トーマス・ライト
とーますらいと
人物像
”人間とロボット。
あいいれぬ二つの生命が平和に共存する世界。
それは私が望んでやまない理想郷だ。”
ローバート工科大学工学部電子工学科を首席で卒業する程の優秀な頭脳の持ち主で、卒業後は、平和利用の為の人型ロボット開発の研究に没頭。後に主流となる全ての人型ロボットの基礎を作り上げ、「ロボット工学の父」と呼ばれるまでの伝説的な科学者となる。
長年の研究の結果、自分の意志で考え行動する試作型の人型ロボット「DRN-000ブルース」を生み出すことに成功するが、動力炉に問題点があった為にライトは彼の修理を行おうとした。
しかし、誤解の末にブルースは姿を消してしまい、次にライトがブルースと再会した際には、Dr.ワイリーの改造によってブルースは戦闘用ロボットへと変わっていた。なお、ブルースの存在は非公開となっている。
ブルースが姿を消してから数年後。ライトの手によって本格的な家庭作業用の人型ロボット「DRN-001ロック」と「DRN-002ロール」が誕生。彼等2体の優秀な成果によって、世界中のロボット工学界に革命をもたらす事になり、その後ライトは様々な作業用ロボットを生み出していくことになる。
性格は穏和だが極めてお人好しでもあり、『ロックマン3』のストーリーではそれが災いして、ワイリーに気を許しすぎた結果、自分の手でロックマンと敵対することになる8大ボスの製作に加担してしまい、皮肉にも彼を苦しめる事になってしまった事もある。
また、『ロックマン&フォルテ』や『ロックマン10』ではワイリーが自身が原因の災害に巻き込まれて逃げ込んできた際、被害者だと信じきって彼の思惑通りに動いてしまった。そうした事情からロクフォルのデータベースでは短所に「だまされやすい」とはっきり書かれてしまっている。
趣味は家庭用コンピューターゲームとカラオケ(ただし『7』におけるロールの弁によると音痴)。
ワイリーとDr.コサックとは違って長らくシリーズにおけるシンボルマークが明かされなかったが、『9』においてワイリーのシンボルマークとよく似た、「○」に「Dr.」と「R(海外版はL)」を組み合わせたデザイン画登場した。なお、『3』において、当時に共同開発者となっていたワイリーのシンボルマークにRが付け加えられたマークが登場している。
功績
LITマニュアル・デザイン・コンテスト:5年連続優勝
世界技術大賞:金賞受賞
ノーブル物理学賞受賞
他、多数受賞
ワイリーとの確執
ワイリーとは同じ大学で共に学んだ旧友であったが、その決裂の経緯がロックマン11で明かされた。
若き頃は、ロボットが人間のパートナーになるための研究を進めていた同志だった。ライトは「ロボットに心を持たせる思考回路の開発」を提唱していたのに対し、ワイリーはロボットの性能を飛躍的にアップさせる「ダブルギアシステム」の開発を提唱していた。ライトはロボットに多大な負担をかけること、暴走すれば人間の脅威になることからダブルギアシステムの開発に強く反対し、その結果としてライトが提唱する思考回路の開発が進められ、ダブルギアシステムは凍結された。
それ以降、ワイリーの思想は過激さを増し始め、決裂が決定的なものになった。
このことはライトも「ただ反対するだけでなく、ともに歩む道を示すことができていれば」と後悔していたが、当時は現在よりもロボットの自己判断能力が低く、判断ミスや暴走する危険性の方が高い事を踏まえれば、ダブルギアシステムの開発を反対したライトの判断は間違いだったとは言えないだろう。
ロックマンシリーズ
ロックとロールの完成から数年後。新たに6体(ロックマンロックマンでは8体)の作業用ロボットが生まれ、彼らは日々人々の役に立つ為、作業活動を行っていた。
しかしある日、彼らは突如暴走を始め各地で暴れまわり、ロボット警察や軍隊にも手に負えない事態にまで発展してしまう。
頭を抱えるライトに、彼が息子のように可愛がっていた家庭用ロボットであるロックが自らを戦闘用ロボットに改造して欲しいと志願。当然、反対するライトであったが、改造してもらわなくても行くと言い出すロックに、止む無く戦闘用ロボットとしての改造を施す。この改造の結果誕生したのがロックマンである。
ロックマンの活躍によって、今回の暴走事件がかつての学友でもあるワイリーの仕組んだ物である事が判明し、最終的にはロボット達を操っていた巨大要塞「ツイン・ピラミッド」が破壊され、事件は解決したかに思われた。
しかしその後もワイリーは自作したロボット軍団を用いて世界征服に乗り出す為、ライトとワイリーの対立はより苛烈なものとなっていくのだった。
ロックマンXシリーズ
平和な未来はまだとおいのか?(ロックマンX6より)
ロボット工学の父とよばれる伝説的な科学者と伝えられている。謎のカプセルに立体映像として現れ、エックスにパワーアップパーツを授ける。
『ロックマンX』のプロローグや『イレギュラーハンターX』収録のOVAから、エックスの製作者は彼であるとされている。
人間としては既に故人なのだが、エックスの現状が解っており数タイトルではエックスやゼロと会話をしていることから、ただ立体映像付きのビデオを流しているのではなく、意識だけがコンピュータプログラムとなって生き続けているようである。
エックスの封印されていたカプセルの警告文からも伺えるが、ロックマンの時代では数々の功績を挙げた彼だが、晩年はその技術力ゆえに逆に理解されず(寧ろ、誰も理解できなかったと言ったほうが正確。現に、ケイン博士でさえ完全に理解できなかった)、孤独であったことが伺える(エックスを制作している時には既にロックマンやロール、ライトットなど家族ともいえる者達はいなかった)。
