概要
少年漫画『BLEACH』に登場する勢力、及びそこに所属する戦闘員の呼び名。
通常時は作中世界の天国に当たる『尸魂界(ソウルソサエティ)』に存在しており、基本的には下記する『護廷十三隊』という組織に属している。
護廷の名前の通り、主な任務は靜霊廷と言う死神の街と、その周囲に存在する流魂街の守護を行っており、現世には駐在員のような形で各地区に一人か二人の死神が派遣されるだけである。
特徴
BLEACHにおける死神は、死神と聞いて思いつく一般的なイメージである『黒いローブを着込み、大鎌を持った骸骨』という姿とは大きく違い、『人間と変わらない姿に時代劇の様な黒い袴と着物を着込み、腰に刀を差している』という独特のものであり、一見するとマニア受けしかしない様な姿である。
しかしながら、後出の数々の要素が日本のみならず世界的にも受け、後の漫画家やクリエイターに大きな影響を与えている。
ちなみに戦闘員というイメージが強いのだが、一般的な死神の業務は魂魄(所謂「整(プラス)」と呼ばれる普通の幽霊)の回収やその後始末であり、悪霊「虚(ホロウ)」ともそれ程頻繁に戦っている訳ではない。虚と戦う際も一般的な死神の戦い方は集団戦や不意打ちが定石とされており、死神が必ずしも戦闘に秀でているという訳でもない(但し副隊長及び隊長クラスは戦闘力が全員高いので、これに属する死神は戦闘にも秀でていないといけない傾向にある)。
さて、この死神というのは人間とは全く異なる存在というわけではない。BLEACH世界では霊圧が高い霊はその辺の電柱やパイプ椅子で殴っただけでダメージが通るという大雑把な世界観であり、死神もその軛から逃れられない。
尸魂界における行政は殆ど死神が担っており、江戸時代の侍と同じように死神は公務員的な立ち位置にあると言ってもいい。そして、この死神になるには「真央霊術院」という学校に通う必要があるのだが、素養さえあれば尸魂界の住人ならば誰でも入学できる。
つまり、生前が普通の人間、あるいは一切死神の血を引いていない尸魂界住民同士の子孫であっても、練習さえすれば死神になれるのである。故に、元々虚や破面だったとしても、生前の罪が洗い流されるレベルであれば、その後に死神に転生できる可能性は0ではないのだ(作中では特に語られていないが)。
従って死神と人間は、限られたケースであれば混血が可能であり、ネタバレになるが主人公である黒崎一護や、その息子である一勇もそうだったりする。
なお、死神も霊であることには変わりないため、体重や血液型まで存在するが、現世においては壁抜けなども可能で、霊感の高い者以外には見ることも声を聞くことも出来ない。
死神はあまり現世に行くことは無いので、長期間現世で活動したり、著しく霊力を失ったりした場合には「義骸」と呼ばれる予備の肉体を使用する。
外見
死覇装(しはくしょう)と呼ばれる黒い生地の着物と袴に身を包んでおり、腰には斬魄刀と呼ばれる刀を差している。
いわゆる隊服に当たるものであるらしく、基本的には死神でなければ着ることは許されていないようで、尸魂界において死神以外の人物が着ることはない。
男女ともに同じデザインであるが、追加で装飾品をつけたりノースリーブにしたり等のアレンジは許可されている。
護廷十三隊
死神が結成している組織。
現世での業務として、現世に存在している整と呼ばれる善なる霊を(語弊はあるが)天国である尸魂界に送る事と、虚と呼ばれる悪なる霊を清める事を目的としている。虚は基本的に現世にいてもただ暴れまわって迷惑をかけるばかりなので斬魄刀で倒すしかないが、その場合は生前の罪がそこまで重くない場合は罪が洗い流され、尸魂界に昇天する。生前も悪人であれば、残念ながらクシャナーダに貫かれて地獄行きである。
尸魂界では、主に靜霊廷を虚を始めとする数々の脅威から守る事を業務としている。
主な戦闘方法
大きく分けて『走・拳・斬・鬼』と呼ばれる四つの戦闘方法が存在しており、其々の正式名称を、歩法・白打・斬術・鬼道という。
白打とは体術全般の事であり、斬術とは斬魄刀を使った戦術の事を言うが、斬魄刀を使った戦術は必ずしも剣術と言う事では無い。理由は後述。
鬼道は所謂魔法に当たり、歩法は作中では霊子を使った移動方法に当たる。
斬魄刀(斬術)
BLEACHと言う作品最大の人気要素。
死神一人ずつに支給される専用の武器であり、要するに一般的にイメージされる死神のデスサイズ(鎌)にあたるもの。
普段は日本刀の形をしているが、使い手によって様々な能力を有しており、個々の刀には自我が存在している。
云わばマジックアイテムであり、同時にBLEACH作品における特殊能力のイメージそのもの。単なる武器やアイテムとしての枠を超えた人気を獲得しており、斬魄刀票なる人気投票が開催された程である。
最大の特徴として始解と卍解と言う特殊能力を持っており、其々の詳しい解説については各当該項目を参照。
始解をした段階で斬魄刀の形は元の『日本刀』の形から大きく変わってしまい、刃の形や大きさが変化するのはまだ変化の小さい方で、殆どの場合が槍や暗器と言った別種の武器に変化する。鬼道系と呼ばれる物の中には、この状態で炎を操る、氷を操ると言った能力を発動させる事も多い。(斬魄刀の形が変わらない場合もある)
卍解に至ると、完全に刀の姿形を消滅させてしまい、最早刀とは名ばかりの破壊兵器となることが多い。(但し例外はあり、刀の形が解放前や始解時とそこまで変わらないケースや逆に小型になる斬魄刀もある)
鬼道
所謂魔法の類。此方もまた、BLEACHと言う作品の中で強く人気となっている要素。
死神が自身の霊圧や霊力を使って発動する呪術で、大きく分けて遠距離攻撃を操る『破道』と、捕縛や防御などの戦闘支援を行う『縛道』の2種類に分かれており、それぞれ一番から九十九番までが存在する。更に傷の治療や霊圧の回復を行う『回道』が存在している。
最大の特徴として、技を発動させる際の呪文の詠唱があり、同系統の鬼道には呪文に使われる言葉が重複している。
高い鬼道の技術を持った死神であれば、それらの呪文を唱えずに発動する事の出来る「詠唱破棄」と言う技術を使う事もできる。ただし、これは高等技術な上に、詠唱破棄の鬼道は普段より威力が落ち、高位の鬼道ほど制御が難しくなる。
その呪文に使用される独特の詩は、後続するバトル系のラノベやマンガに強い影響を与えており、この作品以降、魔法系の戦闘に置いて詠唱破棄と言う言葉が創作作品の中で使われる様になった。
白打
体術全般の事。
作中では二番隊以外にはあまり使用している描写は無いが、総隊長の山本元柳斎も極めている描写があることから、どの部隊員も一通り使用できるようである。
歩法
霊子を使った移動方法の事。
いくつかの種類があり、その中でも『瞬歩』と呼ばれる技術は作中でもよく使用される。