「骨のある戦いがしたいんなら、みせてやるよ………!!もう一つの戦法…!!」
「“ギア” “3(サード)” “骨風船”!!!」
「骨から骨に移動する空気(パワー)!!」
「みろ!! この左腕は!! 巨人族の腕!!!」
概要
『ONEPIECE』の主人公、モンキー・D・ルフィの技の一つ。
ギアと名は付いているがギア2とは趣を異とし、主にスピードを超強化するあちらに対しこちらはパワー重視のダイナミックな攻撃を繰り出す。その力は覇気を暴発させるとどの技も災害級の威力を発揮する。
骨風船という名前どおり、指の骨を噛んで風船のように思い切り息を吹き込んで骨内部をパンパンに膨らませるのが特徴。しかし決して見かけ倒しではなく、むしろ「そのまま巨大化している」といっても過言ではないほど威力が増している。これに必要な肺活量に関しては『空想科学読本15』で検証がなされている。
ギア3使用時にはルフィは技名を「ゴムゴムの巨人の(ギガント)○○」と呼称している。
2年の修行を経て覇気を修得した新世界編ではより強大な力を発揮できるようになっており、雷・炎をさらに纏わせていることもある。
というか電気はともかく武装色はデフォルト化していると言ってよく、「ゴムゴムの巨人のつっぱり」のように覇気なしで打つことは滅多にない。
また覇気による技の進化に伴ってかネーミングが変化し、ゴムゴムの巨人の銃は「象銃(エレファントガン)」、巨人のバズーカは「ゴムゴムの灰熊銃(グリズリーマグナム)」といったように動物の名を冠した技名が多い(ギア2の技でも鷲(イーグル)バズーカ、鷹(ホーク)ウィップ、鷹銃乱打(ホークガトリング)などいろいろある)。
アニメ版においてのカイドウとの対決(1戦目)では、ギア3を使用しているときにも紅紫色に光るオーラを纏う龍モードのカイドウと対応するかのように赤く光るオーラ(稲妻)を纏いながらぶつかり合っており、攻撃のガードとしても使用している。
初期の頃は使用するとなぜか反動で数分間チビになり戦闘力が大幅に低下していたが、シルバーズ・レイリーとの特訓で克服し、何度でも使用できるようになった。
ギア2との併用
ギア2の重ねでけし速度をカバーすることもできるが、体に負担がかかりすぎるため滅多に行わない。
しかし2年間鍛え上げた成果で負担や反動解消できたらしい(アニメSP『ONEPIECE ハートオブゴールド』・アニメ914話より)。
作中で初披露したのはスリラーバーク編。
代表的な技は「ゴムゴムの巨人のJET砲弾(ギガントジェットシェル)」。
砲弾のように突っ込む渾身のタックルで、1000体の影を取り込み巨人並みの体躯になったゲッコー・モリアに何度もぶつかっていき影を吐き出させた。
技一覧
- ゴムゴムの巨人の銃(ギガントピストル)
初めて使用したギア3の技。骨風船によって巨大化した腕でぶん殴る「ゴムゴムの銃」の強化版。
分厚い鋼鉄の扉や軍艦であろうと問答無用で粉砕する破壊力を持つ。
初めてこれを食らったルッチは、鉄塊で受け止めたにもかかわらず意識が吹き飛びかけた。
劇場版『ONEPIECE THE MOVIE エピソードオブチョッパー+ 冬に咲く、奇跡の桜』では、この技でワポルを空の遥か彼方まで吹っ飛ばしている。
- ゴムゴムの巨人の斧(ギガントアックス)
巨大化した足を振り下ろす「ゴムゴムの戦斧(オノ)」の強化版。
- ゴムゴムの巨人の鞭(ギガントウィップ)
巨大化した足を振り払う「ゴムゴムの鞭(ムチ)」の強化版。
- ゴムゴムの巨人のバズーカ(ギガントバズーカ)
巨大化した両腕から放つ掌底を放つ「ゴムゴムのバズーカ」の強化版。
- ゴムゴムの巨人の回転弾(ギガントライフル)
巨大化した腕から放つ「ゴムゴムの回転弾」の強化版。
- ゴムゴムの巨人のスタンプ(ギガントスタンプ)
巨大化した足から蹴りを放つ「ゴムゴムのスタンプ」の強化版。
毒の巨兵(ベノムデーモン)状態のマゼランを吹っ飛ばす威力を持つ。
新世界編からはアニメ版ではあるが、武装色の覇気を纏い硬化した状態で繰り出している。
- ゴムゴムの巨人の雷斧(ギガントトールアックス)
劇場版『ONEPIECE FILM STRONGWORLD』のシキ戦で使用した決め技。トールは北欧神話の雷神。落雷を身体に受け、それを纏った状態で放つ「ゴムゴムの巨人の斧」の強化版。
威力としては、浮島一つをシキ諸共木端微塵に粉砕する程強力になっている(シキに関しては、複数のハンデ設定がなされている)。
- ゴムゴムの巨人の風船(ギガントフーセン)
骨風船によって胴体を巨大化させ、圧倒的な硬度を得る「ゴムゴムの風船(ふうせん)」の強化版。
通常の「ゴムゴムの風船」と違い、弾力が失われるため攻撃を跳ね返すことはできないが、その防御力は圧巻の一言。
- ゴムゴムの象銃(エレファントガン)
2年後から使用。強化された「ゴムゴムの巨人の銃」を更にガスタンクのようなサイズにまで膨らませたうえに武装色の覇気を纏い硬化させることで、さらに威力を増大させている。新世界編においてギア3の中で使用頻度がかなり多い。
