スペック
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概要
尻尾に当たる部分に装備された荷電粒子砲の他、規格外の超大口径衝撃砲など、強力な火器を満載し、格闘戦用のストライクレーザーバイトシザース(鋏)も備えている。このハサミはジェノブレイカーやガイサックのものとは異なり、切断ではなく力任せに握り潰す事を目的とした武器である。防御面においても、機体を覆う超重装甲に加えてEシールドまで備え、まさに鉄壁である。
HMMシリーズでは独自の設定も盛り込まれており、背部のショックカノンは小型化され、状況に応じて収束・散弾に切り替え可能な旋回式砲塔となり、コックピットは装甲とハッチの二重構造、尻部のロケットブースターのノズルも片側2基・計4基に増加されている。更に胴体底面の4つのハッチを開くとスラスターが出現する。
小学館刊『機獣新世紀ZOIDS 公式ファンブック』内のバトルストーリーにおいては、人間による制御を受け付けない暴走ゾイドとして登場。自己進化を起こした結果、前後のハサミが倍近くにまで延長され、背面に無数のレーザー砲台を備えた凶悪な姿に変貌した。更に、尻尾を伸ばして敵を串刺しにする能力も備え、これでアーサー・ボーグマン少佐のブレードライガーに致命傷を与えている。
また、野生ゾイドが戦闘用ゾイドへと改造される際に失われる繁殖能力まで発現し、戦場となった古代遺跡ではゾイドコアをエサとする無数のデススティンガーの幼体が確認されていた。何故ここまで強いのかというと、実はゾイドコア(遺跡からちょろまかした盗掘品)が元から完全なオーガノイドシステム(アニメに登場するオーガノイドとは別物)を搭載していたからである。
後にオーガノイドシステムを制御可能な「インターフェイス」と呼ばれる小型ゾイドを搭載する事で制御可能になるが、「パワーアップの副作用で凶暴化する」と思われていたバトルストーリー版オーガノイドシステムは、実は「凶暴化させることでパワーアップする」と言う凶暴化前提のシステムだったので、オーガノイドシステム本来の性能より大幅に下がってしまう(ゾイドは純粋なロボットではなく金属生命体なので、オーガノイドの登場以前から「性格が凶暴なほど戦闘時にカタログスペック以上の性能を発揮する」と言う設定が存在する)。
バリエーション
KFD
前述のインターフェイスを搭載(?)して制御が可能になった量産型のデススティンガー。呼称の「KFD」は「キラー・フロム・ザ・ダーク」を意味する。
各種武装をハリネズミのように装備しているが、暴走しないように調整された事で出力はオリジナルデススティンガー(しかも暴走前)の7割しかない。そのためバトルストーリーでは投入された10体のKFDは、完全野生体使用ゾイドのライガーゼロ部隊に一蹴された。しかも戦死したKFDのパイロットには後のネオゼネバス帝国皇帝ヴォルフ・ムーロアの幼馴染であるアンナ・ターレスも含まれていた。
元々はコロコロコミック主催の改造コンテストの最優秀賞。ジェノザウラーやグスタフ等の部品を使った何気に贅沢な機体。
ステルスティンガー
鋭角な装甲と黒一色の機体色でステルス性を重視した機体。陸上での活動に特化した為、水中用の装備は外され、尻尾の荷電粒子砲もクローに換装されている。それに伴い、形状もウミサソリ型から通常のサソリ型に変更された。
下記のサックスティンガーと共に電撃ホビーマガジンに掲載されたデススティンガーの改造作例が初出であり、当初はヒルツが惑星Ziを制圧する為に開発したという設定だったが、後にこの設定を一新した上でゴジュラスギガのキットに付属している小冊子内のバトルストーリーにも登場を果たした。
この話中では、ネオゼネバス帝国軍最強のパイロットとして誉れの高い「黒の竜騎兵団」所属のジーニアス・デルダロス少佐が搭乗。傭兵アーバインの駆るゴジュラス・ジ・オーガを倒し、スティブ・ボーン少尉が搭乗した調整が不完全なゴジュラスギガを翻弄するも、追撃モードに変形したゴジュラスギガの前に敗れ去る。
サックスティンガー
上記ステルススティンガーの随伴機として大量に投入された小型機。しかしゴジュラスギガには手も足も出なかった。基となったキットが共和国軍のガイサックである為、バリエーションと呼べるかは微妙。
デススティンガーZS
トミーの公式サイトにて連載されていたWebコミック『ゾイド妄想戦記』(現在は閲覧不可)第13話「呪われた島」に登場した機体。「ZS」とは「ザルカ・スペシャル」を意味する。
