概要
警察庁内部では係官か係長、警察署では課長・課長代理、道府県警本部の課長補佐、警視庁本部の係長、機動隊等の中隊長クラス。警察官全体の5%前後しかいない。
キャリア(国家公務員採用総合職試験の合格による採用者)では、基本的に警察に採用後、1年たてば自動的に警部に出世する。一方、ノンキャリアでは最速で出世を積み重ねても、30代後半にならないと警部まで出世することは不可能。また、ノンキャリアが警部に昇進するためには、昇任試験に受かる必要がある。
ノンキャリアでは、そもそも警部になれず、警部補で定年を迎える者も珍しくなく、警部以上にまで出世できるノンキャリアというのは、かなりのエリートである。
キャリアとノンキャリアでは、出世速度の格差が非常に大きいが、そもそもキャリアは年に30人程度しか採用されない超エリートであり、その格差もむべなるかな。例え東大卒であっても、ノンキャリアという人は珍しくない。
推薦制度
昔存在したノンキャリア警察官の出世制度。警視庁以下道府県警察から30代で警部補か警部に昇任した者を警察庁の警察官として出向させる制度。この経験がないと国家公務員(地方警務官)たる警視正にはなれない不文律があったらしい。
出向するとキャリアのように警視庁以外の地方警察本部に全国転勤した。最終的には警視長に昇任、小規模県警の本部長に就任した。現在ではこの全国転勤制度は無くなり、国家公務員二種合格者から準2キャリアを採用することとなった。現在では二~三年出向して元の警察に帰県する。
警部の階級を持つキャラクター
作品名(シリーズ・五十音順) | キャラ | 備考 |
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相棒 | 杉下右京 | |
仮面ライダーアギト | 小沢澄子 | 役職名は管理官。最終決戦後は警視庁を辞め、西ロンドン大学の教授となった |
ガジェット警部 | ガジェット警部 | 外国語版では「inspector」。その階級の位置付けは、日本の警察における警部と同一でないことが多々ある |
キョロちゃん | グリグリ警部 | |
金田一少年の事件簿 | 剣持勇 | |
ついでにとんちんかん | 毒鬼悪憎 | |
十津川警部シリーズ | 十津川省三 | |
特救指令ソルブレイン | ソルドーザー | |
ピンクパンサー | クルーゾー警部 | |
名探偵コナン | 目暮十三、白鳥任三郎、中森銀三 | |
勇者警察ジェイデッカー | 友永勇太 | |
ルパン三世 | 銭形幸一(メイン画像) | |
レイトン教授シリーズ | チェルミー警部、グロスキー警部 |
警部ではないが警部と呼ばれている人
コロンボ(刑事コロンボ) - 吹き替え翻訳の都合で、劇中ではこう呼ばれている。原文の階級はLieutenant(ルテナン)で、日本での巡査部長にあたる「sergeant」(サージェント)の上、部長にあたる「captain」(キャプテン)の下。ただし、アメリカの制度では署長を務めることもある立場であり、実質的には日本の警視が近い立ち位置となる。
ハロルド・ジャップ(ポアロシリーズ) - 原作での表記は“chief inspector”(主任警部)で、日本語に翻訳される際には“警部”と訳される。ちなみに、ドラマ版ではシリーズ後半で“assistant commissioner”(警視監)に出世した。