その技術と頭脳はこの時代においても驚異的なもののようで、イレギュラーハンターのエイリアはライト博士の作ったパワーアップパーツのコピーを試みたものの、結局は申し訳程度の性能しかない劣化コピー(『X5』のフォースアーマーと『X6』のファルコンアーマーがそれである)しか作れなかった。
エックスは最初から戦闘用ロボットとして製作されており、戦う彼に対するサポートを惜しまないが、やはりロックたちに与えられなかった平和な生活をエックスにはすごしてほしかったと思っているようである。
エックスの親友であるゼロがワイリーの忘れ形見であることに気がついているようで、ゼロからも問い質されたことがあるものの、あくまでゼロの詳細は知らないと言い、エックスの友でいてほしいと願っている。
有賀版
若い頃はロボットに心を持たせるという考えが教授たちから鼻で笑われ理解者は同期のワイリーだけだったらしい。
現在はロボット先進国の日本に招かれロボットの研究をしている。
あくまでもロボットを道具としてみるロボット連盟のメンバーとは意見を対立させることが多く社会的には成功しているものの人間の理解者といえるのはコサック博士とライバルのワイリー位の様である。
登場作品
ロックマンシリーズ
ナンバリング作品
ロックマン(FC、PS、iアプリ、EZアプリ、S!アプリ)(1987年)
ロックマン2 Dr.ワイリーの謎(FC、PS、iアプリ、EZアプリ、S!アプリ)(1988年)
ロックマン3 Dr.ワイリーの最期!?(FC、PS、iアプリ、EZアプリ、S!アプリ)(1990年)
ロックマン4 新たなる野望!!(FC、PS、iアプリ、EZアプリ、S!アプリ)(1991年)
ロックマン5 ブルースの罠!?(FC、PS、iアプリ)(1992年)
ロックマン6 史上最大の戦い!! (FC、PS)(1993年)
ロックマン7 宿命の対決! (SFC ※ニンテンドウパワーもあり)(1995年)
ロックマン8 メタルヒーローズ (PS、SS)(1996年)
ロックマン9 野望の復活!!(Wii、PS3)(2008年)
ロックマン10 宇宙からの脅威!!(Wii、PS3)(2010年)
ロックマン11 運命の歯車!!(SWITCH、PS4)(2018年)
番外作品など
ロックマンワールド(GB)
ロックマンワールド2(GB)
ロックマンワールド3(GB)
ロックマンワールド4(GB)
ロックマンワールド5(GB)
ロックマンメガワールド(メガドライブ)
ロックマン&フォルテ (SFC)(GBA)
ロックマンズサッカー(SFC)
ロックマン バトル&チェイス(PS)
スーパーアドベンチャーロックマン (PS)
ロックマン・ザ・パワーバトル(アーケードゲーム)
ロックマン2・ザ・パワーファイターズ(アーケードゲーム)
ロックマン バトル&ファイターズ(ネオジオポケット)
ロックマン パワーバトルファイターズ(PS2)
ロックマンロックマン(PSP)
ロックマンXシリーズ
ロックマンX (SFC) (1993年)
ロックマンX2(SFC) (1994年)
ロックマンX3(SFC、PS、SS) (1995年、1996年)
ロックマンX4(PS、BEST、SS、サタコレ)(1997年。BEST、サタコレは1998年)
ロックマンX5(PS、best) (2000年、2002年)
ロックマンX6(PS、best) (2001年、2002年)
ロックマンX7(PS2) (2003年)
ロックマンX8(PS2、PC) (2005年)
ロックマンX サイバーミッション(GB) (2000年)
ロックマンX2 ソウルイレイザー(GBC) (2001年)
イレギュラーハンターX(PSP) (2005年)
ロックマンエグゼシリーズのライト博士
CV:青野武
光正(ひかりただし)という名前で登場。(ちなみに名前を英語に置き換えるとライトライトとなる。)ちなみにひ孫の名前は来斗だったりする。
初代のライト博士が西洋の生まれだったの対し、こちらは純粋に日本人であり、明確に子孫がいる事がわかっている。
初代とは異なり、ロックマンの生みの親でもないし、サポートに回る事もないが、インターネット社会の基礎を作り上げた功労者という点では初代と大体共通している。
ゲーム開始時点では故人となっているので、初めて姿が描かれたのはロックマンエグゼ3となる。(デザイン画自体はエグゼ1の頃から用意されていた。)
初代から続くシリーズ同様、自分が制作した物が熱斗たちの時代で事件の発端となるのはよくある事である。アニメ版だとその例が顕著で、ロックマン以前に究極プログラムを備えたナビとして制作されたファラオマン(ゲーム版や初代と設定が異なる上にチート性能で、フォルテの以前の姿だったりする。)、ネットナビを改造する事で直接強化するネットレッカー(貧乏な学生時代の時に作った物らしい。何故かアドバンスドPETが装填できる。)など。しかし、Xシリーズのように事件の影響が後の時代まで延々と引き摺られる事は無く、本当の意味で社会に貢献した偉人として称えられている。
アニメ第4期でも登場。こちらはパラレルワールド(作中ではビヨンダード)の住人で光熱斗の祖父ではない。こちらでも死亡しているのか荒廃したディメンショナルエリア研究所内のプログラムとして存在するなど、どこかロックマンXシリーズを思わせる役回りで活躍した。
ゲーム版とは異なり、カーネルから優しさのプログラムを取り除いてアイリスとして生み出したのはワイリーでは無く彼となっている。