概要
防大38期はアニメ『宇宙戦艦ヤマト2205』において、改装ののち復帰したヤマト、新造された戦闘空母ヒュウガ、補給母艦アスカからなる「第65護衛隊」に配備されることとなった新人クルーの総称。名前の通り宇宙防衛大学(間違えやすいが現実の防大と違って正式名が大学校ではない)の38期生からなる。
中でも、38期の総代を務め、劇中で中心的な立ち位置となった土門竜介をはじめ、彼と仲のいい(また在学時は同じ班に所属していたと考えられる)京塚みやこ、坂本茂、徳川太助、板東平次、キャロライン雷電の6名を指すことが多い。
先輩として真田志郎、古代守、新見薫、山南修、安田俊太郎、尾崎徹太郎がいる。
一方で島大介の経歴書には防大の記載はなく、2194年に15歳(一般的に考えると中卒)で航宙軍士官学校に入学し、2198年に19歳で卒業してそのまま入隊しているため、防大の先輩ではないと思われる(同期入隊の古代進や平田一も同様)。ちなみに南部康雄も『2205』にて航宙士官学校卒業とされた。
宇宙防衛大学
宇宙防衛大学の具体的な意義とシステムはあまりはっきり描写されていないため不明。防衛大学と名がつくものの、現実の防大とは結構異なっている点が多い。
現実の自衛隊の場合、防大は幹部自衛官(いわゆる士官)を育成するための学校で、高卒相当でないと入学できず、在籍期間は通常4年、さらに卒業後は幹部候補生(いわゆる士官候補生)となって幹部候補生学校でさらに半年~1年程度学んだうえで正式入隊する。
一方の宇宙防衛大学は入学要件や在学期間、卒業後に軍に入隊するまでの過程も曖昧。
『2199』では真田たちは20代で防大に在籍しており(第17話より。さらに設定によると真田と新見はMIT卒業後に防大に進んでいる)、一方で『2205』の土門達は年齢的に中卒で入学している。
卒業後についても、キャラ設定と劇中描写を見る限り卒業後すぐさま入隊で、士官学校等は経ておらず、航宙士官学校との関係性も不明。
そもそも200年後の教育システムが現代と同じとは限らないが、仮に同じだったとしてもガミラス戦争という人類の存亡をかけた大規模戦争をしていた以上、宇宙防衛大学のシステムもそれに対応して変遷している可能性が高い。
考察の一つとして挙げられているのは、『2199』の全記録集で解説された2199年時点の組織図に士官学校が載ってる一方で防大が載っていないことや、航宙士官学校に在学していたとされるキャラがガミラス戦争真っ只中に教育を受けていた古代達の世代に偏っていることから、航宙士官学校は戦時中に速成教育を目的として防大の代わりに運用されていたものなのではないかというもの。
その場合、もし防大が閉鎖されていれば「期」はその分ずれるし、戦後に復活した際に人材不足の深刻さから入学年齢を引き下げた可能性もある。そうなってしまうと宇宙防衛大学の設立年を逆算で導くことはできず、キャラクターの年齢から第何期生なのかを推測することも不可能となる。
上記のはあくまで視聴者の考察に過ぎないが、いずれにしても宇宙防衛大学の在籍者は年齢層に幅が見られる(そもそも現実の大学でも1、2歳差の同期というのはざらにある)ため、先輩達が何期生か推測するのはかなり困難である。
メンバー
「土門班」(仮)
38期の面々でも土門を中心に特に仲の良い面々。彼らの飾っている写真に教官らしき人物と共に写っていることから、防大在籍時になんらかのグループに属していたと考えられる。そのため、成績トップだった土門の名を用いて、仮に「土門班」呼ぶことにする。
所属する面々についてはそれぞれの個別記事参照。
- 黒髪の青年(左)
- 集合写真の左端、土門のすぐ隣に写っていた青年。『2205』劇中では写真に登場するのみで、どういった人物か不明であるが、彼の正体についてはBDのブックレットや特典シナリオ集などで触れられている。その正体は...
- なお、配属先がアスカであるキャロラインも同期たちにわざわざ顔を見せに来ていた(おそらく雪艦長の付き添いついでに立ち寄ったのだろうが)ことから、顔を見せに来る様子が無い黒髪の彼は第65護衛隊には乗り組んでいないと考えられる。彼の正体と目される人物の背景から考えるに、軍を離れざるを得ない状態に陥っている可能性もある。
- 教官と思わしき人物(右)
- 1人だけ学生服でなく緑色の軍服を着ていることから、「土門班」の指導教官だったと思われる人物。
- シナリオ集によると正体は旧作のあの人で、リメイクではこの人の兄というポジションらしい。なお、顔に大きい傷があるのが特徴だが、これがガミラスとの戦いでできたものか、ガトランティスとの戦いでできたものかは不明。一部ファンは、「土門たちは『兄』の忘れ形見だから特に目をかけている」と考察している。ただ、雷電の入学がガトランティス戦役後なので、さすがに死んではいないと思われる。
- 余談ながら、旧アニメ版ではそんなに出番がなかった「彼」であるが、松本零士が主体となっているゲーム版ではそれなりに活躍の場を与えられており、そこでは参謀が着る緑色の軍服に袖を通している。写真に写っている姿を見てゲーム版の「彼」の姿が思い浮かんだファンも決して少なくないはず。
その他のメンバー
- 栗哲夫
- 劇中において最大級のやらかしをしちゃった機関科のメンバー。まあ、彼に速度を間違えて伝えた太助も太助なのだが...
- 灰色髪の青年と茶髪の青年
- 念願のヤマト配属が決まった太助に「父親がヤマト配属だったから花形部署に配属された」と難癖つけてきた2人。片方は板東と取っ組み合いの喧嘩になった。その後の配属先は不明。
- 名前は決まっていない…が、2022年2月に行われたオンラインヤマトークによると、脚本担当の岡秀樹は西尾と東田なんじゃないかと妄想しているらしい。
- ポニーテールの女の子
- 先述の2人と坂東が取っ組み合いの喧嘩をしていた際に、みやこと話していた子。登場はこの一瞬だけで配属先も不明。
このほかにも、第65護衛隊に配属される際の行進などで写るキャラクターが多数いる。
『2199』ではちょい出しのモブにもきちんと名前がついている先例が数多く存在するため、彼らの名前や設定が公開される日もそう遠くないと思われる。信じて待とう。もっとも、『2199』時とは主要スタッフが異なるので、同じ拘りがあるとは限らないが…