概要
映画『仮面ライダーアギト PROJECT G4』に登場する、グンタイアリに酷似した超越生命体。
自衛隊の超能力秘密研究施設を壊滅させた後(レイ、紗綾香、水城を除いて全滅)、インターネット上の「ESPクイズ」というゲームを(無自覚に)超能力を使ってクリアした人間を感知して次々と殺していった(最初の事件から2ヶ月も経っており、彼らの総数から察するに相当数の人間を殺している事が窺える。)。その後、風谷真魚が拉致された際、真魚が発する力に反応して自衛隊のG4システム運用基地に集団で襲撃をかける。
蟻の怪人だけあって、他のアンノウンとは違い、リーダーである女王、部隊を率いる隊長、その指揮下にある多数の戦闘員という、明確な階級と役割がある。
また、普通の超越生命体がターゲットと定める人物が一体につき1人、多くてその肉親など少数だったのに対し、アントロードは自分達のテリトリーの範囲内で超能力を発揮した人物を感知して殺すだけでなく、超能力者でない人間も襲って殺していた。
そもそも「闇の力が自分の生み出した人間達を愛している」ために「アギトの力を持たない人間を殺すことは極力禁ずる」という掟があり、ターゲット及びそれの殺害を妨害する者(ここでは「研究施設の自衛官達」がそれに当たる)以外の人間を襲うことはなく、もし仮に禁を破ったアンノウンは闇の力から制裁が下されるはずだが、冒頭の自衛官達はともかく終盤の深海理沙はその様な状況ではないにも関わらず殺害しているが、一切の制裁を受けていない。
一応は、殺害前に例のサインを描いている為、闇の力から課せられたルールには則っているようである。
余談
平成ライダーでは初の「無数に登場する怪人」であり、後の作品では戦闘員として扱われることが多い。ペデスとエクエスのモチーフもショッカー戦闘員である(リーダーが赤いのもその為)。
よく勘違いされるが、「ESPクイズ」をばら撒いたのは彼らではなく、G4システムに組み込む超能力者を探すために深海理沙がばら撒いたもので、彼らはそれを上手く利用して不可能犯罪を行ったに過ぎない。
各個体
フォルミカ・ペデス
CV/安井邦彦、穴井勇輝、野村義男、寺沢功一、JOE(アギト)、塩野勝美(アギト、ディケイド)
※メインイラストの怪人
黒アリに酷似した姿を持つ。個体名の意味は“歩兵の蟻”。身長207cm、体重150kg。
周囲30kmの範囲を網羅する感知能力、何でも噛み砕く強靭な顎、そして口から出す強力な蟻酸が武器で、蟻酸を浴びた者は溺死したかのように窒息死する(実際の蟻酸が引き起こす症状に呼吸困難がある為、溺死に結びつけるのは理に適っている)。鋭い牙によって人間を骨まで一片も残さずに食い尽くすこともある他、地中を時速65kmで掘り進む。
個体名からも分かるようにアントロードの中では最下級に属する「働きアリ」で、超能力者の抹殺は主に彼らが行う。
地下に存在する彼らの巣の中には夥しい数のペデスが存在し、そこから地中を時速65kmで掘り進んで大量の同胞を引き連れて出現し、その圧倒的な数を活かしての物量戦を得意としている。しかも天上に張り付くなどの奇襲戦法も得意であり、中々に厄介な存在である。
また、終盤の展開を見るに肉食性と思しき描写がある。
普段は統率のとれた動きを見せているが、統率者のフォルミカ・レギアやフォルミカ・エクエスが斃れると途端に統率が乱れる様な描写がある。
戦闘力には個体差があるらしく、自衛隊の超能力秘密研究施設でG3-Xと対決した個体やギルスと単独で対決した個体は彼らと同等に戦えたが、その後の集団で登場した者たちはただの戦闘員クラスにまでレベルダウンしていた(必殺技や火器ではなく、G4の拳打だけで死んだ個体もいる始末である)。
アギト、G3-X、ギルス、G4との激戦でその数を減らしていき、最終的には全個体が掃討されたと思われる。
フォルミカ・エクエス
CV/柴本浩行
