ロブ・ルッチ「無駄に耐えるな…おれ達は人界を越える技を体得してる」
「長い訓練を重ね人体を武器に匹敵させる武術"六式"」
「これを極めた一人の強度は百人力に値する」
概要
定義 | 人体を武器に匹敵させる六つの体技の総称 |
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概要 |
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「覇気」を利用した極限まで肉体を鍛え上げた者のみが体得を可能とする、特殊な体技の総称(勘違いが多いため記述するが、「六式=覇気そのもの」という理解は正確ではない)。
「指銃・鉄塊・紙絵・剃・月歩・嵐脚」の6種類が存在し、これら全ての技を会得した者を「六式使い」と呼ぶ(全てを完全に体得していなくても、修得した数に応じて「〇式使い」と呼ばれる事はある)。
基本となる上記の6種の他、体得者個人の能力や発想力に応じて様々な応用や発展技が開発されており、細分化すると把握しきれない程のバリエーションが存在する。
熟練の六式使いの戦闘力は文字通りの「百人力」であり、単独での格闘戦のみならず中遠距離戦さえも徒手空拳だけで対処、あろう事か空中戦までその身一つで華麗にこなす、正しく「超人」である。
理屈上(頑張れば)誰でも会得できるが、基本的に世界政府の直下機関に所属する人物や政府関係者が扱う戦闘術とされている。特にCP9はこの体術の習得を基本としている。
もちろん彼ら専用ではないので海兵にも少なからず習得者がおり、コビーやたしぎを始めとする海軍将校たちが劇中でそれぞれ1~3種類ほどの六式を使用している。
しかし現時点で6つ全てを使用した描写があるのは(旧)CP9のメンバーのみとなっている(使用した描写はないが六式全てを体得済みと設定されているキャラとして黒腕のゼファーがいる)。
『VIVRE CARD ~ONE PIECE図鑑~』によれば、「覇気」と関連性があるとされており、鍛錬方法は「覇気」の修業と類似しているとのこと。
同時に、作者描き下ろしのゼファーの過去の設定画(1000巻収録)では、「下士官の時点で六式を修得。そして34歳で覇気を習得」と覇気とは区別がなされてもいる。
能力を得た者の身体能力が純粋に強化される傾向がある動物系の悪魔の実とはシナジーが高く、特に鋭い爪や強靭な筋肉を有する肉食の動物系との相性は抜群。
自然系との相性は不明だがこの体技と相性の良い超人系の能力は存在するようで、本編ではルフィがゴムゴムの実と六式を併用している他、ビッグ・マム海賊団の一部所属者が六式による空中移動をしつつ能力を発動したと思われる描写が描かれている。
それらを使いこなせる程に鍛え上げられた(または強化された)超人的な身体能力の持ち主・格闘術やそのセンスに優れる者ならば、六式そのものの概要や理屈を詳しく知らなかったとしても(極論、見様見真似であっても)再現する事が可能。
実際、ルフィはギア2によって身体能力を強化した際に「剃」を見様見真似で再現、サンジはカマバッカ王国での修行の成果として我流の「月歩」とも言える技「空中歩行(スカイウォーク)」を体得し、両者ともに完全に自分の技としてものにしている。
六式の力は使用者の実力(道力・悪魔の実の能力)次第でいくらでも変化するため、各使用者の威力・速度・防御力にはかなりばらつきがある。
種類
鉄塊(テッカイ)
内容 |
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呼吸を整え仁王立ちに構えた全身の隅々にまで力を込めることにより、鍛え上げた肉体そのものを鉄の装甲にも匹敵する程硬化させる防御技。
また発動時の硬度を利用した攻撃型の派生技が多く存在する。
しかし基本的に発動中は硬化を維持するためにほとんど体を動かせない上、電撃や高熱等の単純な運動エネルギーに依存しないダメージとは相性が悪い。
また、増した防御力を物ともしないほど高火力の攻撃には当然ながら限界が存在し、受けていい攻撃と駄目な攻撃をちゃんと見極める必要があるなど無条件で信頼できる防除手段というわけではない。
バリエーションとしては、事前に勢いを付けてから使用することで硬化したまま相手に迫る「輪」や「砕」、相手の攻撃に合わせて発動し相手の手足や武器を破壊するカウンター技「空木」、徹底的に防御力を突き詰めた「剛」等が存在する。
鉄塊拳法
ジャブラのみが体得している体術。
前述した鉄塊の「発動時は動けない」弱点を克服し、全身に鉄塊を掛けたまま自在に活動する事を可能とした体術。
全身が硬化した状態なので、防御力も然る事ながら攻撃各種も重みを増している。
指銃(シガン)
内容 |
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全身の筋肉が起こす力を一点に集約させ、それを硬化した指先に乗せて電光石火の強力な突きとして相手に撃ち込んで放つ攻撃技。
要するに極限まで威力を高めた一本貫手。
その威力は人体を紙のように貫くほど強力。
