15世代
じゅうごせだい
概要
競走馬のうち、2012年生まれ、2015年に3歳の世代。現10歳。
菊花賞で頭角を現したキタサンブラックが大活躍したキタサンブラック世代。母父サクラバクシンオーの血統的不安を払拭すると、その後も長距離戦線で活躍した。
他には佐々木主浩氏の保有馬であるシュヴァルグランや、菊花賞2着馬で海外G1のリアルスティール、G1馬アドマイヤグルーヴを母に持ちルーラーシップの甥にあたる二冠馬ドゥラメンテが活躍した。
フェブラリーSなどGⅠ2勝を挙げたダート馬ノンコノユメや、クラシック三冠レース全てに出走経験を持ち7歳で障害に転向したタガノエスプレッソは10歳まで現役を続けた。二頭とも現役最晩年までGⅠをふくむ重賞戦線で好走し、タガノエスプレッソは2歳と10歳で重賞を制した初の日本調教馬となった。
アメリカでは37年ぶりにアメリカ牡馬クラシックレースで三冠を達成したアメリカンファラオがこの世代。
欧州では3歳時の凱旋門賞をゴールデンホーンが制すると、4歳時には名伯楽エイダン・オブライエン調教師の手掛けたガリレオ産駒3頭、ファウンド・ハイランドリール・オーダーオブセントジョージで上位独占という偉業を成し遂げた。ハイランドリールはその後BCターフを制し、香港ヴァーズでサトノクラウンと激闘を繰り広げ、5歳シーズンも中距離路線で活躍した。オーダーオブセントジョージは長距離路線で活躍したが、2つ下の世代にストラディバリウスがいたためにややかすみ気味となった。
オーストラリアには2017年創設の芝最高賞金レース、ジ・エベレストを連覇した初代王者レッドゼルがいる。同国での獲得賞金はウィンクス・ネイチャーストリップに次ぐ3番目の数字を誇る。香港では香港マイル連覇のビューティージェネレーションや香港スプリント連覇のミスタースタニング、宝塚記念に来日し2着に激走したワーザーがいる。
種牡馬
ドゥラメンテ、キタサンブラック、リアルスティール、シュヴァルグランなどが種牡馬入り。
ドゥラメンテが早世したため産駒がわずか5世代にとどまったが、初年度産駒となる21世代から菊花賞馬タイトルホルダー・22世代から二冠牝馬スターズオンアースが出ている。キタサンブラックもブラックタイドの後継として供用され産駒が22世代からデビューし、初年度産駒から2歳で重賞馬が出ている。
アメリカンファラオは輸入産駒からダートGⅠ馬2頭を出したほか、仏GⅠ馬ヴァンゴッホが出るなど芝適性も高い。
そのアメリカンファラオを破ったキーンアイスの仔から、21番ゼッケンのダービー馬リッチストライクが誕生、父子揃ってアメリカを戦慄させた。
勝利した古馬GⅠ
この世代の日本調教馬によるJRAGⅠ、ダート交流JpnⅠ、海外GⅠ勝利数の合計:20勝
※2歳GⅠ、3歳GⅠは除く。
前述の通り、キタサンブラックを擁し、5歳時の2017年には6つあるJRAの芝中長距離GⅠを全てこの世代の馬が勝利した(キタサンブラック4勝、サトノクラウンとシュヴァルグランが各1勝)。
反面、芝短距離では1歳上にレッドファルクス、1歳下にファインニードルがおり、障害でも前後の世代が極めて強力だったこともあり、GⅠ通算0勝と衝撃的な数字となっている。