赤アリに酷似した姿を持つ。個体名の意味は“騎士階級の蟻”。身長210cm、体重158kg。
大多数のフォルミカ・ペデスを指揮する部隊長(グンタイアリの「メジャー」位階に相当するものと思われる)。
大勢のペデスにターゲットを確実に撲滅させ、それでも敵わない相手には、怪力とジャッカルロード(スケロス・ファルクス)やクロウロード(コルウス・カルウス)が使っていたものと似た形状の大鎌を武器に自ら襲いかかる。また、フォルミカ・レギアの身辺警護の役割も担っている模様。また、自身も窒息させる蟻酸を吐くことが可能。
アギト&G3-Xとの初戦では多数のペデスを率いて襲いかかるが、G4の乱入で部下の大半を失った為、どさくさに紛れて一時撤退。
その後のG4システム運用基地襲撃では施設内に突入していたギルスと真魚を救出するため現場に来ていたアギト・バーニングフォームをレギアと共に迎え撃ち、レギアによりギルスが片腕を切り飛ばされて戦闘不能状態に追い込まれたため、2対1という有利な状況でアギトと戦う。
しかし、戦闘不能に陥ったはずのギルスがエクシードギルスとなって強化復活を遂げたために形勢は逆転。最後はエクシードギルスのギルススティンガーで動きを封じられ、エクシードヒールクロウを喰らい爆死した。
クイーンアントロード フォルミカ・レギア
CV/鶴ひろみ(アギト)、森夏姫(ディケイド)
女王アリに酷似した姿を持つ。
アントロードを統率し指揮する、最高位の存在。
個体名の意味は“王族の蟻”。身長212cm、体重152kg。
女王アリだけに普段は地下の巣の中で待機しているが、エクエスですら歯が立たない強敵が現れた場合は自ら出陣する。
「黄泉の鎲」(読みは恐らく「よみのとう」)という、鋭い切れ味を誇る三叉の槍を武器とし、ギルスやアギトを力任せに容赦なく捻じ伏せ、更にギルスの片腕を難なく切断するなどの高い戦闘力を持っている。
G4システム運用基地襲撃に際してこれまでの戦いの報告をエクエスから受けていたらしく、真魚を救出しに来たアギトとギルスの前にエクエスを伴い出現。ギルスの片腕を切り飛ばし、バーニングフォームへとフォームチェンジしたアギトも圧倒するが、最後はシャイニングフォームに覚醒したアギトのシャイニングライダーキックを受け爆死した。
客演情報
仮面ライダーディケイドの『アギトの世界』においてペデスとレギアがバッファローロードの直属の部下として登場。
ペデスは原作では素手だったが、こちらではスコーピオンロードが使用していた「冥府の斧」、ビートルロードが使用していた「義憤のモルゲンステルン」、地のエルが使用していた「敬虔のカンダ」に酷似した武器を用いてグロンギや仮面ライダーと戦った。
ディケイドと対決した個体はグロンギ語で話しかけられたが、グロンギではないので通じるはずもなく、ディメンションブラストで倒された。
レギアもG3-Xの頭部を大破させ、ディケイド達を追い詰めるなど、戦闘力の高さを垣間見せたが、最終的にはアギトのライダーキックから上司のバッファローロードを庇い戦死。
オールライダー対大ショッカーではペデスとレギアが登場し、ディケイドやアマゾンライダー、アギトと戦闘を繰り広げた。
レギアは『仮面ライダーウィザード』第53話でも魔宝石の世界の怪人として登場しており、仮面ライダーファイズのスパークルカットで斬り裂かれ爆死した。皮肉にもアギトに似た新人類に倒されるという末路であった。
余談
ペデスのスーツは10体造られ、画面上では合成により更に多数にしている。
モチーフは、ペデスがショッカーの黒戦闘員、エクスが赤戦闘員。レギアは修道女っぽいイメージを入れてSM武装シスターのような所を狙ってデザインされている他、レギアはアリの眼のパーツを楕円形(他2種は丸型)にすることで差別化されている(『完全超悪』より)。
関連タグ
アリアマゾン:『仮面ライダーアマゾンズ』に登場する、アリの怪人。女王アリが多数の働きアリを統率する。