かつての戦争で滅亡したゼネバス帝国の狂気の天才科学者ザルカが独自の技術でかけたリミッターにより、オリジナル機の強さはそのままに、操作性を両立させる事に成功している。
ハピネットにて限定販売されたキットは通常のデススティンガーの成型色を変更したもので、フレーム部は暗めの赤、装甲は薄いパールピンクのネオゼネバス帝国準拠のカラーリングとなっている。
Webコミックには未登場だが、アーケードゲーム・PS2・XBOX360用3Dアクションゲーム『ゾイドインフィニティ』では、序盤のボスキャラクターとして登場。同作はパラレルワールドである為、ザルカ(CV:郷里大輔)もゾイド専門の医者という設定で登場している。
ヤクトスティンガー
ロールプレイングゲーム『ZOIDS SAGA』シリーズに登場した改造機。攻撃力が向上しているが、稼働時間が短くなっている。
ストーリー
機獣新世紀ZOIDS
強化人間であるハンナ・ハンナ少尉の乗機として登場。ゾイドの持つ情報をダイレクトにパイロットに伝達する「バーサーカーシステム」を搭載しており、事実上それに耐えられるハンナの専用機となっている。
ヘリック共和国の都市ミュールでの事件処理の為に帝国を訪れたバンの帰路を遊び感覚で奇襲し、ブレードライガーを徹底的に痛めつけた。
カール・リヒテン・シュバルツ少佐の部下であるキルシェ・ハルトリーゲル中尉が、当機の危険性を探る為に独断で搭乗した結果、バーサーカーシステムに精神を汚染され暴走。制止を試みたシュバルツ少佐のアイアンコングを中破させる。そのままミュールに肉薄し、迎撃に出たゾイド部隊を一方的に蹂躙。加勢に来たバンのブレードライガーに対してもブレードや牙を損傷させ、決定打を奪った。
その後、アーバインのステルスドラゴンとの小競り合いとなり、この隙にバンがブレードライガーからライガーゼロに乗機を変更し、戦場へ復帰してくる。システムが不十分なライガーゼロ相手に有利に戦うが、ミュールの防衛ゾイド・オルーガの力でライガーゼロがシステムを完成させた後は、その圧倒的な敏捷性について行けず、シャドーキーでの強化も虚しく撃破された。
なお、これまでハルトリーゲルはデススティンガーのコクピット内で気絶していたが、撃破の瞬間にジークにより救助された。
バトルストーリー
公式ファンブック2巻では、ガイロス帝国の科学者から真オーガノイドの危険性を示唆されながらも戦線に投入され、共和国軍との戦闘中に頭部に被弾したのがきっかけで暴走。敵味方の区別なく虐殺の限りを尽くした末に地中に潜り逃亡した。
その後遺跡を巣としてゾイドコアを溜め込んでは幼体のエサにするというエグい事を始め、偶々巣の近くで戦っていたアーサー・ボーグマン少佐のブレードライガーとリッツ・ルンシュテッド中尉のジェノブレイカーに対し、生きの良いコアを求めて攻撃を仕掛ける。デススティンガーを脅威と感じた二人は戦闘を中断し、ブレードライガーのハイテンシティビームとジェノブレイカーの荷電粒子砲の同時攻撃により頭部装甲とEシールドを破壊するダメージを与えるも、デススティンガーは自己進化を起こし逆襲。ブレードライガーはゾイドコアを破壊され、ジェノブレイカーも中破してしまう。
ブレードライガーが助からない事を悟ったアーサーはジェノブレイカーの盾となって捨て身の突撃を敢行、デススティンガーの背部から放たれたレーザーの雨によって蜂の巣にされ帰らぬ人となるも、ジェノブレイカーはデススティンガーの攻撃で折られていたブレードライガーのレーザーブレードを握りしめ、ブレードライガーに気を取られている隙にデススティンガーの頭部に突き立ててようやく撃破された。
なお、アーサーとリッツは最後までお互いの顔も名前も知る事はなく、リッツがアーサーの為に立てた墓標には「私の知りうる限り最高のゾイド乗りここに眠る」と記された。その後リッツは軍籍を離れ、消息不明となっている。
ゾイド-ZOIDS-
「ガーディアンフォース編」にわたるボスキャラクターの一つとして登場。パイロットのヒルツの技量、そして主人公勢と同様にゾイドを強化するオーガノイド(アンビエント)を伴っていた事もあり、並のゾイドを寄せ付けない凶悪な性能を見せつけた。