CP9新入りの四式使い・ネロが鉄塊と共に未修得だった技であり、頑健な肉体強度がなければ使いこなせないと考えられる。
ゴムのような柔軟性や弾力性に富むものには通用し難いが、鋭い爪を持つ動物系の能力者であればその心配も無い。
バリエーションとしてはかめはめ波のように合わせた両手の全ての指を同時に叩き込む「十指銃」、威力はそのままに遠距離の相手を打ち抜ける「撥」、猛スピードで連射して相手をハチの巣にする「黄蓮」や「斑」等がある。
また、本人の持つ能力と併用すれば鼻や、髪の毛でも同様の技が可能。
獣厳(ジュゴン)
指銃のスピードで放つパンチ。
作中ではフクロウが使用。
フクロウ本人は得意技のように使用しているが、恐らく指銃を修得する過程で覚える(もしくは指銃を開発する過程で生まれた)、過渡期の技ではないかと推測される。
紙絵(カミエ)
内容 |
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敵の攻撃から生じる空気に身を這わせて、紙の如くひらりと相手の攻撃をかわす防御技。
「見聞色の覇気」の効果を不完全ながらも再現しているようにも見える。
鉄塊を「剛」とするなら、こちらは「柔」の防御技。
特に打撃攻撃との相性が良い。
一方で相手の攻撃を「紙一重で避ける」特性に加え、鉄塊と併用する事は出来ない為、攻撃範囲を読み違えるとダメージを受けてしまう恐れがある。
また、当然満足に体を動かせない状態では使用自体が不可能。
派生技や応用技は少なく、フクロウが使用した「軟泥」、ルッチの使用した「生命帰還・紙絵武身」程度しかない。
両者とも「体の形自体を変形させている」という特徴があるが、後者は「生命帰還」と併用しているようで純粋な紙絵として評価しづらい。
剃(ソル)
内容 |
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注意点 |
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発動の瞬間に地面を10回以上蹴って、その反動エネルギーに乗って爆発的な速度で移動する技。
鍛錬を重ねることで移動中の方向転換等も細かく行える。
ウォーターセブンで戦闘したCP9の「剃」を視認する事が出来たルフィは、ギア2により身体能力を上昇させることで再現に成功した。
常人では「剃」を行使している者の姿を捉えることすら難しいが、あくまで「単純な移動技」でしかないため相手の力量によっては移動中や移動先を見切られてしまう。
コビーやブルーノの「剃」はルフィに見切られて、ルフィの「ギア2(剃)」もミホークにあっさりと見切られてしまった。
また、研鑽を積んだ2年後のルフィの「ギア2(剃)」も見聞色の達人であるカタクリにはあっさりと見切られてしまっている。
原作の初期に登場したキャプテン・クロの使用する高速移動術「抜き足」に似ているが、SBSによるとCP9の「剃」の速度は100mを4秒台(秒速25m)で移動できるクロの必殺技「杓死」とほぼ互角とのこと。
但し上記『概要』でも説明している通り、六式の力は使用者の実力次第で何倍も変化しうるため、この情報はあくまでも基準値との比較に過ぎず、各個人の「剃」を考慮すると信憑性が非常に低い(詳しい理由などについては下記の『補足』で説明)。
ルッチなどのような達人クラスは100mを4秒台より速く動けてもおかしくないということである。
- 補足
SBSなどの公式情報から「剃」という技自体が"必ず"キャプテン・クロの「杓死」とほぼ互角の速度という理解が多いが、比較対象としているCP9の「剃」は全員同速なのか、という点については
- CP9メンバーの中でもルッチ達の「剃」は残像がいくつも残る程の瞬間的な移動速度なのに対して、新入りネロの「剃」だけは超高速ダッシュのような移動になっており、明らかに差が生じていること
- ルッチが後出しで「剃」を使用してネロの「剃」に容易く追いついていること
- ルッチがブルーノでも全く目視できなかったルフィの「ギア2(剃)」の速度に張り合っていること
- ルフィはルッチの「紙絵武身」による「剃」を目視できていないこと
などから簡単に否定が可能である(ネロは未熟者であるが故に『CP9』の基準に達していなかったとの見方もできる(ルッチからも「お前は超人ではない(意訳)」と一蹴された)が、ルッチとブルーノは両者の道力が5倍近く開いていることを考えても明らかに対等ではない)。
他にもにルフィの「お前らが消えるように動く時一瞬に地面を10回以上蹴って移動してんのが見えた」というセリフだが、これは前述したネロの描写と矛盾する。
まあこれも前述した通りネロが未熟者だっただけともとれるが、裏を返すと「剃」と認定される最低限の速度と『CP9』の使用する「剃」とでは速度が違うということ、そして10回"以上"という曖昧な表現からはルフィが使用を確認した四人がそれぞれ異なる回数のキックを行っており最低回数が10回だったのだろうことが推察できる。
このため、「“剃”の速度は、100mを4秒台(秒速25m)で移動できるキャプテン・クロの“杓死”とほぼ互角」というのはあくまでも基準値であり、実力が高ければ高い程速くなっていくらしいことが読み取れる。
