可能な上、出力の調整や連射も出来る。
分割したライフルを左右に展開した状態のまま、機体を旋回させて360度攻撃することをゲームではローリングバスターライフル、ローリングツインバスターライフルなどと表記されている(ただしこの『撃ちっ放しのまま回転』はTV版で披露した戦法で、エンドレスワルツでは行われていない)。
EW版はゼロのツインバスターライフルに銃身上部にサイトセンサーが追加され、より長大で無骨なデザインに変更されている。
また、分割時はグリップ前方にあるブロック状のパーツが連結面側に折り畳まれるギミックが追加されている。
ちなみにEW版のツインバスターライフルは背中の羽に収納することが可能(ただしその設定がキットで再現されたのは『MG 1/100 ウイングガンダムゼロEW Ver.Ka』が初めてである)。
接近戦用の斬撃武装。
形状は一般の量産機が装備するサーベルと大差ないが、より高出力のビーム刃を形成可能。
EW版は両副翼の懸架アームのラック内に格納される。
なお『ガンダム』タイプ機のサーベルとしては珍しく、ビーム刃の色はグリーン。
マシンキャノン
両肩に内蔵された4銃身式機関砲。発砲時は肩口の装甲が展開し銃身が露出する。
基本的に牽制や近接防御が主用途だが、標準的なチタニュウム合金製MSであれば数秒の速射で破壊可能。
EW版ではカバーの色が変更され、展開方法は「蓋状の装甲を開く」という方法である。
バスターライフルがいかんせん弾数に欠ける武器なので、アクションゲームなどではこっちをメインとなる。
メッサーツバーク
漫画『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光』にて追加された武装。
ウイングガンダムゼロ用ではなく、バスターライフルもしくはツインバスターライフルのビーム収縮率を高め、威力を増幅(約3倍)させる為に用いる武装でウイングガンダムの時点で既に装備されていた。
それ自体通常のライフルとして使用できるがあくまで補助的なもので、バスターライフルに装着することで真価を発揮する。砲身周辺に増幅用のフィールドを展開する関係上、最低3基の装備が必要となる(ドライツバークバスター)。さらにツインバスターライフルではそれを6基に増設した『ドライツバークバスター・ドッペルト』が可能となった。
その威力は月のエイトケン盆地を完全に消滅させた挙句、月の形を変えてしまう程。
それ以外にも、EW版には両前腕にはセンサーを内蔵した手甲が追加された。
ウイングガンダムゼロリベリオン
スーパーロボット大戦DDで登場したコードギアスとのコラボ機体。
カトキハジメ及びサンライズ直々に設定された機体だが、半スパロボオリ機体につき詳細は該当項目参照。
立体物
ガンダムシリーズ屈指の人気機体というのもあって、バンダイから新ブランドが生まれるたびに大体宇宙世紀の機体やSEED・00シリーズに紛れてラインナップされていることが多い。
やはりというか、TV版より先に出るのがお約束でもある。
ガンプラ
HG 1/100、HG 1/144、パーフェクトグレード、BB戦士、マスターグレード、リアルグレード、SDガンダムEX、ハイレゾリューションモデル、クロスシルエットなどラインナップは非常に幅広い。
これに加えて前者2つはエクストラフィニッシュ仕様のスペシャルオペレーションタイプとメタルクリヤー仕様特別版までもがラインナップに加わっている。PG版は発売から7年後にパールミラーコーティングVer.が登場している。
また、RGは上述のガンダニュウムの剥離をイメージした拡張エフェクトユニット「セラフィムフェザー」がプレミアムバンダイで発売された。
初期の白い翼状のフライトシステムは単に主翼と副翼2枚ずつのウイングにアームを付けただけのものだったが、PG以降は副翼が2枚、MG以降は主翼が3枚分割となり面積を嵩増しさせるギミックが加わり以降の立体化はそちらが主流となっている。
BB戦士では、劇中同様にバスターライフルが構えられるように腕の可動範囲が広くなっている他に大気圏突入形態再現のためにウイングバインダーのアームが大きく可動するのが特徴。
後のSDガンダムEX仕様では、頭身が少し延長されているほかバスターライフルも大型化されている。
ただし新ブランド設立のたびに早く出されすぎるのが仇となり、RGとハイレゾリューションモデル以外は造りが古く可動範囲も現代のニーズ基準だと狭くなりがち。MGに関しても発売が2004年とすでに15年以上が経過している。
特にツインバスターライフルは大型なのでサイズによってはまともに保持できないことも珍しくない。この短所はボディを流用しているアーリータイプのウイングガンダムVer.Kaのバスターライフル保持でも共通の問題である。
2010年代に入り、プレミアムバンダイ限定含めウイングゼロ以外のMGも立体化が実現したためようやくEW5機+トールギスⅢが揃うこととなったが、10年近い技術の差は埋められず他4機と比べるとどう見てもギミック面で見劣りしてしまう。特に肩軸の脆さと劣化のスピードが早いボールジョイント接続の股関節、ダボ接続が主流になりつつある中上述のツインバスターライフル保持力の弱さはかなり際立つ。
2018年にはプレミアムバンダイ限定で「敗者達の栄光」のみに登場するドライツバーク付きのスペシャルコーティング版が発売。だが、もちろん素は10年以上前のMGの色替えモデルである。
このことからMGウイングゼロ(EW)のアップデートは当分無理なのではないかと思われていた。
…しかし、2020年11月に突如「MG ウイングガンダムゼロEW Ver.Ka」名義でアップデート版の発売が決定。
バンダイの告知によると流用なしの完全新規造形と謳われており、上述通り最近追加されたネオバード形態の再現を可能とし、さらにはツインバスターライフルのマウントギミックまで再現されるとのこと。
アクションフィギュア
MS IN ACTION!!、Extended MS IN ACTION!!、ROBOT魂、ネクスエッジスタイル、GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITE(プレミアムバンダイ限定)などがある。
武器は持たせるというより手首の隙間(穴)に差し込む方式のためツインバスターライフルの保持はガンプラよりもはるかに安定している。
ネクスエッジスタイルは、他のシリーズでは「重要な武装がついてない(そして大体オプションセットとしてプレミアムバンダイから出る)から単体ではろくに遊べない」という致命的な欠点があったのだが、ウイングゼロの場合そもそもの武装が少ない(ツインバスターライフルとビームサーベル)ため、マシンキャノン開閉くらいしかオミットされておらず単体でも充分楽しめる数少ない機体でもあった。
関連イラスト
関連項目
新機動戦記ガンダムW ガンダムW EndlessWaltz ウイングガンダム ウイングガンダムゼロ ゼロシステム ツインバスターライフル ヒイロ・ユイ