劇中ではゾイドコアが太陽並みのエネルギーを生成する、マグマの中を潜航して奇襲する、荷電粒子砲で大都市や山脈を一撃で消滅させるなどというチートぶりを披露しており、結局完全に破壊される事のないままヒルツ共々ゾイドコアがデスザウラーと融合し、ラスボスとなった。また、そのシーンの際苦悶の表情を浮かべる人間の顔のようなものがコックピット内に浮かび上がる場面があり、ヒルツの高笑いも相まって非常に不気味である。
なお、劇中の設定では本来はデスザウラーを封印する為の二体のゾイドだったようだが、逆にデスザウラーを強化してしまう結果となった。また、劇中のデススティンガーは本来のバトルストーリー版の数十倍もの大きさを誇る。
また、ホログラムを遠隔地に投影する機能も持つ。
ゾイド新世紀/ゼロ
尾部のみ登場。バックドラフト団本部に設置され、ゾイドバトル連盟のジャッジサテライトやウルトラザウルスなどを攻撃したが、ウルトラザウルスは超大型のEシールドで荷電粒子砲を防いだ。
その他
ゲームでは主にラスボスや隠しゾイドとして登場し、スペックはもはやチート。勝てるわけがない。だが、味方にすればもう無双である。
モチーフ
ウミサソリとは、太古の昔に生息していた節足動物の一種であり、全長は最大2.8mと史上最大の節足動物。
当時最強の生物で、生態系の頂点に立っていた捕食者である。ただし、今のサソリとは似ても似つかない姿で、生物学的な関係もない(どちらかというとカブトガニに近い)。
デススティンガーの陸上行動時の姿は完全にサソリであり、頭部装甲を開いた時に露出する顔とウミサソリモードにその面影を残している。
制作の背景
コロコロコミック企画の一般公募から生まれたゾイドである。
投稿者は共和国軍ゾイド「ブルーマリン・スティンガー」として応募したのだが、コロコロ編集部又はトミーが本当は帝国軍所属の強大な新造ゾイドを欲しがって公募を企画したのか、あるいは共和国軍にかなり前からサソリ型ゾイドがいたからなのかは不明だが、兎にも角にも共和国軍期待のスーパールーキーとして考案されたブルーマリン・スティンガーは、帝国軍所属の真オーガノイド、デススティンガーとして世に飛び出してしまった。
キット
サソリをモチーフとした電動ゾイドとしては、過去の『ゾイド24』シリーズに、ゼネバス帝国のデスピオンが存在していた。デススティンガーの試作モデルも、実はデスピオンの部品が流用されていた。
ただし、玩具的にはデスピオンが1モーター駆動であるのに対し、デススティンガーは左右2モーター駆動となっており、別売のゾイドコントローラーを繋げば前進・後退・更には旋回動作を行う事も可能である。腹部には車輪が付いているが、動力軸と繋がってはおらず、自重を支えるための補助輪である。
2015年12月にはコトブキヤからHMM(Highend Master Model)シリーズとして動力を持たない組み立てキットが発売。装甲の色が彩度を抑えたパープル系のカラーリングとなり、従来の青いカラーリングの機体はアニメに登場したヒルツ仕様として限定発売された(後述)。ポップアップキットでは胴体と一体化していた頭部が独立して可動するようになり、脚や鋏、尾の可動箇所も増えている。
HMMシリーズお馴染みのクリア成型のゾイドコアも内蔵されており、背部の装甲を取り外すとコアが露出し、取り外しも可能。
コトブキヤショップにて限定販売されたヒルツ仕様は、小サイズのブレードライガー(組み立て式)と直立・着座姿勢の2種のヒルツとアンビエントの塗装済みフィギュア、そして銀メッキ加工された鋏と牙のランナーが付属している。
余談
- 前述のゾイドコントローラーはデススティンガーの他、ライトニングサイクスやバーサークフューラーなどにも対応しているが、コントローラーの機能をフルに活かせるのは2つのモーターを搭載している本機のみである。
- 2011年に幕張メッセで開催された『キャラホビ2011』のコトブキヤステージでは、千葉工業大学の学生達がPS2のコントローラーで無線操縦可能な超巨大なラジコンのデススティンガーを披露した。(モルガも同時公開)デススティンガーの中でもアニメに登場した超巨大サイズのそれでなおかつ1/72スケールで作られているので、とてつもなくデカい。発売されている通常のポップアップキットも同じ1/72スケールで作られているので、並べてみるとこのデカさがよく分かる。
- 初代アニメにおけるデススティンガーの全身を覆うタイプのEシールドは、『ゾイドフューザーズ』におけるライガーゼロフェニックスに近いタイプである。
- こちらは上山道郎氏によるおふざけである。