他にもSBSの当該記述からは
- 「剃」の体得者はCP9だけではないこと
- 「剃」の使い手が数多く存在する中で、誰の「剃」を基準にしているのか不明
などの点に関しての情報は無く、そのまま鵜呑みにできるものではない。
※公式が出す情報は基本的にそのまま鵜呑みにしても大丈夫だが、ごく稀にこのような信憑性の低い情報が発信されることがあるため、「公式情報だから」と安易に鵜呑みにするのではなく、どんな情報も真偽を見極めることが重要だ。
月歩(ゲッポウ)
内容 |
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強靭な脚力によって空を蹴り、格ゲーの二段ジャンプの如く宙に浮く。
体得者の体力と脚力が持続する限り使用制限は無く、上級者ともなれば足踏みするように空を蹴り続けての滞空はおろか、体を跳ばすような形での飛行さえも可能となる。
初披露時のブルーノの台詞及び『ONE PIECE YELLOW』によれば「剃」の応用技であり、「剃ができるなら月歩もできる」模様。
サンジがカマバッカ王国で会得した「空中歩行」と同質の技である。
ちなみにアニメに登場するバーンディ・ワールド、映画に登場するダグラス・バレットも使用を可能にしている。
ルフィがギア4状態で行う空中移動は原理としてはこれに酷似している。
剃刀(カミソリ)
ルッチが使用した体術。「剃」と「月歩」を融合したような移動技で、鋭い軌道と恐るべきスピードで空を駆け抜ける。
ギア4状態のルフィもドフラミンゴに対して、これと酷似した移動技を使用しているような描写がある。
嵐脚(ランキャク)
内容 |
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凄まじい速度で脚を振り抜くことで、蹴りから扇状の鎌風(飛ぶ斬撃)を放つ攻撃技。
蹴り自体よりも鎌風による中遠距離攻撃が主であり、その威力は本物の刀剣類の切れ味にも匹敵する。
熟練の嵐脚であれば石材や鋼鉄をも切り裂く。
ちなみに鎌風を刀で受け止めると太刀音が鳴る。
基本的にどんな体勢からでも繰り出せる上、体術でありながら遠距離戦闘にも対応可能と汎用性が高い。
時には紙絵や鉄塊では対処し切れない攻撃を捌く為に使われたりもする。
その汎用性の高さからか、派生技のバリエーションはかなり豊富。
一直線に突き進む斬撃を放つ「線」、相手の頭上から巨大な斬撃を打ち下ろす「白雷」、体ごと回転させた遠心力を利用して特大の斬撃を巻き起こす「周断」等々。
地味に劇中にて現職として登場した(スパンダム以外の)CP9全員が一回以上繰り出した唯一の六式である。
特にカクはこの嵐脚を最も得意としており、自前の長ドス二刀流に両足からの嵐脚を加えて「四刀(流)」を自称している。
2年後のルッチは、劇場版『ONEPIECE STAMPEDE』で大型バレット(島1つ分の大きさはあろうかと言う鉄の怪物)の右腕を粉々に吹き飛ばす程の絶大な一撃の威力を発揮した。
番外
手合(てあわせ)
内容 |
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六式を利用した「遊技」。相手から攻撃を受ける事でその者の体術のレベルを正確に測定し、『道力(ドウリキ)』と呼ばれる単位で指数化する。
武器を持った平均的な一般衛兵1人の戦闘力を10道力とし、歴代最高値はロブ・ルッチが叩き出した4000道力。
スパンダムによれば500道力もあれば十分に超人の域にあると言う(ちなみにスパンダムは9道力。身一つで武器持ちの兵士に匹敵すると考えると十分凄いが)。
なおあくまで体術のレベルだけを測定するものであり、武器や悪魔の実の能力などが加わるとなればその数値は絶対的なものではなくなる。
ちなみに「見聞色の覇気」は熟練していくと相手の強さを推し量ることもできるようになるが、それを応用したものなのかは不明。
六王銃(ロクオウガン)
内容 |
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六式の全てを極限まで高めた者のみが使える究極奥義。
両手の握り拳を相手に当て、衝撃貝(インパクトダイアル)の何倍もの威力に匹敵する衝撃を相手の体内に送り込む。
防御不可能な正に一撃必殺の技。
「武装色の覇気」の高度な技術と酷似している。
豹形六式(ひょうけいろくしき)
『ONEPIECE YELLOW』で初めて明言されたルッチが使用する体術。
極限にまで高めた「六式」の技と、動物系の能力を融合させて完成した「六式」の究極形とのこと。
前述した六式のバリエーションの内のいくつかも含まれると思われる。
嵐脚 豹尾(ランキャク ヒョウビ)
「嵐脚」の豹形バージョン。
発射された斬撃は豹の尾のように回転し、軌道上のことごとく切り刻む。
関連項目
ONEPIECE 覇気(ONEPIECE) 海軍(ONEPIECE) CP9 生命帰還
波動球:技の前に「(漢数字)式」と付くが特に関係は無い。
百式:こちらも「(漢数字)式」と名前は似ているが特に関係は無い。というか技ですらない。