曖昧さ回避
- 『北欧神話』に登場する雷と農耕の神。本項で解説。
- 『女神転生シリーズ』に登場するキャラクター。本項で解説。
- 『とある魔術の禁書目録』に登場するキャラクター。⇒トール(とある魔術の禁書目録)
- 『魔探偵ロキ』に登場するキャラクター、雷神トール。⇒鳴神
- 『神々の悪戯』に登場するキャラクター。⇒トール・メギンギヨルズ
- 『パズル&ドラゴンズ』に登場するキャラクター。⇒トール(パズドラ)
- 『小林さんちのメイドラゴン』に登場するキャラクター。⇒トール(小林さんちのメイドラゴン)
- 『トリコ』に登場するキャラクター。⇒トール隊長
- 『経験値貯蓄でのんびり傷心旅行』の主人公⇒トール・エイバン
- アメコミ(MARVEL)のヒーロー。⇒ソー・オーディンソン
- サンリオの「ジュエルペット」に登場するキャラクター。⇒トール(ジュエルペット)
- ダイハツ工業が製造・販売を行っているコンパクトカー。⇒ダイハツ・トール
- 終末のワルキューレに登場するキャラクター。⇒トール(終ワル)
『北欧神話』のトール
父は最高神オーディン、母は大地の化身とされる女神・ヨルズ。子供には力の神マグニなどがいる。
鎧をまとった赤髭の巨漢として描かれることが多く、その見た目にたがわず性格も豪快で荒々しい。
武勇を重んじる好漢であるが、その反面少々単純で激昂しやすく、何かにつけて脅しに出る傾向がある。
巨人族との闘いで頭に火打石がめり込んでおり、些細な事でブチ切れる。
しかしながら怯える弱者に対して怒りを長く持続させることはない。
妻シフを愛する愛妻家でもあり、浮気者が多い北欧の主要神の中ではその手のエピソードが少ない。
野人に化けたオーディンとの口喧嘩で、現地妻攻略数を自慢するオーディンに色気のない巨人討伐の武勇伝で応じたりもしている(『ハールバルズルの唄』)。
アース神族最強の戦士とされ、彼の持つハンマー・ミョルニルは、対巨人族との切り札であり、絶大な威力を発揮したという。
その一方で短慮で短気なため、騙されやすく、知略による戦いには不向き。
その為か計略の神ロキとは妙にウマが合い、たびたび二人で行動を共にしている。時にシャレにならないイタズラを仕掛けるロキにブチ切れて追い回したりもしているが。
途方もない大食漢でもある。
二頭立ての黒山羊、タングリスニとタングニョーストが牽く戦車に乗り、空を翔る。この戦車の走る音が雷鳴となって、地上に響くのだという。
山羊はトールが空腹になると美味しく頂かれるが、、骨と皮さえ無事であれば翌朝には再生する。
またミョルニルで邪気を払い聖別する力もあり、後述する結婚式やバルドルの葬儀でもミョルニルが用いられている。
武勇伝が多いトールだが、変わり種として『古エッダ』『スリュムの歌』ではこんな物語が伝わっている。
トールが自慢のミョルニルを霜の巨人スリュムに盗まれ、交換条件として提示された美の女神フレイヤの身代わりとして女装・嫁入りする羽目になった。結果、神々が腹を抱えて爆笑するほどのごっつい花嫁が爆誕(ロキには自分やその他の対象の姿を変える能力があるので、誤魔化そうと思えば誤魔化せる)。
キレそうになりながらも侍女に化けたロキとともに乗り込み、燃えるような眼差しで睨みつけるのを「花婿を思うあまり一睡もしていないのです」、披露宴の御馳走を瞬く間にたいらげるのを「花婿を思うあまり何も口にしていないのです」など、ロキの言い訳で何とか切り抜ける。
そして宴もたけなわとなった所で、花嫁を祝福する為にミョルニルを膝の上に置かれた瞬間、トールは花嫁衣装をかなぐり捨てるとスリュムとその一族を皆殺しにする。そして財宝を奪って凱旋したのである。
神々の終末・ラグナロクにおいて、世界蛇ヨルムンガンドと死闘を繰り広げる。
トールがミョルニルによって大蛇の頭を砕き、勝利するも、神々をも殺す猛毒の血液を浴び、9歩後ずさって力尽きる。
本来は農民を中心に信仰された北欧神話の主神だったともいわれる。
トール、オーディン、フレイの3神の像が並んでいたスウェーデン・ウプサラの神殿では、主神の位置にトールが安置されていたという。
ゲルマン語族では木曜日(Thursday)の語源ともなっている。
木曜日は木星に対応する日とされているが、ローマ神話でこの曜日に対応するのは木星の英名にもなったジュピター(ゼウス)であり、彼とは雷という強大な力を用いて巨人族と戦った神という共通点がある。
ただし、あくまでトールはゼウスのような最高神ではなく、北欧神話的に最高神となるのは水曜日に対応したオーディンである。
なお、テュールはマルスと同一視されて火曜日(Tuesday)の語源になったが、実は起源的にはこっちがゼウスに近い神様だったりする。
なお、雷に打たれた木から潜んでいたクワガタムシが出てきたという言い伝えからクワガタムシはトールのお使いとみなされた。
別名
ソー ソール ドンナー(古いドイツ語でトール神を指す。現在は単に「雷」)
『女神転生シリーズ』のトール
メシア教に所属しており、アメリカ合衆国の大使「トールマン」として日本にやって来た。
ゴズテンノウが治めるマントラ軍に所属していたが、マントラ軍が崩壊し、ゴズテンノウの力を継承した橘千晶が掲げる「ヨスガ」のコトワリの賛同者となる。