データ
概要
皇帝バッカスフンドによって廃棄されたメカが集合し、合体して誕生したマシン獣。
廃棄物(厳密には機械の残骸等のスクラップが合体し生まれた為、無造作な外見をしており、バーロ兵の部品などが体の各部に見られる。
「バラリベンジャー」という名はアチャが付けたもの。
捨てられた怒りを皇帝に向け、復讐を果たそうとするも返り討ちに遭い、地球に逃げ込む。バッカスフンドを倒せる力をつけるために中央エネルギーセンターを襲い、エネルギーを蓄えている最中にオーレンジャーと遭遇するが、無駄な戦闘をすることなく去っていった。
他のマシン獣と違い情を持ち、あくまで敵はバッカスンドのみとし、他の者は傷つけない事を己の信念(本人曰く「誇り」)としている。
車に轢かれそうになった捨て犬・ジローを助けたことを切っ掛けに裕司と知り合い、彼に胸の内を吐露し、その後再度、エネルギーセンターを襲撃し、銃で撃たれて負傷した時は裕司によって助けられた。
エネルギー切れで倒れるが、裕司の持つ変身アイテム『パワーブレス』の部品であるストレージクリスタルから超力エネルギーを注がれ傷は癒えて復活、互いに理解しあう関係となり、共にバッカスフンドを倒す事を誓う。
そんな矢先、執事アチャが出現。バラノイアにつくように命じられるもそれを拒んだため、救援に駆けつけたブルーと共闘。ブルー以外の4人も彼を救うためバーロ兵と戦う。
しかし、現れたバッカスフンドの攻撃で倒れ、アチャに特殊なコントローラーを取りつけられ、自我を失い殺人マシンと化し、暴走したままオーレンジャーを攻撃してしまう。
最初は攻撃できずに一方的にやられるブルーだったが、「他の者は傷つけない」という彼の誇りを守るために倒す事を決意。激突ローリングボンバーと稲妻・超力トンファの連続で怯み、ブルーのジャイアントローラーによる命がけの攻撃によって致命傷を受けた。
その後、自我を取り戻し、ブルーに打倒バッカスフンドの意思を託してオーレンジャーの元から去って行き、独り歩き続けスクラップ置き場に辿り着き、そこにいたジローを優しく撫でると、体が限界を迎えバラバラに崩れ去り、一人ぼっちのジローを見守るように、周囲の廃棄物と共に永遠の眠りについた。
解説
もはやテンプレと化した怪人との交流の話であるがこの話は
と、随所にパターンから外れた要素を取り込んでいる。
これはこの話の監督を務めた沸田洋氏が、井上氏の脚本を読んで「この話には巨大化は逆にしらけるんじゃないか。」「ブルーがトドメを刺すべきでは?」と自分なりに考え井上氏に相談したところOKが出たため、上層部とスポンサーを必死に説得して実現させたからである。
(特にジャイアントローラーの件はおもちゃの設定の根幹に関わるためスポンサーとの間でかなりこじれたらしく、『オーブルーが耐えられない』という妥協点を書いたことで何とか納得させた)
そしてイレギュラーにテンプレを組み込んだこのエピソードは相当異色な物になったが、ブルー役の合田氏とバラリベンジャーの声優を務めた大塚氏の熱演もあり非常に完成度の高い作品に仕上がっており、ファンからは「オーレンジャー屈指の神回」と称されている。
余談
声を演じた大塚氏はスーパー戦隊シリーズでの出演は今作が初となるが、この頃すでに声優としてある程度の地位を獲得していた大塚氏の熱演もあって前述の通り、非常に印象深いキャラとなった。
また、彼は唯一『バラノイア帝国の中でオーレンジャーと協力を求めた存在』である。
オーレンジャーの後日談である『激走戦隊カーレンジャーVSオーレンジャー』では裕司は「5人いないと超力は全開しません」と述べているが、本作の話で裕司本人がオーブルーとして一人でバラリベンジャーを倒しているため明らかに矛盾している。
もっとも、当作品の浦沢ワールドとしての現状を考えれば些細なことなのだが…
大塚氏は1999年の戦隊でも悪の組織の怪人・死神戦士サイマ獣タナトスを演じたが、こちらもバラリベンジャーと同じく戦隊メンバーと交流して改心するが、上司である幹部によって洗脳されて敵となってしまい、最期はやむなく倒されている。
2005年の戦隊に至っては、逆に改心した怪人を処刑する役だったりする。
そして2017年の戦隊、そこには再び正義の魂を燃やす彼の姿があった。
関連タグ
アラクレボーマ:『高速戦隊ターボレンジャー』の怪人で、同じく正義に目覚めて敵の首領に反旗を翻さんとした繋がり。
プータン(ジェットマン)/(ゴミジゲン):4年前の戦隊に登場したゴミ(ただし厳密には家庭ゴミ)から誕生した怪人。こちらも正しい心を持ち青色の戦士と交流するも、作中で死亡した点が共通している。
戦隊メンバーと心を通わせた怪人の変遷
ザシキワラシ(カクレンジャー)←バラリベンジャー→KKエス/JJジェットン/OOバットン