例え深海5000mの水中であろうと、300mの小山のような大きさの怪物「巨大なクラーケン」を一撃で気絶させる威力を持ち、暴走形態のチョッパーですら一発KOして甚大な後遺症を残す程強力。ルフィも少しずつ成長している故か、現在は酔っている状態の巨大な龍に変身したカイドウを一撃で地面に叩きつける程の威力になっている。
アニメ版においてはギア2と併用し、怒りで覇気を暴発させた故か、劇場版『ONEPIECE STAMPEDE』と同様に無意識ながらも外に覇気を纏わせる技術と酷似する芸当を行っており、赤く光るオーラ(稲妻)を大きく纏いながらカイドウを地面に叩きつけている。
- ゴムゴムの象銃乱打(エレファントガトリング)
「ゴムゴムの象銃」を連打する。
全力を尽くせば、500万人の人が居住する魚人島の半分の大きさの「巨大船ノア」を半壊以上にボロボロにできる程強力な技だが、四皇のカイドウは酒に酔っている状態で、まともに受けても無傷であった。
見聞色による「未来予知」と速度を併用してくる四皇幹部のシャーロット・カタクリには、あっさりと回避されている。
- ゴムゴムの雷将象銃(トールエレファントガン)
上空から振り下ろす雷(電気)を帯びた「ゴムゴムの象銃」の強化版。
チンジャオの武装色の覇気を纏い硬化した凹んだ頭を元の錐頭の状態に戻してしまう程の威力を誇る。
この雷の発生源については不明(ゴムの能力では電気の原動力となる説明がつかないため、疑問しか残らない)。
- ゴムゴムの灰熊銃(グリズリーマグナム)
巨大化した両腕に武装色の覇気を纏い硬化させ、後方へ伸ばしながら突進し、両腕が戻る勢いを乗せて叩きつける「ゴムゴムの巨人のバズーカ」の強化版。
隙が大きいが、シーザー・クラウンを鋼鉄製の扉ごと崩壊させながら凄まじい速度で吹き飛ばし、研究所を越えて、数マイル先の遥か遠方にあるタンカーに激突して爆発を起こす威力を持ち、超巨大な石像状態のピーカ(巨大な山ほどの大きさ)の頭部を粉々に吹っ飛ばしてしまう程強力(もし、タンカーが停泊していなければ、凄まじい速度で飛ばされるため、シーザー・クラウンは島の外どころか、水平線の遥か彼方まで飛ばされていたことが伺える)。
アニメではカイドウ戦でも放っており、酔った状態の巨大な龍に変身したカイドウを吹っ飛ばす程の猛烈な威力を発揮するようだが、カイドウは傷一つ負っていない様子(アニメ915話)。
四皇幹部のシャーロット・カタクリには同様の技で普通に叩き返された。
- ゴムゴムの灰熊コークスクリュー銃(グリズリーコークスクリューマグナム)
アニメ855話で披露したオリジナル技。巨大化させた両腕に武装色の覇気を纏い硬化させ、「ゴムゴムの回転弾」のように高速回転させて放つ「ゴムゴムの灰熊銃」の強化版。
「ゴムゴムの灰熊銃」とは異なり、攻撃を行う際に両腕を絡め合うことで、回転する巨大な鉄球のような外観になっている。
シャーロット・カタクリと互角に打ち合ったが、最終的には後方へ弾き飛ばされてしまった。
- ゴムゴムの巨人のつっぱり(ギガントつっぱり)
巨大化した手から放つ「ゴムゴムのつっぱり」の強化版。
浦島を凄まじい速度で吹き飛ばし、遠方にある建造物を次々と多数破壊していく程の威力を持つ。
- ゴムゴムの業火拳銃(レッドロック)
武装色の高度な技術を使用して放つ、炎の爆発を伴った「ゴムゴムの象銃」の強化版(ギア3で放つ「ゴムゴムの火拳銃」の強化版とも言える)。
その一撃は四皇カイドウを殴り倒し、彼にダメージを与えられる程。しかし、このときのカイドウは油断しており、内部から破壊する武装色を使用した攻撃を防御もせず完全な無防備な状態で喰らっていた。つまり、頑丈なカイドウにダメージを与えることができた理由としてはあくまでもこのため。
炎の発生は「ゴムゴムの火拳銃」を連想させるが、それと同様の仕組みかどうかについては不明。ギア2と併用しているともとらえられるが、ギア2を使用している描写はなく、「ギア2!!!」と叫んでいる描写もない。
ギア2と併用して行う技
- ゴムゴムの巨人のJET砲弾(ギガントジェットシェル)
ギア2とギア3を併用し、巨大化した身体を圧倒的な速度で敵にぶつける。
ナイトメアモリアを吹っ飛ばす程の猛烈な威力を誇る。
スピードもパワーも凄まじいが、その分肉体にかかる負荷も凄まじい。
番外
- ゴムゴムの巨人のハエたたき(ギガントハエたたき)
アニメオリジナルで、『トリコ』とのコラボレーションスペシャルで使用した技。
余談
アメリカのカートゥーンアニメ「トムとジェリー」のキャラクターであるマッスルというネズミが、指から空気を吹き込んで手を風船のように膨らませてトムをぶん殴るというギア3に酷似した攻撃を披露した話がある。(タイトル「ごきげんないとこ」)
ちなみにこの話が公開されたのは1951年。つまりギア3の原型は半世紀以上前から存在していたのである。