概要
別名断頭台。その名の通り、受刑者の首を刎ねるための機械。
名は考案者である医師ギヨタン(guillotine)の英語読みから。正式には「Bois de Justice」(正義の柱)という。
固定した首に、重く鋭い刃がレールに沿って勢いよく降りてくることで確実かつ迅速、無痛のうちに刑を執行するというシロモノである。
刑の執行の見た目や、使用目的、そしてフランス革命直後の恐怖政治期に乱用されたことから凄惨なイメージがつきまとうギロチンだが、大元の開発目的は死刑囚を苦しめずかつ確実に処刑するためである。
というのも人の首を一刀の下に切り落とすのは卓越した技術を必要とし、下手な者が行えば中途半端にしか切断できず、罪人は不必要に苦しみながら絶命を待つしかなかった。さらに刑の執行は首の切断を以て完遂とされるため、切り落とせなかった場合は切れるまで何度でも斬りつける必要があり、それが処刑人の精神や体力を蝕むこともあった。また一刀のもとに斬首した処刑人でも、日に十人以上処刑する日もあり、かなりの重労働であったという。
そういった事情から、この装置は死刑囚と処刑人の両方に配慮した実は慈悲深い装置でもあるのだ。
だが、こうして「誰でも」「簡単に」処刑が行えるようになった結果、何万人という人間が首を落とされる結果となったわけで、近代的な「合理的判断」というやつが必ずしも人間に利するものでないということを教えてくれる。
また、口で言うほど簡単ではなかったようで、斬首を目の当たりにした処刑人がショックのあまり心臓麻痺を起こしたという事例も伝えられている。
切れ味を良くするためにルイ16世が自ら「刃を斜めにせよ」と提案したというエピソードがある。後年その「切れ味の良くなった」装置で自らが首を落とされたという事実は皮肉である。なおルイ16世を処刑した際の刃は、今はイギリスのある蝋人形館で展示されているという。
また、恐怖政治の象徴として数々の人達をギロチン送りにしてきたロベスピエールの最期もそのギロチンであったという。なんとまたこちらも皮肉である。
他に廃棄物を少しずつ送りながら千切りのように細かく切断する廃棄物処理設備も、見た目や動きが似ていることからギロチンという。
タグとしては、形状の似ているものや重く鋭い刃物、首を狙ったプロレス技などに用いられる場合がある。
関連タグ
- ギロチンドロップ(レッグドロップとも言う):ハルク・ホーガンの海外での決め技。日本ではこちらではなく、アックスボンバーを決めとして使っている。
- アンディ:漫画『Red Raven』の主人公。得物がギロチンの刃。
- 機動戦士Vガンダム:非常に印象的な形でギロチンが登場する。
- 山崎竜二:超必殺技に「ギロチン」という名前の技が存在する。しかし痛みを感じさせぬよう一瞬で終わらせる実物と違い、首根っこを掴んで地面に擦り付けまくる明らかに相手をいたぶる気満々の技である。
- ウルトラマンA:〇〇ギロチンという切断技を多数持っているので、ギロチン王子の異名を持つ
- サガ3 : ギロチンアクスなる斧系武器がある。
- ギロチンカッター:『化物語』の登場人物。別にギロチンを武器にしているわけではない。
- ハサミギロチン:『ポケットモンスター』に登場する技。当たれば一撃で相手を戦闘不能にする。
- ベルリオーズ:『アーマード・コア4』に登場するキャラクター。機体名のシュープリスは断頭台も意味しており、エンブレムも同様。
- Homulilly:『劇場版魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』に登場する魔女。
- ギロチン・クワガタ:『遊戯王OCG』に於ける昆虫族のモンスターカード。
- ギロチンザウルス:『仮面ライダーV3』に登場する機械合成怪人。右手がギロチンの刃、左腋が首枷になっている。
- ギロチントカゲ:『科学戦隊ダイナマン』に登場するメカシンカ。鋏をトカゲと合成したところ、なぜかギロチンになってしまった。
- ペルソナ5:ペルソナ合体の方法がギロチン処刑